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斜夢で寝夢ル ※
monogatary.comからの転載。
お題「予知夢」
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未来がミえたら楽じゃないか?不安がなくなる。人に言えば凄がられて承認欲求が満たせる。自信がつく。
人にはできないことができて、確信を持てたとき、使いようによっては富も権力も手に入る。
人は、未来が曖昧だから期待を持てて生きていけるんじゃないのか。俺はそう思う。無理だ、できない、不可能だと言われながらも一縷の期待を持ってしまうのが人間で、業で、絶望できない絶望じゃないか?
俺は未来がミえてしまう。なんてな。夢の話だ。くだらない。忘れてしまえばいいものだ。
俺の片想いは叶わない。当然だ。何故なら俺は彼の前に姿を現していないから。彼の中で俺は"その他大勢"で、自分を好きな男の一人だなんて知る由 もないからだ。
俺の片想いは届かなくて、彼は隣の隣のクラスの女泣かせの酷いヤツと付き合う。女を泣かせるが、きっと君のことも泣かせる。これが俺の希望 ならよかったのに。ああ、夢の話なんだ。気にしないでくれ、と言えたら。
君はアイツに騙されて裏切られて泣かされて捨てられて……
これも俺のユメの話。忘れてしまっていい。不毛なユメの話なんだ。君と付き合えなかった、嫉妬だよ。負け惜しみなんだ。
捨てられたくらいならいいなんて、酷いこと言ったな。すまない。赦してくれ。
俺というやつは、俯瞰しているようで、全然、人の気持ちなんか知っちゃいないな。分かった口をきくのは、俺の直すべきところだよ。こうしろ、ああしろなんて、冷たいよな。
人には人の役目があると思う。それが人の生きていくうえでの後ろめたさで、誰もが完全に純粋では生きられない。どんな弱者にも力があって、その力は場面によっては誰かのために行使しなければならなくて、誰かのために抑えていなければならないこともあるはずなんだ。
でも、そんなのは嘘っぱちだ。俺にそんな力はない。これはすべて俺の妄言 なんだから。未来がミえるなんて言えば、君が俺をミてくれると思っただけなんだ。
さようなら。おやすみ。もう何もミえないけれど、俺のミた夢を言うのなら、君はきっとシアワセになる。こんな俺の言うことだから、どうせ不確定事項 だけど、こんなコトは忘れて、目指さなきゃいけないよ。
―身体中から様々なものが抜け出ていくような迸りを感じて、この状況 はまったくミていなかったけれど、これが俺の力の行く先かと思えば、ゆっくりと目を瞑れた。
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2023.2.1
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