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第6話
HARU、爛漫☆第3楽章『初めてのお留守番4』
2度目の春希との1週間は、毎晩Hな事して力尽きて寝る……っていう日ばかりだった。
『春楓、僕のせいでHな身体になっちゃったね』
って日曜の夜に言われて、俺はすげー恥ずかしいのに春希はすごく嬉しそうで。
この1週間で、俺の弱いトコ知り尽くされた気がしてならない。
きっと、春翔とも……するよな、エロい事。
どうしよう。
……俺、恥ずかしいのに、期待しちまってる。
ダメだ、こんな事考えるの止めよう。
考えなければ何とかなるかもしんねぇし。
「おはよ、春楓」
月曜日。
春翔が前の時と同じく、スーツケースを持ってやって来た。
「お、おーすっ」
俺、多分いつも通りに挨拶出来た、と思う。
でも、春翔はどこか浮かない表情をしてるように見えた。
「……何かあったのか?」
気になってすぐに聞いてみる。
「あ、うん、ちょっとね。夜にでも話すよ」
「そ、そっか。分かった」
何となく、親父さんの事かな?って思った。
俺の読みは当たってて、春翔はその夜、寝る前にようやく話をしてくれた。
「父がね、会長から話を聞いたって言って、僕に会いたいって言ってきたんだ」
「ふーん。それ、親父さんの本音聞けるチャンスなんじゃねぇの?」
重々しい空気で言ってくる春翔に対して、俺はその空気を何とかスッキリさせたかった。
「そう……だよね。でも、怖いんだ。どんな話になるのか想像がつかないから……」
「確かに、想像はつかねぇな」
「春楓、父とは食事をする予定だからそこに一緒に来て欲しいんだ。ダメかな?」
怯えた顔をしながら、春翔は俺に言う。
そんな顔されて断れる訳もなく、俺は快諾した。
「でも、俺はついていくだけだからな。最後はお前がちゃんとケリつけるんだぞ」
「……うん、僕頑張るよ。ありがとう、春楓。大好きだよ……」
見つめ合って、抱き合って、それからキスを交わした。
『はるかくん、ありがとう、大好きだよ』
あぁ、そうだ。
春翔、俺に助けられたらいつもそう言ってたな。
俺、何でその言葉を聞き流してきたんだろう。
言われ過ぎて?
いや、大好きが友達としてだって思ってたんだよな。
『おれもお前が大好きだ!』
でも、春翔はそうじゃなかった。
そして、春希も違う。
『『春楓』』
俺を好きでいてくれるふたり。
俺には選べない。
どっちも大切な存在だ。
ふたりはそれで傷ついているかもしれねぇけど……。
******************
その夜、俺は幼稚部の頃の、春翔と出会ったばかりの頃の夢を見た。
『はるとの髪、へんな髪〜!!』
『顔も変だよな〜!!』
明日南とその取り巻き数人に囲まれて泣かされていた春翔。
『弱いものいじめはやめろ!』
『うわっ、はるかだ!!』
『はるかがきた!!』
『おまえらみんなやっつけてやる!!』
俺、ひとりずつ殴ったり蹴ったりして片っ端から泣かしてた。
『はるとにあやまれ!』
『ううっ、ごめんなさい』
『もっとでけぇ声だせ!!』
『はるとくん、ごめんなさい!!』
全員謝らせて、その後先生にやりすぎだって怒られた。
でも、俺は間違った事をしたってこれっぽちも思ってなかったから、何で怒られてるんだろうって思ってた。
『はると、もう大丈夫だぞ』
『はるかくん、ごめんね。ぼくのせいでおこられちゃって』
『あんなのたいしたことねぇよ』
先生のところに一緒に呼ばれた春翔は、ずっと俺の隣にいて、俺はその震える手を繋いでいた。
今よりもふわふわの髪。
今よりも女の子みたいな、人形みたいな感じだった春翔。
