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第5話
HARU、爛漫☆第3楽章『初めてのお留守番3』
春希と2度目の1週間。
春翔と過ごしてから、っていうのがあいつのココロに火をつけたのか、最初の1週間よりも春希はかなり積極的だった。
「春希、そんなにくっついたら上手く切れねぇ」
「あ、ごめん……」
無意識なんだと思うけど、キッチンで並んで料理をしている時、その距離が近すぎる。
「刃物持ってるんだから気をつけろよ」
「うん、本当にごめん……」
デカい図体に似合わないしょんぼりした顔。
でも、昔と同じだから俺は嬉しくなる。
今日のメニューは親子丼と味噌汁。
春希の親父さんが後援会の人からもらったとかで分けてくれたじゃがいもとうちにあった乾燥ワカメを味噌汁に入れた。
「いただきます」
席は向かい合わせじゃなくて隣。
春翔もだけど、並んで座って脚が触れるのがイイらしい。
食事を終えて、後片付けをして、それぞれで風呂に入ってから勉強して。
寝る前にピアノの練習をすると、俺たちは布団を敷いた。
「春楓」
春希が俺の身体を布団に倒しながら名前を呼ぶ。
いつもと同じようで、ちょっと違う大人っぽい低音。
見上げた先にある顔は少し紅くて、春希も緊張してるのかな。
「服……脱がせてもいい……?」
春希の言葉に、それで顔を紅くしてたんだ、って俺は思った。
春希のこういうトコ、可愛いなぁって思っちまうんだよな。
「お、お前から脱げよ」
「分かった」
先に裸を見られるのが何となく恥ずかしくて、俺はそう言ってた。
そしたら春希は躊躇う事もなく着ていたTシャツもハーフパンツも脱いでいく。
間近で見る春希の身体はすごく迫力があって、やっぱカッコイイ。
「春楓、脱いだからいいよね?」
「お…おう、でもあんまりじーっと見んなよ。俺、お前みたいな立派な身体じゃねぇし」
「それは…僕が決める事だから…」
俺を見る春希の目が、一瞬知らないものに変わる。
あの、稽古で真剣勝負をしてる時に近い目だった。
俺がそれに動揺してるうちに、春希は俺のTシャツと七分丈のパンツを下着ごと脱がせてしまう。
「春楓の身体、僕なんかよりずっと綺麗だよ」
「んな事ねぇって。俺はお前みたいな身体が男らしくていいと思う」
「…そうかな。僕、どこも余計にある気がするからすごく恥ずかしくて。春楓みたいに必要な筋肉しかない身体がいいよ」
春希はそう言って、俺の胸に触れた。
「ん……ッ…!」
掌で全体を撫でられると、身体がびくって震えてしまう。
「春楓、気持ちいいの……?」
「わ…分かんね……っ……!」
春希は耳元で囁きながら、その手を止めない。
「っあ……ッ……!!」
「春楓もココがいいんだ……」
くすっ、と満足そうに小さく笑いながら、春希は指で俺の乳首を押し潰すように触れる。
瞬間、今まで以上に身体が震えて、熱くなって、やらしい声が出た。
「DVDの人と同じだね。でも、春楓の方がずっと可愛い顔と声してる……」
「う、うるせぇ……!!」
春希はその手を止めず、それどころかもう一方に唇を近づけてきて音を立てて吸ってきたんだ。
「や……っ、何してんだよ……っ!!」
「気持ちいいかな?って思って……」
ちゅっ、ちゅっという音もいやらしくて、俺を変な気持ちにさせる。
「はぁ……っ……も……やだ…っ…!!」
「何が…?」
「お前に変な顔見られてるの……とか……」
それに、さっきからずっと耳元で囁いてくる声。
それも俺を変な気持ちにさせる。
春希には絶対言えないけど……もっとして欲しい、って思わせるんだ。
「変?変じゃないよ。可愛くてもっとその顔見せて欲しくなる……」
「んんッ、おまえ……っ……!!」
身体が密着するように俺を抱きしめてくると、お互いのシンボルが触れ合う。
