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第十四章 胸に咲くは純白の花

 ヒマワリは、三種入れよう。  サンリッチフレッシュオレンジ、パナッシェ、レモンオーラ。  それから、エルムレスを入れて。  アクセントに、赤いヘリクリサムも。  聖はそれらを、慣れた手つきでブーケにしていった。 「そろそろ行こうか」  手に車のキーを持った駿佑が、うながした。 「はい。すぐに」  出来上がった花束を手に、聖は駿佑とガレージへ向かう。  元町老婆の門出を、祝うために。  ハンドルを握りながら、駿佑は聖に訊いた。 「元町さんの足は、どうなんだ?」 「ずいぶん痛みがひいた、とはおっしゃっていました」  でも、心配ですね、と聖はブーケを持ち直した。  

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