初めて春翔を見た時、家に飾ってある絵の中に描かれた天使みたいだって思った事、今でも覚えてる。
『はるかくん、はるかくんはぼくの顔や髪、へんだとおもう?』
『ぜんぜん!みんなとちがってカッコイイじゃん』
泣き止んでたのに、春翔が今にも泣きそうな顔をして聞いてきたから俺は笑顔で言ったんだ。
そしたら春翔が、
『……ありがとう、はるかくん。はるかくん、大好きだよ』
って言って笑顔で応えてくれた。
『おう!おれもお前が大好きだ!』
あの時の俺、何も考えずに春翔に笑顔を返してた。
それがこんな事になるなんて。
「ん……っ……」
朝。
下半身に変な感じがして目を覚ますと、春翔がオレのを咥えていた。
「お……っ、おいっ、何してんだ……!」
「……あ、春楓、おはよう。春楓が僕の名前を呼んで色っぽい声を出してたから気持ち良くなってもらいたいなぁって思って」
「おま……んん……ッ……!」
上目遣いで俺を見ながら、春翔はその口でオレのをきゅぅっと締めてくる。
「気持ち良さそうだよ、春楓。僕の口の中でびくびくしてる……」
「あ……っ、こんなん反則だろ……っ」
「反則?そうかなぁ……」
春翔は舌先で発射口をくすぐりながら、手でゆっくりと扱いてくる。
扱かれる度にくちゅくちゅといやらしい音がして、俺は恥ずかしくてたまらなかった。
「はると……も……やだ……っ……」
「大丈夫だよ、春楓。このまま僕の口に出して……」
「あぁっ、はると……ダメ……ッ!!」
じゅぷ、じゅぷと音を立てて吸われながら口に包まれると、俺は呆気なくイッてしまう。
「ふぁぁぁ……っ!!!」
春翔は俺が吐き出したモノを全部飲み込むと、嬉しそうに笑った。
「春楓、すごく可愛かったよ。僕の口、気持ち良かった?」
「……良かった……けど……朝っぱらから襲ってんじゃねぇよ!!」
笑顔の春翔に、俺は起き上がると軽くゲンコツを食らわせる。
「ごめんね、春楓。春楓が可愛くて我慢出来なかったんだ」
「我慢しろ!遅刻したらどうすんだよ」
「大丈夫だよ、ちゃんと時間見て間に合いそうだったから」
笑顔だけは昔の天使のまま、でもやるコトはちっとも天使じゃない。
ある意味悪魔だ。
「春楓、僕もいいよね?まだ時間も大丈夫だし……」
春翔はそう言って俺の手を自分の股間の方に導く。
ハーフパンツの下で苦しそうにしている春翔のに、俺はドキッとさせられた。
「春楓」
「……っ!分かったよ!!」
首筋にキスをしてねだってくる春翔に、俺は応える事にした。
ハーフパンツと下着を脱いでもらうと、張り詰めている春翔のに触れる。
「春楓……口でして欲しい」
手で握って自分がする時みたいに扱いていると、春翔は少し息を荒くしながら更にねだってきた。
「う……ん……んんっ……」
春翔、きっと春希から聞いたんだろうな。
俺がもう既にこの行為が初めてじゃないコトを。
「あぁ……春楓、すごく気持ち良いよ……」
春希のより淡い色の先端を含んで口と手を同じスピードで動かす。
時々舌で舐めたりすると、春翔のはびくん、と震えた。
その息はどんどん荒くなっていって、時折気持ち良いのか色っぽい声を上げて、俺は春翔を悦ばせられてるんだって思えて嬉しかった。
「はるか……っ……!!」
イク瞬間、春翔が俺の名前を呼んでくれる。
「はぁ……っ……ありがとう……春楓……」
『大好きだよ』
俺の口の中で射精すると、春翔はそう言って大きな瞳を少し潤ませながら笑った。
「ほ……ほら、行くぞ」
「うん……」
春翔の昔と同じ笑顔に胸がキュンとさせられる。
俺は吐き出されたモノをなんとか飲み干すと、春翔に向かって言って、慌ただしく登校する準備を始めたんだ。