春希はソコに手を伸ばして、自分のと一緒に俺のも触ってきた。
春希のが堅くなってるのをダイレクトに感じて、身体がかぁっと熱くなる。
「…そうだ、春楓も僕の胸、触ってもいいよ。好きなんだよね……?」
「んぁ……っ……!!」
俺の先端を撫でながら、春希は俺の手をとって自分の厚い胸元に導く。
「ほら…触って…春楓…」
「うぅ……っ……」
何だよ、春希。
そんな余裕たっぷりみたいな顔で俺を見るな。
俺は頭がくらくらしてきて何も考えられなくなってきてるのに。
クソっ、悔しいから俺も春希みたいにやってやるんだ。
「んぅ……っ……」
その鼓動を感じながら、俺は春希の胸に触れ、乳首を舐めてみる。
女の子のを触った事がないから分からないけど、春希のは俺と違って手で揉めて少し柔らかい。
「……っ……春楓、こんな感じだったんだ……」
一瞬、春希の顔が歪む。
その漏れた声は色っぽくて、俺の行為に悦んでくれたんだと思うと嬉しくて堪らなかった。
「あぁ…でもこうしてくれてる春楓、赤ちゃんみたいで可愛い……」
春希にされたように口に含んで音を立てて吸ってみると、呼吸を少し荒くさせながら、春希は俺の頭を撫でた。
「おま……っ、俺の事バカにしてんじゃねぇよ!」
「……馬鹿になんかしてないよ」
唇を離して言うと、春希が俺の顎を少し強引に持ち上げて口を塞いでくる。
「ん……んんぅ……っ……!!」
最初から舌で触れてきたからついつい応えると、ぴちゃぴちゃと唾液の音が聞こえて身体がますます熱くなった。
「はぁ……っ、はるき……!!」
気づいたら、春希の手が俺のだけを握ってる。
「ん……春楓、して欲しい事があったら言って……」
「ふぁ……っ……!!」
耳元で囁くその声は優しいのに、手は俺の根元を握って離さない。
「あ……っぁ、なにして……っ……!!」
どくっ、どくって脈打つソコは、その度にこのままイッてしまいたいという欲求で何も考えられなくなっていく。
「春楓、言ってよ。こんなに濡らして……もうイキたいんでしょ……?」
「やぁ……っ、分かってんならその手、離せよ……っ……!!」
春希の指が俺のモノの入口を撫でる。
根元を握られたままのその行為に、俺はますます追い詰められていった。
「可愛い、春楓。でも、僕はちゃんと聞きたいな。春楓の口から僕にイかせてってお願いするのを……」
「ひゃぁ……っ……!」
そう言う春希の目も、声も、いつもと全然違う。それに春希はまた俺の乳首に唇を近づけ、吸い上げてきたんだ。
今度は少しだけ甘噛みしてきて、痛いはずなのに俺は快感を覚えて変な声を上げてしまってた。
「は……ぁっ、はるき……も……イキたい……頼むから……イカせて……っ……」
恥ずかしさで涙が出た。
そんな俺を見て満足したのか、春希はあの口元だけを笑わせた笑みを浮かべながらキスしてくる。
「春楓、ちゃんと言ってくれてすごく嬉しいよ。春翔と約束したからこのまま手でイかせてあげるね」
「や……あぁっ……!!」
根元を解放されると、一気にその欲望が駆け上がってくる。
春希の大きくてあったかい手に包まれて、俺は呆気なくイッてしまった。
「すごく気持ち良さそうだったね、春楓。良かった……」
「クソ……っ、お前……後で覚えてろよ……」
春希は俺が出してしまったので汚れた手を舌で舐めている。
「なっ!?そんなん不味いだろ、やめろって!」
「どうして?せっかくの春楓のだから味見したい」
こっちが恥ずかしくなるくらい、春希は真面目な顔で俺に言う。
「その舐めた口でキスしないなら良いけど」
俺、恥ずかしくてそんな事を言っちまってた。
「大丈夫だよ、春楓。僕、春楓に僕のしてもらうから」
「はぁ?」
口元を緩ませ、いきなり頭を撫でてきて俺をドキッとさせながら、春希はとんでもない事を言い出す。
「春翔と話し合って決めたんだ。こないだのテストで僕の方がいい成績だったから、春楓に初めて口でしてもらうのは僕、春楓が初めて口でされるのは春翔って」
