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第2話

HARU、爛漫☆第2楽章『初めてのお勉強』 春希と春翔の気持ちを知ってから2週間くらい過ぎた。 あれから3人で色々話し合って、俺は週に1度はどちらかひとりと過ごすって事になってた。 ふたりともうちに遊びに来て、母親のレッスンの間に俺との2人きりの時間を過ごす。 今までもあった事だったけど、ふたりが俺の事を恋愛対象として見てるって分かってから、俺はそれを必然的にスゲー意識しちまって、今までどう接してたのか分からなくなってきてた。 ****************** 今日は母親のレッスンが16時から20時までで、俺はテスト期間だから部活がない。 だから春翔とスーパーで晩飯の買い物をして、自分たちで料理をして食べる事にした。 実は俺、母親の仕事の都合で料理が出来た方が自分が楽だという事で小さい頃から料理を教えられて、それなりに出来たりする。 今日も母親がレッスンが終わった後にすぐ食べられるように晩飯作りを頼まれていた。 今日のメニューはカレーとツナサラダ。 春翔も俺と同じで母親の代わりに食事の支度をする事があるらしく、俺たちは割と手際よく作っていたと思う。 「春楓の家のカレーは豚肉なんだね」 「おう、親父が豚肉派だからな。親父、いつもいきなり帰ってくるからいつ帰ってきてもいいように毎回豚肉。春翔んちは?」 「鶏肉か豚肉かな。父が来る日は牛肉って決まってるけど」 カレーを煮込んでる間に、春翔が使ったまな板や包丁を洗ってくれる。 俺はそれを布巾で拭いて元の場所にしまってた。 「春楓」 片付けを終えると、春翔が俺を抱き締めてくる。 「こうして一緒に料理ができるなんて嬉しいよ」 「そ、そう……」 額に、頬に。 春翔がキスしてくる。 あぁ、これきっとこの後唇にするやつなのかな。 そう思ったから、俺はドキドキしながら目を閉じていた。 「春楓、そんな風に目を閉じちゃって。僕がキスするって思ったんでしょ?」 「ダ、ダメなのかよ!」 クスッ、と悪戯っぽく笑う春楓の声に、俺は目を開ける。 「ううん、ダメじゃない。すごく可愛いよ……」 すぐ傍にあった春翔の顔。 ちゅ、と音を立てて不意打ちのキスをした後、春翔は俺の唇をその舌で舐めてくる。 「ん……ッ……!!」 口を開けて欲しいって事なんだ。 俺はそう思って、恐る恐る口を開けると、春翔の舌が入ってくる。 まだ、このキスに慣れない。 すごくドキドキして、身体に力が入らなくなっていく。 「はぁ……っ……」 こないだみたいに、俺は春翔の身体にもたれかかっちまってた。 「春楓、僕のキス、気持ち良かった?」 「は…?そんなん知るかよ」 俺の髪を撫でながら言う春翔の声はスゲー嬉しそうだった。 「春希とはこういうキス、してないの?」 「してない!お前だけだよ、こんなのしてくるの。てか春希と張り合うの止めろよ」 やべっ、春希の名前出しちまった。 出したら刺激にしかならないって思ってたのに、春翔が変なコト聞いてきたからつい。 「ごめんね、春楓。それは無理だよ。僕も春希もどっちが春楓の心を掴めるか必死だから」 俺は春翔の身体に寄せてた頭を上げてその顔を見ながら言ったんだけど、それに対して春翔はすごく真面目な顔でそう言ってくる。 「好きだよ、春楓。世界で1番君が好き……」 そのまま、春翔はまたキスしてきた。 俺を抱き締める力が少し痛いくらいだったけど、俺は何も言えなかったんだ。 春翔とはその後一緒にカレー食べて、テスト勉強をして解散した。 『春楓とふたりきりで過ごせてすごく嬉しかったよ、ありがとう』 笑顔で帰っていった春翔。 その笑顔が作ってるものだって俺には分かった。 自分だけを見て欲しい。 春翔がそんな気持ちだって分かってるけど、それは春希も同じで。 はぁ、ふたりして何で俺なんだよ。 ****************** それから、俺はふたりの事をあまり深く考えないようにして、春希とだけ会う日を迎えた。 春翔に会ってすぐに春希に会うのは嫌だったから、春希に頼んで会うのは2日後にしてもらってた。 