******************
親父さんとの約束は、ピアノの後だった。
レッスンを終えると教室の前に高そうな黒いセダンの車が止まっていて、親父さんに言われて迎えに来たというスーツを着た年配の男の人が俺たちを出迎えた。
男の人の車に乗り、郊外に連れていかれる俺たち。
「いつも僕たちのワガママに御付き合い頂いてすみません」
「いえ、藍田先生には長年お世話になっていますので……」
先生。
春翔の親父さん、やっぱりそれなりの地位にある人なんだな。
この人、春翔を監視してる人でもあるのかな。
「さぁ、着きましたよ、春翔様」
「ありがとうございます、春楓、行こう」
「お、おう……」
降りたところにあったのは昔の日本の家みたいな建物がある場所で、周りにはこの家っぽい建物しかない。
春翔は何度か来た事があるみたいで、俺の手をひいて中に連れて行ってくれた。
「いらっしゃいませ、奥でお父様がお待ちです」
「分かった、ありがとう」
俺の母親と同じ歳くらいに見える、着物を着た女の人が俺たちを座礼で出迎えてくれたけど、春翔はその人に軽く頭を下げるとその人の横を歩いていく。
「春翔、何か焦ってねぇか?」
「あ、ごめんね。春楓に説明してなかったね。父はあまり長居出来ないから、会う時はいつもこんな感じなんだ」
「へぇ、せっかく会うのにゆっくり出来ないんだな」
「うん、仕事があるからね、仕方ないんだよ」
足早に歩いていく春翔。
でも、俺と繋いだ手はずっと離さなかった。
「失礼します」
渡り廊下の先にあった引き戸を開け、春翔はそう言って俺の手を離すと中に入った。
「ごめん、父さん。待った?」
「は…はじめまして……」
春翔に続いて中に入ると、俺は視線の先にいた男の人に挨拶する。
「君が春翔の幼馴染の…」
「はい、黄嶋春楓です」
「いつも春翔がお世話になっているみたいだね。うちの春翔と仲良くしてくれてありがとう。さぁ、ここに座りなさい」
「ありがとうございます」
にこやかに笑って話すその人は、春翔とまた違った優しい雰囲気を持っていた。
白髪混じりの髪にスーツ姿。
仕事の合間をぬってここに来たのかなって思った。
春翔とふたり、その人と向かい合うように座ると、その人が自己紹介をしてくれる。
「申し遅れたね。私は藍田明義(あいだあきよし)。訳あって堂々とは名乗れないが春翔の実の父親だよ」
「…少しだけ、春翔から聞いてます…」
それ以上何も言えなかった。
事情があるんだと思うし、俺みたいな身内でもない奴が何か言うのは間違ってるって思ってる。
でも、春翔の親父さんを目の前にして思っちまったんだ。
あんたのせいで、俺の知る限りでも春翔は辛い思いをした事があったんだ。春翔に謝れ。
って。
「聞いているという事は、私の事を身勝手な父親だと思うだろう?君の考えは正しい。私は春翔に辛い思いをさせてばかりで父親らしい事は何も出来ていない」
親父さんは俺のココロが見えるのか、そんな事を言い出した。
「父さん、そんな事ないよ。今の僕があるのは父さんが僕の事を守ってくれてたからだよ。確かに悲しい思いもしたけど、僕は……恨んだりしてないよ……」
親父さんの言葉を遮るように言う春翔。
「…春翔、本当に心の強い、優しい子に育ってくれたな。ありがとう…」
その言葉の後、親父さんは話し始めた。
「私の家は代々政治家をやっている家庭でね。私もそうなるべく育てられた。私の意志に関係なく、全てが決められていた。私はそんな人生に何の疑問も抱く事なく生きてきたが、そんな時、留学先のアメリカで翔太郎に出会った」
伯父さんの名前を出した瞬間、親父さんの表情が明るくなったような気がした。
……って、親父さんの職業、政治家!?