「へぇ……」
そんな話、どこでしたんだろう。
恐らくスマホでやりとりしたんだと思うけど、こいつら俺の事になると途端にまともじゃなくなるよな。
「……いいよね?春楓。ちゃんと春翔と話し合って決めたらいいみたいな事言ってたし、それに僕、春楓のいやらしい顔と声でもう抑えてるの辛くなってきちゃった……」
春希が俺の手を引っ張り、パンパンになっているソコに導く。
さっきよりも熱くて堅くなってる気がして、ドキドキしちまった。
「僕の、春楓の小さい口だと入らないと思うけど、して欲しい」
「……お前、それさりげなく自分はデカいって言ってんのと同じだけど」
「そんなつもりはないよ。春楓の口が小さくて可愛いって言いたいだけで……」
犯罪的に天然だよな、春希。
まぁいいや。
俺もイかせてもらってるから嫌だなんて言えない。
言ったら春希、泣きそうだし。
でも、ホントどこまで口に入るんだろう。
布団に胡座をかいて座る春希に近づくと、恐る恐るその屹立したモノに口を近づける。
ちゅ、と先端にキスをすると、ソコが湿っている事がわかった。
ドキドキしながらその濡れた部分に舌をあてる。
「……っ……!!」
瞬間、春希が色っぽい声と共にそのポーカーフェイスを崩した。
「これでも気持ちいいのかよ」
「っあ……っ、うん、すごいゾクゾクする……」
濡れた部分を舌で舐めとると、今まで味わった事のない不思議な味がした。
そんな俺の舌の動きに反応しているのか、春希の身体もモノもビクビクと動く。
ちらっと春希を見ると、俺の頭に手を載せて、苦しそうにも見えるけど笑っているようにも見える、そんな顔をして俺を見ていた。
「春楓、口に挿れて」
「わ…分かった……」
春希のに手を添えると、少しずつ口に含んでいく。
「んん……っ……」
口の中で、春希のが脈打って、それに俺は興奮しちまって。
「あぁ……春楓……もう少しだけ……」
「んん…ぐ…ぅ……っ……!!」
そこに、春希が俺の頭を押さえつけてもっと深く中に挿れてくる。
俺は苦しくて春希から離れようとしたけど、ものすごい力で押さえつけられてしまってた。
「ごめん、ごめんね、春楓。もう少し…もう少しだから…っ……」
春希は苦しそうな顔をして、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら懸命に腰を動かしはじめる。
「うぅ……っ……!!」
苦しくて、涙が出た。
でも同時に、この行為に夢中になってる春希の姿にドキドキしたんだ。
やがて、春希は俺の口いっぱいに射精して、俺はそれを飲むしかなかった。
「はぁ……気持ち良かった……春楓……ごめんね……」
俺が噎せていると、春希は俺を抱きしめてくる。
「春希、めっちゃ苦かった」
「ごめん……」
泣きそうな顔をしてる春希。
ギャップあり過ぎだろ。
「気にすんなって。でも、口の中変な感じするからうがいしてくる」
「あっ、待って、春楓。僕も行くよ」
そんな春希がちょっとイイかもって思ったなんて、絶対言えない。
******************
春希の朝稽古に付き合って、おばさんに朝飯を食べさせてもらって登校して。
夜まではほぼいつも通りの日常を送るんだろうなぁって漠然と考えてた。
「ふぅ、早く準備して春希のところ行かねぇと」
部活も終わって、着替えていた俺。
そしたらそこに、誰かが入ってきた。
「今週の大会、出られそうか?隆志」
「おう!お医者さんに30分なら出ていいって言われたから様子見ながらだけどな」
キャプテンの黒澤勇大センパイと副キャプテンの白川隆志センパイの声。
ロッカーを挟んで向こう側にいるみたいだ。
「良かった。お前と一緒に試合に出られるんだな…」
ちゅ、とキスをした時にするような音が聞こえてくる。
え?何で?
