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眩暈ふわダンス※
monogatary.comからの転載。
お題「ふわふら」
***
ちゃんとごはん食べられなかったし、ちゃんと寝られなかったして足元ふらっふら。頭の中はふわっふわ。
食べようと思ったケド、ムリだった。いつもはめっちゃ食べられるのに。アイツの3倍くらい。いかんいかん、なんでアイツ?
寝てるときも、もわぁって頭の中出てきて、まだ夢もみてないのになんなの。っていうかなんでアイツが夢に出てきてほしいみたいになってるんだ。
あーやば、って、ちょっと気持ち悪くなってきた。オレが?違うよ、体調が!
大学の人気 のない建物裏のベンチが最近のお気に入り。たまぁに友達付き合いダル……ってなるときがあんのよ、オレにも。あいつ等が悪いんじゃなくて、オレの気紛れで。
「大丈夫か」
ちょっと足もふらっふらで、頭ふわっふわで、ちょっと横になりたいなぁみたいときに、オレは意識もふらっふらのふわっふわなのか?って。だってアイツの声聞こえるもん。
「具合が悪いのか?」
オマエのせいだぞ!って言いたかったケド、言う元気もなかった。眼鏡のフレームが太陽の光でキラーンってして眩しい。眼鏡のフレームが、だからな。だってコイツは、優等生みたいに髪セットして、グレーのパーカー羽織ってさ、地味。
コイツが眩しいワケないだろ!
オレに触ろうとしてさ、リーマンのおっさんみたいな腕時計も銀ぎらぎんで眩しかった。コイツが眩しいんじゃないからな。
「熱はないみたいだ」
「熱なんかねぇよ」
でもコイツが触るから熱出た。オマエのせいだぞ!ってまた言いたくなった。
「顔色が悪い」
「気のせい」
違う、オマエのせい。
「大丈夫か?」
大丈夫じゃないよ。頭の中はふわふわするし、膝とか首とかふらふらするもん。オマエのせいだぞ。
「うるさいな。なんで来たんだよ」
「お前が後から来たんだろ」
「はぁ?後から来たのはオマエだろ、どう見ても……」
「ここは俺の特等席だったんだが」
くそくそ。そうだったかも知れない。ここでコイツ見つけたんだもん。
「頭ふわふらする」
「ふわふらってなんだ」
「うるせぇな」
コイツのせいでなんかまたふわふわしてきた。
「ぐわんぐわん、だろ。水飲むか?買ってきてやる」
「要らね」
「チョコでも食っとけ」
チョコの包紙握らされてさ、顔がば〜って熱くなってまた頭の中ふわふわ!何もかもコイツのせいだ!
***
930字弱。
剽軽マイペース×眼鏡神経質
2022.11.7
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