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第十章 左胸の白い花
「聖、明日からしばらく帰らない」
熱いひとときを終え、ピロートークで駿佑はだしぬけにそう言った。
「掃除、ですか」
「そうだ」
胸に抱いた駿佑の腕を、聖は強く抱いた。
「しばらく、って。どれくらいですか?」
「そうだな、二週間くらいか」
聖はめまいがした。
駿佑が現在抱えている掃除の話を聞いてから、確かに彼は帰らない夜が出てきた。
しかし、今度は二週間とは!
「僕、寂しくって死んじゃうかもしれません」
「それは困るな」
「だから、もう一度抱いてください」
「おいおい」
聖とのセックスは、より濃厚になっていた。
彼が、そう望む。
無理もない、と駿佑はねだられるまま聖を抱く。
掃除屋稼業を辞めてくれ、と彼が言い出さないことに感謝しながら。
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