混乱していると、舌を絡めあうあのキスに似たような音と、ふたり分の呼吸が聞こえてきた。
ひとりはどんどん荒くなっていって、苦しそうだって思うくらいだった。
「はぁ……ぁっ……」
「す…済まん…お前が可愛くてつい……」
「大丈夫だよ、勇大。オレ、そこまで弱くないし」
少し焦っているような黒澤センパイに対して、大きくゆっくりと呼吸しながら話す白川センパイ。
いつもと違う雰囲気のふたり。
これ、俺聞いちゃダメなやつだよな。
って思った時だった。
「てかさ、そんなにオレの事が心配なら、オレと付き合うのやめる?オレ、勇大の重荷にだけはなりたくねぇんだよ」
「それは……出来ない。俺にはお前が必要だ。お前を重荷だと思った事なんか一度もない。お前がいるからこうしてキャプテンやっていられるんだ……」
「ゆうだ……」
もう一度、激しいキスを交わす音とふたり分の呼吸。
その音量が、どんどん大きくなっていく。
「…どうかしてると思うよ。病気を抱えて、それでも頑張ってサッカーやってるお前をこんなにも欲しがってしまうなんて…」
「それ言われるの嫌だって言ったじゃん……っ……オレは…っ、勇大にはそんな事関係なく抱いて欲しい……」
めっちゃやべぇじゃん。
センパイ方、絶対Hするっていう雰囲気出してる。
硬派で面倒見が良くてみんなを引っ張ってってくれててまさにキャプテンにピッタリっていう黒澤センパイと、持病の喘息の関係でサッカーがすごく上手いのにたくさん試合には出られないけどムードメーカーで部の空気を明るくしてくれてる白川センパイ。
前々から仲は良いって思ってたけど、まさかこんな関係だったなんて。
「んん……ッ……!!」
「隆志…辛くないか…?」
「ん……平気……だからもっと……」
白川センパイは黒澤センパイを誘うような事を話す。
それから、液体が滴るような音とふたりの吐息とガタガタという何かが揺れる音が聞こえてきて、聞いているうちにだんだん変な気持ちになってくる。
「はぁ……ッ……勇大……すき……大好き……!!」
「隆志……俺も……好きだ……!!」
ロッカーに背中をつけて体育座りをして小さくなってたけど、身体が火照っていくのが分かった。
『春楓』
耳元で春希と春翔に名前を呼ばれた気がして、頭がくらくらしてくる。
『春楓、好きだよ』
『ずっとこうしたかったんだ』
嫌だ。
俺、何考えてんだよ。
センパイ方の声聞いて、ふたりにされてるコト考えるなんて。
「……少し休むか?」
「ううん、大丈夫」
いつの間にか、センパイ方はその行為を終えてたみたいだ。
ふたりは部室を出ていき、鍵をかける音がした。
……って、鍵かけられたら俺出られねーじゃん!
ヤバい、どうしたらいい?
そうだ、春希に言って開けてもらおう。
俺、慌ててロッカーからスマホを出して春希に電話をかける。
『春楓、どうしたの?』
『春希!職員室に行って部室の鍵借りてきて開けてくれ!!センパイ方、俺に気づかず鍵閉めて行っちゃったんだ!』
『そうなんだね。うん、分かった』
ふぅ。
春希がいてくれたおかげでなんとかなりそうだ。
変な気持ちも、今ので少し落ち着いたな。
良かった。
それからわりとすぐ、春希が助けに来てくれた。
「春楓、大丈夫?」
「おう、サンキュー、春希」
部室の中に入ってくる春希。
俺はすぐ外に出ようとしたんだけど、何故か春希がそんな俺の前に立ち塞がるように立っている。
「おい、帰るぞ」
「ねぇ、春楓。センパイ方に気づかれないで鍵閉められたってどういう事……?」
行こうとした俺の腕を掴むと、春希は俺を抱き寄せて耳元で言ってきた。
「何か……声を掛けられない状況だったって事……?」
その声に、俺はゾクゾクして、収めたはずの熱がまた一気に上がっていくのを感じた。
「ち…違うって。俺、疲れてたのか気づいたらベンチで寝ててさ…」
「……僕に嘘つくの…?春楓……」
「んぅ……っ……!」
春希はそんな俺にいきなり大人のキスをしながら手を下半身に伸ばす。
「絶対違うよね?今の話……」
「ふぁぁ……っ……!!」
制服の上から中心を握られる。
それだけで意識が飛びそうになった。
「ちゃんと教えてよ、春楓。じゃないとずっとこのままだよ?」
「あ……うぁ……んん……っ……!!」
春希の手が気持ち良くて言葉が発せない。
