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第四章・8

 どうやって起きたか、解らない。  どうやって身なりを整えたか、覚えていない。  どうやってマンションに帰ったか、記憶がない。  ただ、聖は帰宅と同時にバスルームへ駈け込み、思いきり吐いた。  下腹に力を入れ、散々ぶち込まれた精液を掻き出した。  熱いシャワーを流しながら、聖は身体に残された凄惨な刻印を清めた。 「聖くん、何があったんだ!?」 「何でもありません」  珍しく慌てた様子の駿佑が、バスルームに駆け込んできた。 「何でもないこと、ないだろう! 誰にやられた!?」 「駿佑さん……」  できれば、知られたくなかった。  しかしこの人は、僕の様子を一見しただけで、何があったか悟ってしまったんだ。  そう思うと、涙があふれた。 「駿佑さん……、駿佑さん!」  濡れた体も構わず、駿佑は聖を抱きしめた。  髪を撫で、泣きじゃくる少年をなだめた。 (先に始末する掃除ができてしまったな)  そして、その瞳には復讐の炎が燃えていた。

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