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第十三章・9

「聖、何か美味しいものを差し入れしてくれないか?」 「ダメですよ。病院の食事は、ちゃんとカロリーとか栄養とか計算されて作ってあるんですから」 「じゃあ、酒を少し。ほら、あのジンを……」 「とんでもない!」  ああ、退屈だ、と駿佑は、灰色の入院生活を送っていた。  聖の言うことは正論だが、こうも禁欲生活が続くと参ってしまう。 「聖」 「ダメです」 「まだ、何も言っていないのに」 「今度は何ですか? ちょっと外出してドライブしたい、何て言わないでくださいよ?」  違うよ、と駿佑は苦笑いした。 「キス、してくれ」 「……!」 「それくらい、許してくれ。もう我慢の限界だ」  ためらったのは、一瞬だけ。  聖は照れながら、喜んで駿佑にキスをした。  そっと、ついばむようなキス。  やがて深くつながり、舌を絡めて熱いキスをした。 「聖……、聖」 「駿佑、さ、ん……っ」  互いを呼び交わしながら、命の味のするキスを続けた。

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