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【5000アクセス記念】おつ君見
中秋の名月だそうですわ。5000hitも5000に因めず。
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帰り道はもう暗くなっていた。暦の上では秋でも、気温はまだ夏の影が残っている気がする。ただ心地良い風が出てきていて、季節が変わったのだと知る。実際、この前見上げた月よりも、今日は綺麗に見えた。
もうすぐ自宅というところで、俺は前から走ってくる人にぶつかった。感触といい背丈といい、場所といい、それが誰だかすぐに分かった。
「上ばっか見てると転ぶぞ」
「おまえも余所見していると怪我するだろう。どうしたんだ?買い物か?」
「風強くなってきたから。おまえ寒がりじゃん?風邪ひいたら大変 じゃん、6連勤だったし」
大学を出てから一緒に暮らしているこいつの手には俺の上着が握られていて、俺はそんなに背の高くないそいつを見下ろした。いつでも大きな澄んだ真ん丸の目に外灯の光が入って、胸がぎゅっとなった。せっかくだ。俺はこいつのこともぎゅっと抱き締めた。
「は?なんだよ」
「月が綺麗だったからな」
昔のお偉い人は気の利いた言葉を残したものだ。
「……?え、何、おまえ狼男なん?」
ちょっと物を知らないところがかわいい。俺がこいつの分だけ調べれば問題はない。
「そっか、もうすぐハロウィンだもんな。カボチャケーキ食いてぇな。まだ焼き芋も食ってないや」
俺を押し退けたこいつの身体が熱くなっていた。間近にあった俺の真ん丸い"お月様"は逸らされる。
「"お月見だいふくアイス"でも買って帰るか」
寄り道になる。明日は休み。俺の乾いた手が少し汗ばんだ手を握った。
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600字強
べた惚れ美青年×ちょいデレ
2022.9.10
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