88 / 118

第十一章・8

「あ、あぁ! はぁッ! あ、もう! 僕、僕、もうダメぇえ!」  聖の吐いた精が、駿佑の腹まで飛んだ。 「今夜、何回目だ? 若いと元気だな」 「ぅんッ、もう! 駿佑さんが! 駿佑さんの、せいですからぁ!」 「ナカ、よく動いてるぞ。気持ちが悦いな」  駿佑も、色に眩んだ眼をして聖を見下ろしていた。  彼の体内は、ひどく気持ちが悦い。  このまま溶けて、全身潜り込んでしまいたくなるような気にさえなるのだ。 「さあ、出すぞ」 「駿佑さんッ! あ、はぁ! 早くぅう!」  骨を軋ませ、駿佑は聖に密着した。  細い腰を抱き、自分に擦り付けた。 「あ! イく! イッちゃうぅう!」  聖がオーガズムに達するとほぼ同時に、駿佑は彼に子種を注ぎ込んだ。 「あ……、熱ぅい……ッ!」  ひくひくと痙攣する聖の身体を、しっかりと抱き留める。  震えがこちらにも伝わり、心地よい。  せっかくバスを使ったのに、二人とも汗まみれだ。 「もう一度、シャワーを浴びなきゃな」 「んぅ……。はぁ、あん……」  シャワーは、朝でもいいか。  この満ち足りた空気を、かき乱したくはない。  駿佑は聖を胸に抱き、甘い余韻を味わった。 「ハッピー・ホワイトデー」  素敵な夜を、胸に刻んだ。

ともだちにシェアしよう!