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第九章・2
「無いこともないよ。ピルという薬を飲めば……」
「ください、それ」
「いや、でも、君は……」
「お願いです。ください!」
聖の迫力に押され、医師はピルも処方することとなった。
「いやはや、最近の子どもは進んでるねぇ」
「僕、子どもじゃありません」
(愛してる人が、いるんだから)
身も心も、全て捧げる人がいるんだから。
「じゃあ、これ。一日一回、食後に飲んで。ただ、100%ではないからね」
「はい。ありがとうございます」
「私から見れば、君はまだ心も体も未熟だ。あまり無理なセックスはしないように」
「はい」
「パートナーとも、よく話し合いなさい」
「はい」
後は、お利口さんにしている聖だ。
医師はそんな彼を信用して、処方を出した。
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