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第四章・2
誰もいない。
放課後の体育倉庫前には、誰も待ってはいなかった。
「僕の方が、早かったのかな」
しばらく、聖は待ってみた。
だが、誰かがやって来る気配もない。
そのうち、聖は体育倉庫の鍵が開いていることに気づいた。
手で戸を押すと、細く開く。
「もしかして、中で待ってるとか?」
そろりと戸を開け、聖は中に入ってみた。
途端に、暗がりの中誰かに後ろから抱きつかれた。
「なッ! だ、誰ッ!」
もがくが、人の手は一人分から二人三人と増え、あっという間に服を剥がれてしまう。
瞬く間に素裸にされて、聖はマットの上に転がされた。
恐怖で、声も出ない。
ただ、肌に伸びてきた手のひらのおぞましさに震えていた。
「おい、しゃぶれよ」
目の前に、醜いペニスが突き出される。
そこでようやく、聖は罠にはめられたのだとハッキリ悟った。
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