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第2話
赤ずきんくんは、地べたで丸まっているボクを覗き込み、傷の様子を見ているんだと思う。
だけど、ボクはそれどころじゃなくって......。
ううっ。
黒くて大きな吸い込まれそうな綺麗な目がボクを映すと、胸がドキドキする。
実はボク、赤ずきんくんが好きなんだ。
強くて優しくって、ちょっぴり……じゃないや。
だいぶん口が悪い赤ずきんくんが......。
「ああ、やっぱ、タンコブできてやがるぜ」
ボクの髪をかきあげて、叩かれたおでこに触る赤ずきんくん。
触られてズキってするけど、胸がドキっともする。
だって、目の前に赤ずきんくんの顔があるよっ!!
顔が近いよっ!!
「うわっ、どうしたんだよ? おまっ、顔真っ赤じゃん!! もしかして顔も殴られたんかよっ!?」
ボクはフルフルと首を振って、赤ずきんくんに何でもないと伝える。
だけど、心臓がバクバクうるさくって、口は金魚さんみたいにパクパク開いたり閉じたりを繰り返すだけで、言葉が出てこない。
「ここじゃ手当もできねぇな、よし。家に来い」
そうして赤ずきんくんはボクの手を取って家に連れて行ってくれるんだ。
......のは嬉しいんだよ?
だって、赤ずきんくんと一緒にいられるもん。
でもね、赤ずきんくんは一人暮らしだ。
大好きな赤ずきんくんとふたりっきりなんてそんなの恥ずかしすぎるよぅっ!!
……とか言いつつ、いつもこんな調子でみんなにイジメられたり罠にかかったりして、ボクが傷をつくるたび、その都度家に入れてくれて、手当てをしてくれるんだけどね。
「な、いいか?」
赤ずきんくんの家で傷の手当てが終わったら、赤ずきんくんは必ずそう言って伺ってくる。
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