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第20話

HARU、爛漫☆第10楽章『初めての舞台1』 夏休みも終わり、2学期が始まった。 うちの学校は2学期入ってすぐにテスト、その後に学祭が控えてたりする。 テストは今回もふたりが花火大会の後から一緒に勉強してくれたから、今までで1番いい成績(って言っても半分より少しだけ上)で終われてた。 学祭の方はというと、学年全体でやる劇、『シンデレラ』に春希と春翔が演劇部の女の子からオファーを受けて、俺も一緒に出るっていうのを条件にふたりが参加を決めたせいで俺も出る事になったんだけど……。 ****************** 「し、シンデレラ、あんたなんかが舞踏会に行けるわけないでしょ?」 「あんたは床掃除でもしていなさい、おほほほほ」 俺、人生初の女装する事になっちまってた。 「黄嶋くん、紫垣くん、もうちょっと意地悪な感じでお願いね!ふたりとも可愛すぎるのよ」 「「はいっ!!」」 晄と一緒に意地悪な継姉役をやる事になったんだけど、劇の監督やってる演劇部の桜田さんっていう女の子、なかなか厳しくてつい部活モードになる俺たち。 「まさか晄と姉妹役やるとは思わなかったよ」 「オレも!クラスの友達に誘われて入ったけど、春楓がいてくれて良かったよ!!」 練習が終わって、俺たちは練習してる人の邪魔にならないように教室の端で話してた。 晄の友達が継母役で、俺はそいつとも打ち解けられて、役はともかくとしてそれなりに楽しく練習に参加してたりする。 「あぁ、私も少しでいい、舞踏会に行ってみたいわ……」 で、春翔が主役のシンデレラなんだけど、なんかひとりだけ空気が違うような感じで、制服で演技してるのにシンデレラの格好してるように見えるんだよな。 声も低い女の子みたいな感じで出してて、目を瞑ってたら女の子だと間違えると思う。 「青木くん、涙出せる?もし出せるならちょっと出して」 裏方や劇に出る女の子たちがうっとりしてる中、桜田さんは流されず、春翔にも厳しい。 「分かった、やってみるね」 春翔はいつもの営業スマイルで女の子たちを魅了しつつ、求められてる事に一生懸命応えようとしてて、俺はそんな春翔がカッコイイなって思うんだ。 一方、春希はというと……。 「……どうかこの私と踊っていただけませんか……?」 春翔に跪いてその手の甲にキスをするシーン。 毎回女の子たちがキャーキャー騒ぐところで、俺も内心、ドキドキしながらふたりを見ちまってた。 「赤木くん、昨日よりいいけどもう少し感情込めて。赤木くんの王子様、青木くんの演技に比べて弱くてちっともカッコよくないのよ」 「……すみません……」 春希、頑張ってるんだけど、春翔が上手すぎていつもキツい事言われてるんだよな。 「明日の朝もう一度やるから、練習してきてね。青木くんに負けないような王子様で頼むわね」 「はい……」 『春翔に負けてる』 春希のスイッチが入るその言葉を桜田さんは連発して、春希はその度に折れそうになる心を奮い立たせているのを俺は知ってる。 「桜田さん、貴公子さまたちに厳しすぎるわよね。おふたりとも素敵なのに」 「仕方ないわよ。全国大会に行ってる演劇部の次期部長さんですもの。3年生のかぐや姫もかなりすごいみたいだから負けられないって思っているのかもしれないわね」 女の子たちからそんな声が聞こえてくると、隣にいた晄が耳打ちしてきた。 「唯さんから聞いたけど、かぐや姫、隆志さんなんだって」 「えっ!?マジで!?」 白川センパイがかぐや姫かぁ。 色白だしキレイな顔だから絶対似合いそう。 「1年の時にやった『眠れる森の美女』でめちゃくちゃ美人で歌も上手かったから最後にもう一度主役やって欲しいって演劇部のセンパイが隆志さんに頼んだんだって。