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第八章・3
嬉しいことに、その日は昼間であるのに駿佑が部屋にいてくれた。
「どうした」
「少し、気分が悪くて。学校、早退しました」
それはいかん、と駿佑はすぐに聖の傍に寄って来た。
「ソファで横になるといい。すぐに寝室を整えるから」
「大丈夫ですよ」
「いいから」
ソファに寝かされ、ブランケットを掛けられた。
駿佑はすぐに加湿器をオンにし、寝室のエアコンを入れた。
「喉は乾いていないか? 何か飲みたいものは?」
あんまり駿佑が世話をしてくれるものだから、聖は少し甘えてみた。
「イチゴのジュースが飲みたいです」
「いいとも」
駿佑は惜しげもなくイチゴを何十個もミキサーに放り込むと、すぐにフレッシュなスムージーを作ってくれた。
「さあ、飲んで」
「ありがとうございます」
イチゴの果汁は、聖の心も甘酸っぱく染め上げた。
「あの、駿佑さん。僕が眠るまで、添い寝してくれませんか?」
「添い寝? 構わないが」
こんなことを言い出す聖は、初めてだ。
少し怪訝に感じながらも、駿佑は聖と共に寝室へ入った。
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