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第十章・8
バスルームで一回。
ベッドの上で、二回。
たっぷりと二人は愛し合い、聖は満足げに駿佑の胸の中にいた。
「明日からしばらくは、ここにいられるんですね?」
「その事なんだが」
「ダメなんですか!?」
「実は、私もマンションを買ったんだ」
組員が訪ねて来る、などと言い出した時に自宅が無いとどうしても困る。
「まさか、ここに連れて来るわけにはいかないだろう?」
「それはそうですけど」
僕、寂しいです。
しゅん、と聖はしおれてしまった。
この姿には弱い駿佑だ。
「特に用が無い時は、こちらに来るようにするから。だから、安心しろ」
「ホントですか!」
「ああ。時には私のマンションにも遊びに来るといい」
「ありがとうございます!」
ぎゅっと駿佑の腕を掴んだ聖の目の前には、左胸の白い花が見えた。
まさかそれは自分の化身だとは、知る由もない聖だった。
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