で、隆志さんは帝役を勇大さんにしてくれるならやるって言ったんだってさ」 「へぇ……」 黒澤センパイと白川センパイだったらお似合いのふたりって感じだよな。 センパイ方のかぐや姫、見るの 楽しみだ。 「内緒だけど……付き合ってるんだ、隆志さんたち」 「そ、そうなんだ……」 知ってたけど、晄に部室でHしてた声を聞いたから知ってるだなんて絶対言えねぇ。 「あっ、唯さんがさ、良かったらだけどメイクの仕方教えてくれるって言ってたんだ。青木にも聞いて一緒に教えてもらに行かね?」 「あ、あぁ、そうだな。春翔に聞いとくわ」 俺ら、センパイと晄の邪魔にならないかな。 晄の笑顔を前に、俺はそんな不安に駆られていた。 ****************** 『今日も練習付き合って』 部活を終えて帰ろうとすると、春希からそんなメッセージが入ってた。 春翔と会う日にはさすがに避けてくれてるけど、それ以外は必ずこんなメッセージが入ってる今日この頃だ。 「春希、お待たせ!」 図書館でもずっと台本読んでて、周りにいる女の子たちもいつも以上に話せない雰囲気出しまくりの春希。 「……あぁ、春楓、お疲れ様」 俺には少しだけ笑いかけてくれるけど、かなり切羽詰まった感が伝わってくる。 「じゃあ…お先に……」 女の子たちに声をかけ、俺は春希と学校を出ていた。 「あの人……今日も怖かった……」 夕飯を済ませると、俺は春希んちに向かってた。 ピアノの部屋に入ると、最近の春希は今にも泣きそうな顔をしながらいつもこう言って俺に抱きついてくる。 完全に昔のいじめられて泣いてた頃と同じだ。 「ああいう言い方しか出来ねぇ子なんだろ。気にすんなよ」 背伸びして春希の頭を撫でる俺。 こんな春希、久しぶりに見て胸がキュンとなる。 「ピアノ弾いてる時は何も言って来ないだろ?」 「うん、そうだけど……」 実は俺たち、出番がない時の劇中歌の伴奏も頼まれてて、何曲か分担して演奏する事になってたりする。 それに関しては問題ないみたいで、桜田さんから指摘を受ける事はなかった。 「あの子、頑張れば認めてくれるタイプだと思うから頑張ろうぜ」 「うん……」 春希、泣いたのかよ。 俺を見る目、少し潤んでるぞ。 やる気が落ちないようにピアノの練習を間に挟みつつ、俺たちはセリフの練習もした。 俺だって決して上手い訳じゃねぇから果たして春希の役に立ててるのか謎だけど。 「……どうかこの私と踊っていただけませんか……?」 今日ダメ出しされたシーン。 俺を見る上目遣いがカッコよくて、スゲードキドキしちまう。 「……春楓、顔紅くなってる……」 「う、うるせぇ!」 春希が嬉しそうに笑う。 「春楓が紅くなってるって事は大丈夫って事かな……」 春希はそう言って立ち上がると、俺の頬に触れてきた。 「明日、春楓に向かって言うつもりで春翔に言ってみるよ」 「お、おう……」 「……シンデレラが春楓だったら良かったのに……」 春希の顔が近づいてくる。 俺を抱きしめると、春希は俺にキスしてきた。 「んぅ……っ……」 最近、劇の練習に集中しててキスもしてなかったからすごくドキドキしちまう。 春希の舌、あったかくて気持ち良くてクラクラしてきて、俺は春希にもたれかかってた。 「……どうしよう、あの人に怒られなくなるまで春楓とセックスするの我慢しようかなと思ってたけど、今の春楓の顔見たら無理だよ……」 春希はそう言って、俺の身体を床に倒してしまう。 「……いいよね?春楓……」 首筋にキスをしながら囁かれて、俺は一瞬で身体が熱くなるのを感じた。 「…いい……けど……」 この熱をどうにかして欲しくなって、俺は春希のおねだりを聞いていた……。 ****************** 翌日の朝練。 春希は無事に桜田さんからOKをもらってた。 「赤木くん、その調子で頑張ってね」 「はい、ありがとうございます」 良かった良かった。 ふたりの演技を見てドキドキしながら俺はそう思ってた。 