立っているのも辛くなって、俺は春希の胸にもたれかかるように立っていた。
「……よっぽどの事があったんだね、春楓。これだけでこんなになっちゃって……」
「やぁ……っ……」
春希が俺のスラックスを脱がせ、下着も脱がせていく。
自分でも恥ずかしいくらい濡れちまってたのを分かってたのに、春希はソレを嬉しそうに手に取って俺に分かるように見せてきた。
「どうしようかな、あんまり遅くなると誰か来ちゃうかもしれないし、今はすぐに済ませた方がいいよね……」
そう言ってドアに内鍵をかけると、春希は俺を抱き上げて人目につかなそうな場所まで連れていく。
そこは俺がさっきまでいたところで、そこに俺を下ろすと、春希は俺にベンチを支えにして臀を突き出すようにして、って言ってきた。
俺はこの身体の熱をどうにかしたくて、恥ずかしかったけど春希の言う事を聞いた。
すると、春希は俺と同じ格好になって俺の脚の間に自分のを挿入してきたんだ。
「春楓、脚閉じて」
「え……あ……あぁぁ……ッ!!」
何だかよく分からなかったけど言われた通りにしたら、春希が前後に腰を振り始める。
熱くなっている春希のと俺のとが密着しながら動く事でものすごい快感に襲われて、俺はやらしい声を上げてしまってた。
「はぁ……っ、これすごく気持ち良いよね?春楓……」
「あっあっ、はるき……も……でるぅっ……!!」
耳元で囁かれ、最後に耳の縁を甘噛みされ、春希に腰を掴まれながら、俺は呆気なくイッちまってた。
それから少しして春希もイッて、部室の床には俺たちふたり分の精液が混ざって落ちていた。
******************
慌てて床を掃除すると、俺たちは職員室に鍵を返して帰宅した。
あぁ、俺、部室で何て事しちまったんだろう。
思い出す度に恥ずかしくなる。
「春楓、ご飯出来たよ」
「お、サンキュー、春希」
春希がいきなり襲ってしまったからそのお詫びと言って夕飯にハンバーグと野菜スープを作ってくれた。
「んまっ!春希のハンバーグ、俺のより美味いぜ」
「ふふっ、ありがとう、春楓」
どっちも俺が教えたメニューだったけど、春希はすっかりマスターしたみたいだな。
「ごめんね、春楓。 部室で会った時の春楓、すごく可愛くて我慢出来なかった」
「……お前さ、いつでもどこでも発情したら流石にやべぇだろ」
「僕の中ではちゃんと弁えられるって思っているんだけど、今日のは春楓がすごくして欲しそうにしてるように見えちゃって……」
もじもじしながら、でも、すごく嬉しそうに話す春希。
「もういいだろ?その話は」
俺まで恥ずかしくなってきて、話を終わらせようとした。
「良くないよ。僕、春楓の口からちゃんと聞いてない」
けど、春希にそんな気はさらさらないみたいだ。
「寝る前にちゃんと聞かせてもらうからね、春楓」
「ひゃぁ……っ……!」
いきなり大股を撫でられて、俺は声を上げちまってた。
「おま……っ、いきなり何すんだよ……?」
「ごめん、でも僕……さっきのだけじゃ足りない。もっともっと可愛くていやらしい春楓が見たい。……ダメかな……?」
ゔっ、春希の奴、反則だろ。
俺が断われないのを知ってて甘えたような声で話しつつそんなねだるような瞳で見てくるなんて。
「ね……寝る前だけだからな!」
「うん、分かってるよ、春楓。ありがとう」
はぁ、俺ってダメだな。
でも、嬉しそうにしてる春希を見るとココロがあったかくなるんだ。
その後、ふたりでいる時にやる事をやって、俺たちは寝る準備をした。
すっかり半袖でも寝られるような気温になってきたからTシャツとハーフパンツで寝ようとしたんだけど、春希に頼まれて今日は春希のTシャツに下着で寝る事になってた。
「お前……こういうの好きなのか……?」
春希のデカい身体が着てるTシャツは、俺が着るとワンピースみたいになっていた。
アダルトビデオで女の子が相手のTシャツだけ着て…っていうのを見た事あるけど、まさか自分が同じ格好をするなんて思ってもみなかった。
「春楓だから見たかったんだよ」
春希は嬉しそうに笑いながらスマホで俺を撮る。
「おいっ、何勝手に撮ってんだよ!」
「ダメ?可愛いから待ち受けにしようと思って」
「はぁ?待ち受けって、誰かに見られたらどうするんだよ!」
「大丈夫だよ、春楓。僕、学校でスマホ開いたりしないから」