その日は母親が夕方からレッスンで早く晩飯を食べる日で、春希とは母が一緒に食べようと言ってくれた事もあって晩飯を一緒に食べる事になって。 それまでは俺の部屋でテスト勉強をする事になったんだけど、春希は俺が分からないところを教える時、めちゃくちゃ密着してきたんだ。 ****************** 「春希、近くて文字書きずらい」 「……そうなの……?邪魔にならないように気をつけてるつもりだったんだけど……」 「お前、それマジで言ってんの?」 俺の背後に回ってぴったりくっついて、肩に頭を乗せて耳元で話してくる春希に俺は突っ込む。 こんな言動見たら、誰も春希が毎回学年トップ取ってる優等生だなんて信じねぇだろうな。 「うん。せっかく春楓とふたりだから一緒にいたくて」 「バカヤロ!!うちの母さんに見られたらどう説明すんだよ!」 「おばさん、もうお菓子と飲み物持ってきてくれたからもう来ないと思うけど」 淡々と話しながら、春希は俺の首筋にキスをする。 「ちょっ……!!何すんだよ!!」 それは、身体にびりっ、と電気が走ったみたいな感じがした。 「春楓のここ……すごく好き。僕のと違ってすごく綺麗……」 「や……っ、やめろって……!!春希、怒るぞ」 今度は舌で首筋から鎖骨までをなぞられる。 さっきよりも身体がびりびりして、震えてしまった。 「春楓、嫌なの?今の春楓の顔、DVDで観た人と似てたよ。その人はこうされて気持ちいいって言ってすごく悦んでたんだけど…」 春希は本気で分からない、っていう口調で聞いてくる。 「あ…あのさ、DVDって何の話だよ」 「ん…男同士でセックスするDVD」 恥じらうことなく言ってくる春希。 聞いててこっちが恥ずかしくなってくる。 「お、お前もそういうの持ってるのか?」 「うん、1枚だけ。勉強の為にインターネットで買ったんだ」 「お前、何でそんなに飄々とした感じで言うんだよ」 「そう言われても……。僕、これでもすごくドキドキしてるよ。ほら……」 そう言って、春希は俺の左手をとると自分の胸元に当てる。 全体的には緩めなのに、胸元だけ少しぴったりしてるようになってるTシャツの上からでも分かる、厚い胸。 そこから伝わる、春希の鼓動は結構早かった。 「春楓はどう……?」 「え……何す……っ!!」 俺の身体をカンタンに反転させた春希は、俺の胸元に顔を埋める。 「…あぁ、すごくドキドキしてるんだね、春楓も……」 「お、お前がいきなりこんな事するからだろ…」 「これ以上ドキドキしたら、春楓はどうなっちゃうのかな…」 顔を上げると、春希は俺との距離を詰めてくる。 俺の後ろはベッドで逃げられない。 まぁ、逃げるつもりもなかったけど。 「春楓、キスしたい」 もうあと少しのところで話す春希。 「い…いちいち聞いて来んな」 俺は恥ずかしくてたまらなかった。 「聞いちゃダメなの?」 春希はまた、分からないを全面に押し出してくる。 低い声なのに、甘えた口調は昔のままだ。 「聞かなくていいから!恥ずかしいだろ!!」 「でも、聞きたいんだ。聞いて春楓にいいよって言われてからキスしたい」 「……ワガママかよ、お前」 真っ直ぐな瞳で見つめてくる春希の耳元に顔を寄せると、俺は小さい声でOKを出す。 「……ありがとう、春楓。大好きだよ……」 春希の大きい手が俺の髪に触れ、ゴツイ指が顎に触れ、唇が俺のと重なる。 胸元に触れたままの手からは春希の鼓動が更にドキドキしていくのが伝わってきて、俺もつられてしまってそうだ。 「春楓、大人のキスもしたい」 春希が少し照れながら聞いてくる。 「……それって舌入れるやつ?」 「うん、ダメかな?」 不安そうな顔に表情が変わる。 いつもは顔色ひとつ変えない春希が、俺の前ではこんなにもくるくると表情を変えるのがちょっと面白い。 「……ダメじゃ……ねぇけど……」 春翔ともうしてるから大丈夫、なんて言えなかった。 春希がそんな俺に対してどう思ったか知らねぇけど、俺は春希ともあの慣れないキスを交わしたんだ。 ****************** 俺にとって、地獄でしかなかったテスト期間がようやく終わった。 