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第六章 本当の初めて
駿佑がバスから上がって寝室へ行くと、すでに明かりはダウンライトに落とされていた。
そっと毛布を剥ぐと、その下からは滑らかな聖の素肌が現れた。
「駿佑さん、抱いてください」
「いや、聖くん。それは……」
「僕は子どもじゃありません」
匂い立つΩの色香に、駿佑はくらりと来た。
やっとのことで、言葉を押し出す。
「聖くん、私は掃除で汚れてなんかいない」
今回は、私のためにやったことでもあるんだ。
そう、駿佑は弁明した。
「だから、聖くんが責任を感じることなんかない」
「『私のため』って、どういうことですか?」
それは、と駿佑は言葉に詰まった。
『私の胸に咲いた白い花を、穢した』
こんなことを考えてしまった自分を、どうやって説明すればいい?
それに、頭に血が上ったとはいえ、なぜこんな風に考えた?
(まさか、私は聖くんを……)
駿佑は、改めてベッドに横たわる少年を見た。
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