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第二章・5

 元町が駿佑に支払った二万円で、黒ネコは動物病院にかかった。  幸いネコエイズなどの危険な病気には感染しておらず、ワクチン接種とノミの駆除で済んだ。  後は、ネコのトイレやフードなどを揃えて、二人はもう一度元町を訪ねた。 「まぁあ! いらっしゃい、ネコちゃん!」  彼女は大喜びで黒ネコを抱きしめたが、困った顔になった。 「私、もうこの年でしょう。きっと、クロちゃんより先に死んじゃうわ」 「縁起でもないこと言わないでください、それに、もしも飼えなくなった時は、僕が引き取ります」 「いいの?」 「はい」  これで、元町老婆の心は癒される。 (本当に、掃除完了だな)  駿佑は目を細めて、ネコを撫でる聖を眺めた。  彼には、私とはまた違う掃除の能力があるようだ。  自分自身も、癒される思いだった。  黒い掃除屋と、白い掃除屋。  そんな風に二人を思い、微笑んだ。  胸に、白い可憐な花が咲いた心地がした。

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