それは余計に表立って会えないよな。
「翔太郎はキックボクシングの修行の為にここに来たと言っていた。親を早くに亡くし、施設で妹とふたり苦労して育った翔太郎の話は、私にとって信じられない事ばかりだった。翔太郎とは2年ほど一緒に暮らしたが、その間は私にとって
幸せな日々だった。翔太郎が私の人生を豊かにしてくれた。彼が夢を叶えてくれる事が、私の希望だと思うようになった……」
「……」
親父さんの言葉を、春翔は黙って聞いていた。
その身体は少し震えていて、俺は親父さんから見えないようにテーブルの下からその手に触れる。
春翔は俺の手に気づくと、その手を繋いできたんだ。
「私にとって、翔太郎を想う事だけが私の意志だった。結婚相手が決まっていて、子供をもうけなければならなかった私にとって、心から愛していたのは翔太郎だけだった……」
「……母さんは?父さん、母さんの事は愛してないの?」
「昌代(まさよ)とは、翔太郎が亡くなった後に出会った。翔太郎の死で塞ぎ込んでいた私を支えてくれたのが昌代だった。昌代がいなければ、私は今、ここにはいなかったと思う……」
「…………」
春翔は俺の手をぎゅっと強く握ってくる。
泣きそうになっている顔。
俺はただそれを見つめている事しか出来なかった。
「昌代は私が翔太郎を愛していた事に気づいていたんだ。それで私に翔太郎の血を残す為に子供を産ませて欲しいと言ってくれた。そうして生まれたのが春翔、君だ。男の子と知った時は私も昌代も本当に喜んだよ。私たちは君が翔太郎の生まれ変わりだと信じて疑わなかった。けれど、君が生まれて育っていくのを見ているうちに、そんな思いは少しづつ薄れていった。春翔、君がピアノをやりたいと言い出した時に気づかされたよ。君は君であって、翔太郎ではないのだと。私も昌代も、君を私たちの子として心から愛しているよ。それだけは信じて欲しい」
「…………」
春翔は返す言葉を探してるようだった。
「春翔、言いたい事あるなら隠さずに言えよ。親父さんだってお前の本音を聞きたいはずだぞ」
それが親父さんを傷つけたっていいじゃねぇか。
お前だって傷ついてきたんだからお互い様だろ。
俺はそう思いながら、春翔の手を強く握った。
「……」
春翔は俯いた後、俺の手を握り返しながら口を開いた。
「ぼ…僕はもっと早く知りたかった。どうしてキックボクシングを勧めてくれた時に話してくれなかったの?まだ理解出来ないと思ったから?僕は…僕は…生まれてきて本当に良かったの…?」
春翔の大きな瞳から涙が零れる。
「春翔、済まなかった。私も昌代も翔太郎が死んだという話をしたくなかったんだ。翔太郎はどこかで生きていると、いつか帰ってくると信じていたかったんだ。君がキックボクシングをやっている姿を見て、若い頃の俺そっくりだって笑う姿をいつか見られるって思っていたかったんだ。それが君を苦しめていたなんて、本当に申し訳なかった……」
親父さんも泣いていた。
「……もう、いいよ、父さん。父さんたちの気持ち、分かったから……」
「春翔、私は君だけが私の息子だと思っているんだ。君に出会えて良かった。私と昌代の元に来てくれて、本当にありがとう……」
「父さん……」
春翔が俺の手を離して親父さんの方に向かうと、親父さんに抱きついていた。
「こんなに立派に育ってくれて嬉しいよ、春翔」
そんな春翔を、親父さんは嬉しそうに抱きしめて春翔の頭を撫でた。
お互い、言わないできた想いから解放されたんだな。
って俺はふたりを見て思った。
******************
親父さんは食事中に連絡が来て、最後まで一緒に食べる事なく先にいなくなってしまった。
「春翔の事、これからもよろしく頼みます」
別れ際親父さんにそう言われて、俺は分かりましたとだけ言った。
俺たちは食事を終えてから、迎えに来てくれた人の車で家に帰った。
「春翔……」
「……不器用な人だね、僕の父って。僕もそんな父に似たのかな……」
「……」
