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第十三章 帰って来て

 学校は春休みに入っており、聖は開放的な気分になっていた。 「ホワイトデーのデート、楽しかったな。駿佑さんのこと、また誘ってみようかな」  春色のシャツも買った。  これを着て、今度は水族館に行きたいな。  イルカショーを見て、水槽のあるレストランに入って、大水槽の前でのんびりお魚を眺めて……。 「また、手を繋げると嬉しいな。駿佑さん、恥ずかしいかなぁ」  そんなことをとりとめもなく考えていると、携帯が鳴った。  知らない番号だ。  だが、末尾三桁に『110』とある。  これは、警察からの電話だ。  聖は緊張して、電話に出た。

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