「春希、僕の事、春楓だと思って頑張って」 春翔も春希がOKもらえて嬉しそうだ。 「うん、本物の春楓じゃないけどそう思って頑張るよ」 「その言い方、なんかムカつく。僕だってシンデレラじゃなくて王子様やりたかったし、シンデレラは春楓にやって欲しかったよ」 「お、おい、やめろって」 俺たちは誰も近くにいない、離れたところで話してたけど、人がいるのも気にせず言い合ってるふたりを俺は慌てて止める。 「春楓、どうしたんだよ」 そこに晄が心配したのか来てくれた。 「あ、いや、えっと……」 「晄くん、だっけ?ごめんね、春楓ってば僕たちが演技の事で言い合ってるの見て喧嘩してると思っちゃったみたいで」 俺が返答に困ってると、春翔がニコニコしながらそう言って誤魔化してくれる。 「春楓、いつもこうなんだよ。小さい時から僕たちの面倒見てきてくれてるからちょっとした事でも心配しちゃうんだ」 「ははっ、春楓らしいな!部活でも後輩たちに対してそんな感じだぜ、春楓って」 晄、気づいてないみたいで春翔と楽しそうに話してる。 ふぅ、バレなくて良かった。 そんなヒヤヒヤな思いもしつつ、桜田さんに怒られつつ、ピアノも楽しく弾きつつ。 発表会の練習もあったりで慌ただしかったけど、俺は春希、春翔と学祭に向けていつもよりはエロい事少なめの日々を過ごしてた。 そして、本番1週間前。 俺は春翔、晄と一緒に灰田センパイからメイクを習う為、学校帰りに灰田センパイんちにお邪魔してた。 「今日はよろしくお願いします!」 「こ、こちらこそ…」 春翔の勢いに負けてるセンパイ。 「唯さん!センパイなんだから堂々として下さい!」 「あ、あぁ、でも青木くんってなんかこう…オーラすごくて緊張するよ…」 「とんでもない!灰田先輩には到底及ばないです!!」 センパイ、晄にケツ叩かれてるように見えるのは気のせいだろうか。 「じゃあ始めるから、まずは見てて。当日はお互いにやり合う方がやりやすいと思うから自分のじゃなくて誰かのやるつもりでいた方が良いと思う……」 そう言って、灰田センパイは晄をモデルにメイクをし始めた。 センパイ、サッカーの時とは違って穏やかで楽しそうな顔でメイクしてて、それはそれでカッコイイなって思った。 「スゲー!晄、意地悪そうに見える!!」 「お!ホントだ!!唯さん、めっちゃスゲー!!」 ササッとやった感じに見えたのに、晄はたちまち意地悪な継姉っぽい顔に変わってた。 「短時間でこんなに出来るなんて…すごいです!」 「あ、ありがとう。慣れたらすぐ出来るようになるよ」 春翔も感動して、目を輝かせてる。 「紫垣と黄嶋はこのメイクでいいと思うんだ。もし変えたいならアイメイクは……」 センパイが春翔にメイクの色の話をして、春翔はそれを持ってきてたメモ帳に書いていた。 「じゃあ青木くん、黄嶋をモデルにしてやってみようか。俺、教えるからやってみて」 「はい!」 春翔、なんだか嬉しそうだな。 「紫垣は青木くんがやってるところ、動画で撮影してたらいいかな。それを後で青木くんと黄嶋に送ればいつでも復習できると思う」 「りょーかいっす!!」 俺、晄と場所を交代して春翔にメイクさせられてた。 「そうそう、そこ濃いめに塗った方がいいね。紫垣も黄嶋も目が大きいからハッキリさせた方がいいと思う。あとは……」 「分かりました!」 目を閉じてるから何が起こってるかは分かんねぇ。 でも、春翔がすごく楽しそうな雰囲気が伝わってきて、俺もワクワクしてくる。 「うん、いいんじゃないかな。手際も良くて上手だと思うよ」 「春楓、もう目を開けていいよ」 「お、おう……」 ドキドキしながら目を開けると、そこには意地悪そうな顔になった俺がいた。 「スゲー!晄と同じじゃん!」 「褒めすぎだよ、春楓」 照れくさそうに笑う春翔。 「じゃあ黄嶋、青木くんのメイクやってみようか」 「あ、はい!」 今度は俺の番。 