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第九章・5

「毎晩できない理由は、ちゃんとある。そろそろ私の仕事が、大詰めを迎えるんだ」  帰れない夜もでてくる、と駿佑は言った。 「今回は、どんな掃除なんですか?」 「それは、言えない。話せば、聖にも害が及ぶ危険があるからな」  その言葉に、聖は息を呑んだ。 「危ない仕事を、しているんですか。駿佑さん」 「そうだ」  それきり、聖は黙ってしまった。  うつむき、手にした薬を手でいじり、時々目を閉じる。 (僕が見た掃除は、高校生相手だったけど。きっと今回の相手は大人の悪い人なんだ)  大人の悪人とくれば、頭も切れるし戦闘力もあるだろう。  聖は、初めて駿佑の掃除という仕事に不安を覚えた。 「駿佑さん」 「何だ?」 「やっぱり、今夜抱いてください」 「なぜ」  僕は、怖い。  駿佑さんが外へ出て、二度と帰って来ないかもしれないと思うと。 「僕は、怖いんです」

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