『ぼくのおとうさんはちゃんといるんだ!!おしごとで来られないだけなんだ!!』
父親参観の日、そう言って泣いていた時の事が頭を過ぎって、俺は春翔を抱きしめていた。
「……偉かったぞ、春翔」
あの時と同じ言葉をあえて言って、少し背伸びをしてあの時と同じように春翔の頭を撫でた。
あの時、春翔は初めてからかってきた連中の前で泣きながらだったけど自分の思いを口にした。
「ありがとう、春楓。春楓、大好きだよ…」
春翔もあの時と同じ言葉を返してくれる。
あの時と違うのは…互いの身体の熱を知っている事。
春翔からキスしてきて、俺はそれに応える。
啄むようなキスを何度かした後、互いの熱を確かめるように舌を絡めあった。
「春楓……もっと春楓に触れたい……」
「ん……俺……も……」
春希とは連日だったけど、春翔とはそこまで濃厚という訳ではなくて、俺は少しだけ、ほんの少しだけ物足りないって感じてしまってた。
身体の中で抑えつけていた熱。
それが春翔の言葉で火がついたようになって、どうにかして欲しくなっちまってた。
シャワーにも入らず、布団も敷かず、俺たちはそのまま床に生まれたままの姿になって横になって抱き合っていた。
「……これ、持ってきたんだ。父さんに自分の気持ちを話したら、春楓に抱いてもらおうって決めてたから……」
スーツケースから茶色っぽい瓶を持ってくると、春翔はそう言ってそのキャップを捻って中身を自分と俺の手に落とす。
嗅いだ事のあるいい匂いが立ち上ってき
た。
「何だよ、これ」
「アロマオイルだよ。母が好きで使ってるんだ。これは僕が一番好きな香り。春楓とこの匂いに包まれたいな、って思って……」
春翔の手が半勃ちになっていた俺のに伸びる。
「はぁ…っ、これ……匂いがするだけ……?」
握られたらいつも以上に気持ち良い気がして、意識がぐらついた。
「…う…んん、催淫効果があるって言われてるみたいだけどね……」
俺も春翔のを握ると、ソコはびくん、と震えて一気に熱を持ち、春翔の表情が歪んだ。
「おまえ…なんでそんな……っ!!」
扱かれる度に身体がびりびりして、言葉がうまく話せなくなるくらいの熱に襲われる。
それでも手の動きは止めないようにして、春翔にされてるのと同じ事をし返してた。
「あ……っ、春楓と……春楓とおかしくなりたかったんだ……」
そう言って抱きついてきた春翔は、俺との腹の間で触れ合う互いの昂りに更にあのオイルを注いだ。
「うぁ……っ、はると、それ以上はやめろ……っ……!!」
オイルのせいなのか、濡れていたのか分からないくらいぬるぬるになってしまったソコを、春翔が擦り付けてくる。
「うぅ……っ、少しやりすぎちゃったかな……気持ち良すぎてもうイッちゃいそうだよ……」
「あ……んんっ……!!」
春翔はそう言って俺にキスをしてくる。
互いの舌を貪るようにしながら、俺たちは相手のを扱いてイッていた。
「はぁ……っ、春楓の精子、すごく熱かったよ……」
「お…お前だって……」
お互い相手のが付いた自分の腹を、春翔も俺も肩で呼吸をしながら言葉を交わしつつティッシュで拭き取る。
「春楓、まだ大丈夫だよね?僕…ちゃんと準備してきたから……」
俺に臀を向け、繋がれる部分が見えるようにする春翔。
赤かった頬が更に赤くなって、なんだか色っぽく感じた。
「準備してきたって……ココに指突っ込んでたってコト……だよな……」
俺はソコにオイルを垂らすと指を挿れてみた。
俺の指がそんなに太くないからなのか、準備してきたからなのか、1本目はすんなり挿っていた。
「ううっ……うん、そうだよ……」
「スゲーな、お前……」
自分が春希にされた時を思い出しながら、ココなら気持ち良いかなと思うところを指で探る。
「んぅ……ッ……!!」
少し上のトコロ。
指で叩くように触れると、春翔は身体を震わせた。
「イイよな?ココ……」
「っあ……ッ、春楓……すごい……っ」
挿りそうだったから、オイルを垂らしてもう1本指を挿れてみる。