ふたりのおかげで毎回平均点ギリギリの成績の俺。 今回もなんとか平均点ギリギリの成績で、学年の真ん中くらいの位置につけれた。 両親から平均以下を取ったらサッカーを辞めるように言われてたりする俺にとって、それはめちゃくちゃ嬉しい事だった。 トップは春希で、今回はあと1点で満点。 春翔は3点差の2位だった。 「貴公子さまたち、ホントすごいよね!」 「イケメンで頭も良くてピアノも上手くて。あんな人たちがふたりもいるなんて信じられない!」 休み時間、張り出された結果を見て騒ぐ女の子たち。 トイレから教室に戻ろうとしてた俺は気配を消し、そこから立ち去ろうとしてた。 「おや、こんな所でこそこそ何をしているのかな?黄嶋くん」 聞き慣れた嫌味たーっぷりの言い方。 コイツとも幼稚部からずっと一緒だけど、ずっと仲が悪い。 「明日南」 「君もお友達の活躍に負けないようにしよう、とは思わないのかな?……まぁ、あのふたりに何もかも負けたままの無様な君を見ている方が僕は胸がスっとするのでいいんだけど」 杜 明日南(もりあすな)。 親が有名IT企業の社長で学園の理事をやってて、学園内でかなりの発言力がある。 今はまだ生徒会役員っていう肩書きだけど、次期生徒会長候補っていう噂が絶えない。 昔は春希と春翔ばかり苛めてたのが、ふたりが人気者になり、明日南が俺の身長を越した辺りから俺を攻撃するようになってきた。 俺が女の子たちのからかいの対象になってるのはコイツのせいもあると思う。 「無様だと思ってる俺に構ってるなんて、時間の無駄だと思うけどな」 「き…君が僕の前に現れるからいけないんだ、さっさと僕の目の前から消えろ!」 俺が睨みながら言うと、明日南はひどく動揺する。 身長は抜かれたけど中身は昔と変わってなさそうな明日南に、俺は口ではあるけど変わらず向かっていって黙らせ続けていた。 「はいはーい、明日南様の前にいるのに相応しくないので消えまーす!」 俺は嫌味を返すと教室に戻っていた。 今日まで部活は休み。 ピアノのレッスンの日だから学校からまっすぐ教室に行く事になっていたんだけど、それだけで済まない事になりそうだった。 『僕の家、今日から1ヶ月巡業でみんないなくなるんだけど、ピアノの後に僕の家で3人で勉強しない?』 朝、電車から降りて学校に向かってる時に春希が言い出す。 『勉強?テスト終わったばっかなのに?』 『春楓、春希がしたいのは学校の勉強じゃなくて、3人でする勉強だよ。前に言ってたじゃないか』 『3人でする勉強……』 俺、少し前の事を思い出しちまう。 アレだ。 どうやったら男同士でHするのか3人で勉強しようって話だ。 『春翔、僕が持ってるDVDでもいい?』 『あぁ、構わないよ』 『じゃあピアノの後は僕の家に集まろう。いいよね?春楓』 『お…おう……』 ふたりの笑顔の迫力に負けてついOKしちまったけど、いきなりHするとかないよな。 そこを確認する前に学校に着いちゃって、学校にいるから聞けないうちに時間だけが過ぎていた。 ピアノ教室までの移動の間に晩飯をみんなで食べる事に決めた俺たちはレッスンの後、駅の近くで弁当を買って3人で地下鉄に乗り、春希の家に向かった。 相撲部屋と同じ玄関から入って階段を登った3階にあるのが春希の自宅スペースだった。 「いただきまーす!」 ダイニングテーブルを借りて3人で弁当を食べる。 「ん、久しぶりに食べるけど相変わらず上手いな、ここの弁当」 「うん、最後に食べたのっていつだったかな」 「小学部6年の夏休みじゃなかったかな。あの時もうちが巡業で僕だけになるからってふたりが泊まりに来てくれた時の夕飯がここのお弁当だったと思う……」 他愛ない昔話に花が咲く。 春希の親父さんが親方になって部屋を作ってから、春希はひとりで留守番をする事が多くなって俺たちが泊まりに行って飯の作り方とか教えてたりしてた。 「あの時はまだ、春希は料理出来なかったよな」 「そうだね。あの時が初めてひとりで長期間留守番するって事になったから、ふたりに教えてもらったのはその後だったと思う」 「懐かしいな、小学部の頃。