21 / 118

第三章・6

「言っておくが、私は聖くんに何もしないぞ。子どもには、興味がない」 「僕はもう、子どもじゃありません」 「大人から見れば、まだまだ子どもだ」  それだけ言い残し、駿佑はバスルームに消えてしまった。 「何か、悔しいな」  だが、自分の体を思えば、それも仕方のないことだ。  痩せっぽちの青白いΩ。  これでは抱く気も失せるだろう。 「もう少し体を作って、フェロモンが出るようになったら、抱いてくれるのかな」  しかし、それもまだまだ先の話だろう。  駿佑の言う、『大きな掃除』が終われば、彼もまたどこか別の街に流れてゆく。  それを考えると、聖の胸は痛く疼いた。 「僕はまた、一人ぼっちになってしまう」  いや、と首を振った。 「まだ始まったばかりなんだ。今から別れのことなんか考えちゃ、ダメだ」  風呂上がりの駿佑が寒くないようにと、寝室のエアコンをオンにした。  ルームフレグランスを焚いて、彼に心地よい眠りを提供しようと心を配った。

ともだちにシェアしよう!