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第2話

橋本蘭といえば、校内でも有名な先輩だった。 女好きで、イカつい顔をしてるのに、笑った顔が堪らなく可愛い、憎めない先輩。彼を嫌うのは嫉妬してる連中くらいで、誰からも愛されるような人だ。 俺と橋本さんは、中学が唯一同じだけの理由で可愛がってもらってた。橋本さんと祐也は、ジャンケンで負けた体育祭実行委員会で。 もし、俺があの時ジャンケンで負けてたら。 祐也と橋本さんは出会わなかったかもしれない。 でも、もう二人は出会ってしまった。 そして、俺は。 祐也に振られてしまったのだ。

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