こんなの初めてだから緊張しちまう。 春翔と場所を交代すると、俺は灰田センパイの指示通りに手を動かしてた。 春翔、近くで見る度思うけど、睫毛長くてキレイな顔してるよな。 「黄嶋、もう少し思い切ってつけてみて」 「はい!」 白くてキラキラしてる粉。 それを絵の具の筆みたいなのにつけてから春翔の目元の端に恐る恐るつける。 「大丈夫だよ、春楓。練習だから失敗しても」 くすくすと笑う春翔の唇はさっき俺がセンパイに教えてもらって塗ったグロスっていうのでいつもよりツヤツヤしたピンク色になってて色っぽい。 「お前、失敗する前提で話してるだろ」 「あっ、分かっちゃった?」 ドキドキしてる俺に春翔がその気を逸らしてくれる。 「ムカついたからわざと失敗してやる」 「えーひどいよ、春楓」 俺、わざとふざけたりして。 でも、センパイが丁寧に教えてくれたから初めてにしては上手く出来た……と思う。 春翔、外国の映画に出てきそうな女優さんに見えるから。 「うん、これ以上やったら派手過ぎるからこの濃さでやった方がいいかな」 「春楓、動画撮ったから送っとくぞ!」 「おう、ありがとう!!」 俺も参考にと思って春翔の顔をスマホで撮影してた。 「春楓、僕…母さんみたいじゃない?」 鏡を見た春翔、そんな事を言い出す。 「そう言われれば確かに。じゃあ俺も母さんに似てるって事?」 「あはは、おばさんが怒ったらその顔かも」 ****************** それから俺たちは必要な道具を教えてもらい、メイクを落とすと春翔んちで練習するべくセンパイんちをお暇してた。 「初めてお話したけど、素敵な先輩だったなぁ、灰田先輩」 「センパイ、サッカー部の時とは違う感じだったけどな」 「そうなんだ。で、晄くんとは付き合ってるんだよね」 俺たち、帰り道で当日も使うメイク道具を買うべくドラッグストアに寄ってたりする。 「あ、あぁ、そうらしい」 「だよね。ずっとそういう雰囲気だったからすぐ分かったよ」 そう言いながら、春翔は真剣な顔でメモ帳と化粧品とを見比べている。 春翔が鋭いのか、晄とセンパイが分かりやすすぎなのか、俺には分からなかった。 「似たような色があるから迷うね。どっちがいいかな……」 「……俺、違い分かんねぇんだけど……」 春翔が悩んでいると、お店のお姉さんが声をかけてくれて、春翔にウットリしながら選んでくれた。 「学校祭で女装して劇やるなんてすごいわね」 「うちの学校の伝統みたいな感じなんですよ」 春翔、相変わらずの営業スマイル。 お姉さん、すっかり魅了されて少し値下げしてくれたけど、春翔があの真っ黒いカードを出した時はびっくりしてたな。 「あ、春楓、ちょっと買い忘れたものがあったから付き合ってもらっていい?」 レジが終わって化粧品を袋詰めしてると春翔が言う。 「いいけど、何だよ」 「うん、ちょっと言うのは恥ずかしいからついてきて」 恥ずかしいって。 なんとなく予想がついたけど、俺は黙って春翔の後ろについていった。 「春翔、それ制服で買って大丈夫なのか?」 春翔の足がコンドームのあるコーナーで止まる。 「え?僕、こないだも学校帰りに買ったけど大丈夫だったよ」 「あ……そう……」 俺的に私服で買うモノだって勝手に思ってたけど、制服でも買えるんだな。 買えたとして、俺は制服では買いたくないけど。 一緒にレジまでついていったけど、店員さん、春翔の相手が俺だとは思わないだろうな、絶対。 買い物を全部終えて春翔んちに着くと、晄が送ってくれた動画を見ながら早速教えてもらった事を復習してた。 「こういう事、普段しないから楽しくない?」 「そうか?」 「顔に落書きしてる気分なんだよね」 「何だよ、それ」 春翔は終始楽しそうで、そんな春翔の声を聞くのが嬉しい俺がいる。 「どう?買った色がちょっと違ったから全く同じじゃないけど……」 「おっ、スゲーじゃん!