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第9話
しまった、と思ったのは一瞬。祐也は顔を顔張らせて、固まってしまった。
「…まだ、彼女と続いてんの?」
「…千秋、それなんだけど…橋本さん、彼女と別れたんだ」
「え!?」
「でさ、今付き合ってるのが…一個上の、男の先輩、なんだ」
よく分からなかった。橋本さんが、あの彼女と別れて、男の人と付き合ってる?橋本さんはバイだったのか?
「祐也は、…それ聞いて、どうしたいんだ?」
「俺?俺は…」
「だって、同性ならチャンスだろ。橋本さんも祐也のこと気にかけてるし…告白しないのか?」
祐也が好きだ。大好きだ。だけど、祐也とは友達のまま。俺が幸せにするなんて、言えやしない。
だったらせめて、祐也が幸せになってるところを、見たかった。もう、あんな辛そうな顔をしてほしくなかった。
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