柔らかくなってるソコは余裕で俺の指を容れてくれて、動かすとくぷっ、という音がした。
「春翔、めちゃくちゃエロい……」
腰をくねらせてるその姿に俺は興奮していくのが分かった。
「あ……っ、あんまり見ないで……」
「嫌だ。お前、俺を恥ずかしがらせてるんだからお互い様だろ?俺の事可愛いとか言ってめちゃくちゃにしてるくせに…」
「はぁ……あぁ……ッ……!!」
春翔に背後から抱きつきながら、俺は指を動かすのを止めない。
俺よりもデカい身体になった春翔が俺の行為にめちゃくちゃ悦がってるのを見るのが嬉しくて、優越感みたいなのを感じた。
「なぁ、俺に挿れたい気持ちと挿れられたい気持ち、どっちが強いんだよ」
「ひぁ……っ……!!」
指にオイルを垂らして3本目を挿入しながら春翔に聞いてみる。
「は……春楓となら何だって……っ……」
春翔は目を潤ませながら俺を見て答えてくれた。
「春翔……」
指を動かしながらキスをする。
「う……っんんっ……あぁ……ッ…」
オイルなのか、春翔なのか分からないけど、指が動く度に聞こえてくる水音が大きくなっていく。
「あぁっ、はるか、僕……春楓にお尻弄られながらイッちゃいそう……」
「春翔……」
見ると、春翔はもう既にイッててダラダラと精子を垂れ流していた。
それで、俺の中で何かがキレた。
「お前……俺とおかしくなりたかったって言ってたよな……」
春翔の痴態に興奮して、勃っちまってた俺がいた。
オイルをそんな自分のに垂らすと、俺は指を引き抜いて代わりにソレを突っ込んでいた。
「あぁっ……春楓の……あつい……ッ……!!」
「うぁ……っ、これ、めっちゃヤバい……ッ!」
ずちゅ、という音と共に春翔は俺のをすんなりと容れて、ぐいぐいと締め付けてくる。
前の方は変わらず射精し続けていて、めちゃくちゃやらしかった。
「はぁっ、春楓ぁ、僕、春楓に挿れられてずっとイキっぱなしになってる……っ……!!」
「……っ、はると……ッ……!!」
出し入れする度に肌がぶつかり合って、どっちのか分からないぬちゃぬちゃっていう体液の音が響いて。
もう、目の前の快感だけを追いかけて、何も考えられなくなっていった。
「春楓、来て、僕のナカにいっぱい精子ちょうだい……っ……!」
春翔もそうなんだろう。
俺の動きに合わせていやらしく腰を振って、それが余計に音を大きくしてる。
「だ……出すぞ、春翔……ッ……!!」
春翔から離れないようにしながら、俺はそのナカに思いきり精子を吐き出していた。
「はぁ……あぁッ、はるか……大好き……」
射精したモノを抜いてぼーっと立ち尽くしていると、春翔が息を上げながら抱きついてくる。
「わぁっ……!!」
その勢いで俺は床に倒れてた。
「あ……ごめんね……勢いつきすぎちゃった……」
そう言って照れくさそうに笑う春翔の笑顔は昔と同じだった。
******************
それから俺たちは床を掃除してから一緒にシャワーに入った。
「春翔、大丈夫か?」
「うん、思ったより大丈夫」
「そっか……」
汗だくになってた身体をぬるめのお湯で洗い流す。
「春楓、ありがとう。春楓の初めての相手になれてすごく嬉しいよ」
「お……おう……」
とうとう、Hしちまった。
人を…男を抱くっていう経験、俺の方が先に知っちまったんだ。
ちょっと……クセになりそう。
「母さんは、きっと父さんに言われてたんだよね。伯父さんの事、自分が話すまで僕には言わないで欲しいって」
「そうだろうなぁ……」
俺は話題を変えた春翔の言葉に相槌を打つ。
「……でも、良かった。父さんが自分の気持ちを話してくれたのがすごく嬉しかった」
そう言って、春翔は俺を抱きしめてキスをする。
「僕は生まれてきて良かったんだね。こうして春楓に逢えたんだから」
「……あぁ、俺も生まれてきて、お前に出逢えて良かったよ……」
笑顔の春翔に俺は笑顔を返すと、その身体を抱きしめ返したんだ……。
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