春楓、あの時からずっとサッカーもピアノも頑張ってて、僕は凄いなって思ってた」 「僕も。春楓が頑張ってるから僕も頑張ろうって思ってた」 弁当を食べ終えると、春希が4階にある自分の部屋の方に向かって歩いていき、DVDを持ってくる。 あぁ、やっぱり観るんだな。 「リビングで観ようか。大きい画面で見た方が春楓も分かりやすいと思うし」 「僕もその意見に賛成だな。春楓にしっかり観て欲しいからね」 「俺、別に小さい画面でもいいんだけど……」 多数決に負け、俺は春希んちのめちゃくちゃデカいテレビ画面で男同士のHなDVDを観る事になってしまった。 脇をふたりに固められ、ソファの真ん中に座らされた俺。 嫌な予感しかしなかったから、俺はある提案をしてた。 「あのさ、俺ちゃんと観るからふたりは目隠ししててくんない?ふたりはもう観てるから、今更観なくてもいいだろ?」 って。 「春楓、本当にちゃんと観る?僕は観るならそうしてもいいけど」 「観る!観るからお前らは目隠ししててくれよ。終わったら俺が外すからさ」 「春楓、僕たちに観られながら観るの、恥ずかしいんだ……」 春希と春翔が交互に俺に話しかけてくる。 ふたりとも余裕あるような表情で、俺はちょっとムカついた。 「春希、タオル2本貸せ」 「うん、分かった」 春希にDVDをセットしてもらい、タオルも持ってきてもらうと、俺はそれでふたりに目隠しをして再生ボタンを押した。 「…………」 学校の教室っぽい場所。 ブレザーを着た男がふたり、何の前触れもなくいきなりキスをし始める。 舌を絡めあってて、荒い息遣いが結構な音量だったから慌ててボリュームを下げた。 そのうちひとりがもうひとりの首筋から鎖骨まで舌を這わせてて、されてる方はされた方に気持ち良さそうだねって言われたら気持ちいいって答えてた。 春希が言ってたの、このシーンだったんだ。 されてる方、確かにちょっと俺に似てるかも。 こっちの方が茶髪で女顔だけど、目鼻立ちは俺っぽい。 春希、だからこのDVD買ったのか? 「これ、うちにあるのと同じDVDだと思う」 春翔がぽつりと呟く。 「される方が春楓に似てるよね」 「うん、僕もそう思う」 春希がそれに応えて、俺はやっぱそうなんだと思っちまってた。 「春楓、どう?」 「どうって言われても……」 春翔に聞かれたけど、答えられなかった。 目の前では下半身だけを脱いだふたりが抱き合いながらお互いのを扱いている。 俺に似てる方がめちゃくちゃ喘いでいて、相手のを扱きながらイッてしまってた。 その飛び散った精液を指に付けた相手は俺に似てる方の手を避け、後ろを向くように言う。 机を支えに臀を突き出す俺に似た男は、臀の間に相手の指を突っ込まれ、まためちゃくちゃ喘いでいて、俺は息を呑んでしまってた。 相手は指を2本、3本と増やして、いつしか指が出入りする度にぐちゅ、ぐちゅ、と液体が滴るような音がしてくる。 こんな事、本当にあるのかよ。 って、ふたりはこういう事を俺としたいのか。 行為がエスカレートしていくにつれて、何故か俺はドキドキし始めていた。 やがて、指ではなくまだイッてない男のが挿入され、俺に似た男は苦しそうにしながらも気持ちいいを連呼していた。 そうしたシーンが場所を変え服を変え3種類くらいあってDVDは終わり、俺はこんな事出来ないって思っちまった……けど、少しだけ、ほんの少しだけ興奮しちまった。 「春楓、終わったなら目隠し取ってよ」 「大丈夫?春楓」 「あ、今取る……」 気づかれたくない。 ふたりが興奮したって気づいたら何かしてくるに違いない。 いきなりあそこまでなんて絶対無理。 俺は何もない事を願いながらふたりの目隠しを外した。 「ちゃんと観たみたいだね、春楓」 「興奮しちゃった?顔、紅いよ」 ふたりが俺との距離を狭めてくる。 「春希、どっちが確認する?」 「一緒に確認しようよ、春翔」 「お、おいっ、何勝手に決めてんだ……っ!!」 春希がベルトを外し、春翔がチャックを下ろすと、俺は両脇から履いていた制服のスラックスを下着ごと脱がされ、床に落とされた。 