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第44話

 目を覚ますと、隣にものすごい美形が眠っていて裏柳は息を飲む。  凄い美人だ。顔が綺麗過ぎる。同じ人間とは思えない綺麗さだ。  肌白い…… 睫毛長い…… 黒髪綺麗……  ずっと見ていられる気がした。 「んん……」  柔かそうな唇から低くて甘い声が漏れる。声も綺麗だ。 「裏柳?」  目を開けた美人と目が合う。 「あわわ、勝手に見ていてごめんなさい!!」  無断で見て良いとは思えない顔に、慌てて謝る裏柳。  漆黒は、何を言われたの良く解らずポカーンとなる。 「おはよう」  そう、朝の挨拶をした。 「おはよう御座います」  裏柳は恥しそうに布団を被ってしまった。 「裏柳、悪いんだが小水をもらえないか?」 「小水?」  体力と、魔力が足りなくて困っている漆黒。  昨日、裏柳が出した精子で結構回復出来たが、もう少し力が欲しい。   バリアの修復もしなけれはいけないし……  だが裏柳は記憶を無くしているので、また1から説明しなければいけない事に気付いて、漆黒は頭を抱える。  絶対嫌がられるよな…… 「魔力の補給に必要なんだ」 「私の小水がですか?」 「そうなんだ……」 「まぁ、それはお気の毒ですね……」  裏柳は憐れみの視線を漆黒に向けた。 「いや、俺は良いだが」  寧ろ喜んで飲むのだが…… 「Ωの小水が必要と言う事ですよね?」 「ああ、そうだ」 「私は構わないのですが……」  構わないと言う割には腑に落ちない顔をしている裏柳。  まぁ腑に落ちる訳無いか。 「良かったら此れに入れてくれ」  漆黒はいつも裏柳に渡していたグラスを渡す。  裏柳はそれを受け取って大人しくトイレに向かってくれた。  思いの外物分りが良い。   初めての時とは大違いである。 「これで良いですか?」  裏柳は恥ずかしげに頬を染めつつ、トイレから出て来て漆黒にグラスを渡す。  よく考えたらまだ裸にシーツを巻いただけの姿である。  服を渡すのを忘れていた。 「有難う。助かった。そこのタンスにお前の服が有るから好きに着てくれ」 「え、服を着ても良いのですか!?」 「当たり前だ」  逆に何で服を着てはいけないと思ったのか。  裏柳はタンスを開く。  適当に端の服を選ぶと袖を通している。  漆黒はそんな裏柳を観察しつつ裏柳が出してくれた小水に口をつけた。 「ええええ!!!??」  此方を見てい急に驚いた顔をし、声を上げる裏柳。  漆黒もビックリしてしまう。 「ど、どうした!?」  服に仮縫いの針でも残っていただろうか。  フラミンゴがそんなミスをするとは思えないが…… 「そ、そのまま飲むのですか!?」  困った様な、不憫そうな顔をする裏柳。 「ああ、そのままが一番上手いんだ」  どうやら小水の話しらしい。 「はー……」  裏柳は、不思議そうな顔をしつつ、恥ずかしくなったのか顔を背け、服のボタンを止めだした。  漆黒も小水を飲み干す。  あー、やっぱり裏柳の小水は何物よりも美味しい。  幸せを感じる。  力の補充も十分であるし、これでバリアの補強が出来そうである。  服を着た裏柳を確認し、手を取ると朝食をに連れ出す。  裏柳の記憶が無くなってしまっている為、もう一度全員紹介してやらなければならないと思ったのだ。

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