笑顔で言われて、俺は返す言葉が浮かばなかった。
「春楓、そのままここに座って」
「え……ちょっ……!!」
春希が俺の腕を引っ張って、半ば無理矢理胡座をかいた膝の上に向かい合うようにして座らせる。
「お前さ……」
そのまま抱きついてくるから春希のが今どんな状態なのかすぐ分かった。
「春楓、Tシャツだけにしてもいいよね……?」
「お…おい、何勝手に脱がしてんだよ……っ!!」
春希はTシャツの下から手を入れて俺の下着を脱がせてしまう。
「大丈夫、見えてないよ?」
「そういう問題じゃねぇ!」
クソっ、興奮してるのは春希なのに何で俺がこんなにドキドキしてんだよ。
「ふふっ、もしかして春楓、僕が興奮してるのが分かって興奮してきちゃった……?」
「や……違ぁ……ッ……!!」
春希はそれに気づいたみたいで、俺の耳元で言うと首筋にキスをする。
びりっと電気が走ったみたいな感覚。
その後春希はそこと耳の縁を舌で触れてきたんだ。
「ひぁっ……それゾクゾクしてやだ……っ!!」
「嫌?気持ち良いの間違いだよね?春楓」
「は……ぁっ、やめろぉ……っ……!!」
刺激と春希の声で俺はどんどんおかしくなっていく。
恥ずかしくてたまらないのに、声を抑える事が出来ないし、身体はガクガク震えるし。
「……あ、春楓、僕のに自分の擦り付けてる……?こうしたら気持ち良いって事……?」
「んぁっ、ちが……っ、俺はそんなコト……っ……」
春希が俺の腰を掴んで自分のと触れ合うように腰を動かす。
「や……あぁぁッ……!!」
あぁ、もうダメだ。
めちゃめちゃ熱くて堅くなってる春希のが気持ち良くて、イッちゃいそうになる。
「可愛い、春楓。こんなにいやらしい春楓が見られるなんて、すごく嬉しい……」
「んぅ、んんぅ……ッ!!」
春希も気持ち良いのか、息を上げながらキスしてくる。
自然と舌を絡ませあって、少し痛いくらいに抱き合って。
「あぁっ、はるきっ、でるっ、でちゃう……っ……!!」
俺は、春希のTシャツを着たままイッちまってた。
「は……ぁ……っ……」
身体がまだ熱くて春希にもたれかかっていると、春希の手が臀の方に伸びていく。
「や……なに……して……」
「準備運動だよ。いつか僕たちがひとつになる為にね……」
「ひゃぁ……っ!!」
自分でも触った事がないトコに何かが触れる感じがしたかと思ったら、それが少しずつ身体の中に挿ってくる。
コレ……春希の指……?
「春楓、痛くない……?」
「んはぁ……っ……ぁ……」
俺、変な力が入って、春希にしがみつくような感じになってた。
「もう少し力抜いて。ゆっくり息吐ける……?」
「はぁ……んんっ……」
俺、あのDVDの人みたいな事されてんの?
あんな顔、春希に見せてんの?
めっちゃ恥ずかしいだろ。
あぁ、でも、この行為がだんだん気持ち良いって思いはじめてる。
「あぁ……ッ!!そこ……やだっ……!」
どこに触れてるのか分かんないけど、指がソコに触れるとめちゃめちゃ気持ち良いトコがあって、身体が燃えるように熱くなった。
「ここ……?」
「あぅ……っ……!」
「春楓、すごいね。ここ弄ったら僕の指ぎゅぅってしてくるよ……」
「は……あぁ……ッ!!」
春希はソコがどこなのか分かったのか、ソコばかり触れてくる。
「春楓、触ってないのに勃ってきちゃってる……」
「あぁんっ!!」
いきなり春希の手に包まれて、目の前がチカチカした。
「可愛い、春楓……」
「あぅ……っんんっ……!」
春希が自分のと一緒に俺のも扱いてきて、一緒にキスもしてきて。
俺はあまりの快感に意識が飛んじまってたんだ。
気がついたら、横で春希が嬉しそうな顔をして眠っていた。
春希、後始末全部やってくれたんだな。
ビニール袋に詰まったティッシュを見て、俺はそう思った。
「はるか……」
その低音にドキッとさせられる俺。
「……お前の声、反則だからな、春希」
寝てる春希の頭を撫でると、俺は目を閉じた。
センパイ方の話せずに済んだのは良かったけど、それよりももっと恥ずかしい事しちまった。
こんな事……きっとまたするだろうし、春翔ともするんだよな……。
そう考えてしまった俺は、翌朝寝坊しそうになって春希に起こされていた。
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