「あ、少し勃ってる」 「興奮したんだね、春楓」 ふたりはソファから降りると、嬉しそうに半勃ちの俺のモノをすぐ傍で眺め始める。 ふたり分の息がかかって、背筋がゾクゾクした。 「そ……そんなに近くで見なくてもいいだろ」 「春楓、僕らにそんな事言っても無駄だよ」 「うん、春楓の事大好きだから春楓の事、もっともっと知りたい……」 ふたりが同時に顔を見上げて俺を見てくる。 その澄んだ瞳は昔と変わらないのに、やってる事はかなり可笑しい。 でも、俺を想う気持ちの純粋さが伝わってきて、俺は抵抗出来なかった。 「春希、どうする?」 「同時に舐めるなら公平じゃない?」 「そうだね。春楓のを口でするのは次のコンクールでいい成績を取った方にしようか」 「うん、そうしよう」 「な……っ、何勝手に決めて……っ!!」 俺が話終える前に、ふたりは俺のを舐め始めてた。 両側面を同時に、それも動きが少し違って、今までに感じた事のない快感が俺を襲う。 「うぁ……っ……!!」 自分でもビックリするくらい、やらしい声が出た。 嫌だ。 こんなの恥ずかし過ぎる。 「勃ってきたね、春楓。すごく気持ち良さそう」 「春楓の声も顔も想像以上にすごくHで可愛いよ」 「や……っ、言うな……あぁ……ッ!!」 ふたりが音を立てて俺のを攻め立てる。 たまにふたりの舌同士が触れてキスしてる気もするけど、俺のを舐める事に夢中になってるふたりはそれに気づいていないみたいだ。 「春楓、イッてもいいよ」 「春楓のイク時の顔見せて」 同じ男だから分かるんだろう、俺がイキそうなのが。 でも、このままイッたらふたりの顔にかかっちまう。 そんなの嫌だ。 「ぁ……はぁ……っ……もぉ……っでる……ッ!!」 嫌だったのに。 俺はふたりの顔に思い切り精液をかけてしまってた。 「うう……っ……ばかやろ……っ……」 めちゃくちゃ恥ずかしかった。 けど、自分でするよりも何倍も気持ち良かった。 「春楓、すごく可愛かったよ」 「うん、すごく興奮した」 ふたりはもったいけどと話しながら、嬉しそうに目隠しで使ったタオルで顔についた俺の精液を拭いていく。 「春翔、僕、春楓にしてもらいたくなっちゃったんだけど」 「僕もだよ、春希。春楓の手を貸してもらってしてもらうって事でどうかな」 「そうだね、それなら問題ないよ。口でしてもらうのは今度勝負して決めよう」 「はぁ?お前ら、また勝手に決めんじゃねぇ……っ……」 まだ頭がボーッとしてる俺をよそに、ふたりは床にタオルを広げてからまた俺を間に挟んでソファに座ると俺と同じ、下半身だけ露出した姿になっていた。 「春楓、分かるよね?」 「僕らも気持ち良くなっていいよね?」 ふたりは俺の手をとるとそれぞれのを握らせる。 「!!」 どっちもめちゃめちゃ熱くて堅くなってドクドクって脈打ってる感じで、俺は思わずふたりのを見ちまってた。 俺のとは全然違うサイズのふたり。 体格差なんだって思いたいけど、それにしても同じ男のモノとは思えなかった。 「春楓に触ってもらえるって思うだけで僕もうイッちゃいそう」 「や……ちょっと……!!」 春翔が俺の手の上に自分の手を重ねてリズムを刻み始める。 その動きは結構ゆっくりで、上下する度にその脈動が伝わってきた。 「……僕もしてもらっていいよね?春楓」 春翔が息を上げながら没頭しているのを見たのか、春希も俺の手を自分ので包んでギュッと握らせた。 春翔と比べたら結構強い力だけど、痛くねぇのかな、春希。 時間にしたら15分くらいだったと思うけど、ふたりはほぼ同時にイッて、俺の両手にはそれぞれの精液がべったりとついた。 ふたりは満足そうにそれをタオルで拭いて、俺にありがとうって言ってくれた。 「今日はすごく良い日になったよ、ありがとう春楓」 「うん、今度は3人じゃなくてふたりでしようね」 「お…おう……」 ふたりが嬉しそうで、ただ抜くだけで終わって、俺はホッとしてた。 でも、こいつらきっとまたどっちが先にするのかで勝負するんだろうな……。

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