ちゃんと意地悪そうに見える」 春翔の部屋の姿見の前。 俺が先に練習させてもらったから、ふたりして顔にだけ女の子みたいになって映ってた。 「春楓もちゃんと可愛くしてくれてると思うよ」 「そ、そうかな……」 この顔で言われると変な気持ちになる。 「…ね……春楓……」 椅子に座ってる俺の顔を自分の方に向けさせると、春翔がキスしてきた。 「ふぁ……んん……っ……」 薄らと目を開けると、鏡に舌を絡ませあってる俺たちの姿が映ってて、身体がゾクゾクしてきた。 「……この顔の春楓とHな事してみたいな……」 「な…何言って……っ……!!」 俺の前に来ると、春翔は俺の制服のシャツのボタンを外して胸元に唇を近づけてキツく吸ってくる。 「っあ……や……ッ……」 春翔の唇が乳首に触れてきて、軽くキスされたかと思ったら舌先でくすぐられた。 鏡に映る自分の顔を見たくなくて、俺は目をつぶっちまったんだ。 「春楓、恥ずかしいなら僕の方見てたらいいんじゃない……?」 「そんな……あぁ……ッ……!」 春翔が妖しい笑みを浮かべながら俺が履いてるスラックスを下着と一緒に脱がせて床に置くと、俺のモノに舌で触れる。 根元から上に舐め上げられると、身体がびりびりした。 「春楓の顔…意地悪そうに見えないよ?すごくHに見える……」 「うぅっ、うるせぇ……も…やめろってば……」 手で扱かれながらそんな事を耳元で囁かれると、身体のびりびりが強くなる。 「やめろじゃないよね?春楓」 「ひゃ……あぁ……ッ……!!」 春翔が俺のナカに入ろうとソコに指を挿れてくると、俺はイきそうになった。 「あ、すごい濡れてる。春楓、恥ずかしい事すると濡れやすいのかな……」 「し、知らねぇ、知らねぇからもぉ……うぅぅ……っ……!」 春翔が指を動かす度にぐぷ、ぐぷというやらしい音がソコから聞こえてきて、しかもだんだん大きくなっていく。 「折角だから鏡で見えるようにしてみたいな……」 そう言って春翔は鏡をベッドの前に持って来ると俺と同じ格好になってそこに腰を下ろし、買ったばかりのコンドームをつけてた。 「春楓、このまま座る感じで僕とひとつになれる……?」 「ほ……本気かよ……」 「うん、そういうのもたまには良くない?」 笑顔で言われて、俺は恥ずかしかったけどそんな春翔に応えてしまってた。 「うぅ……ッ、めっちゃ恥ずかしい……」 ゆっくりと腰を落として春翔のを挿れようとする俺。 鏡には真っ赤になってそうしてる俺のやらしい姿と、それを嬉しそうに見ながら笑ってる春翔の姿が映ってた。 「僕は……すごいゾクゾクするよ、春楓」 「や……お前……っ、勝手に挿ってくんな……あぁぁ……ッ……!!」 春翔は俺の腕を掴んで引っ張ってくる。 それで今までゆっくり挿れてた春翔のがググッって一気に挿ってきて、俺はイッちまってた。 「すごい……!春楓、見て、僕たちが繋がってるのハッキリ見えるよ……」 春翔の息が荒くて、興奮してるのが分かる。 俺は春翔にもっと悦んで欲しくて、イキっぱなしになりながら腰を振っていた……。 ****************** 「今日の春楓、すごく可愛くてHだったね」 「Hなのはお前だろ?鏡の前でするとかもう嫌だからな」 春翔がイッた後、俺は汗をかいたしメイクも落としたかったから春翔とシャワーに入ってた。 「えー、春楓だってすごく気持ち良さそうにしてたからまたしたいよ」 「マジで言ってんの?」 「うん、ダメ……?」 跪いて俺の身体をバスタオルで拭きながらお願いしてくるその甘えた表情は狡いとしか言いようがない。 「そのうちな。あ、そうだ……」 『俺が挿れる時にもやってからなら』って春翔に言ったら、春翔は、 「うん、いいよ。ありがとう、春楓、大好き…」 って嬉しそうに笑って応えてくれた。

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