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第三章・2
「食事もシンプルだな」
「いくらでも食べてください」
聖が夕食に出したのは、総合栄養食のチューブやビスケットだった。
「こんなものばかり食べているから、そんなに痩せているんだ」
私が何か、作ってやる。
そう言って冷蔵庫をのぞいた駿佑だったが、卵ひとつ置いていない。
キウイや半分に切ったリンゴ、牛乳。
その程度しか見つけられなかった。
仕方なく、駿佑はリンゴとキウイを甘く煮た。
それから、ホットミルク。
「温まるぞ」
「ありがとうございます!」
甘いホットフルーツを一口食べた聖は、笑顔をほころばせた。
「美味しい!」
「それはよかった」
駿佑も質素な食事を摂りながら、明日の予定を決めていた。
(自分に必要な物を揃えるつもりだったが、プラス食材を買わなきゃならん)
夢中でフルーツを食べる聖を見ながら、そう思った。
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