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第7話

 もっと早く、ああやって倒していれば、赤ずきんくんは襲われずに済んだんだものね。  今は、側に......いない方がいいね。  いつも鈍くさいボクはもしかして赤ずきんくんに嫌われたかな。 「ごめんね......」  役立たずで……。 「ごめんね」  赤ずきんくんから背中を向けて、ボクは地面の上で伸びているクマさんたちを両肩にかついだ。  完全に失恋してしまったボクは、当分の間は悲しすぎて赤ずきんくんの顔も見られそうにない。  だから隣村に行こうと決めた。  その直後だ。  グイッ!! 「えっ?」  ボクの......腰に絡みつく細い腕が見えたんだ。  あまりにもびっくりしたから、肩にかついだクマさんを手から離してしまった。  ゴトンッ!!  クマさんたちが大きな音を立てて、近場にあった大きくて硬い岩に直撃したけど――まあ、どうでもいいや。  だって自業自得だもん。  それよりも気になったのは、ボクの腰にしがみついている赤ずきんくんのことだ。 「赤ずきんくん?」  振り向いてそっと話しかけてみれば......。 「ひとりにしないで......」  そう言った彼の声は、とっても弱々しい。  いつもの赤ずきんくんじゃない。  ボクを頼ってくれてるの?  とても嬉しい。  だって、いつも守られているばかりのボクが、大好きな赤ずきんくんを守ってあげられるんだ。  大好きな人と一緒にいられる。  だけど、ボクは......。  ……ダメだ。  やっぱり赤ずきんくんと一緒にはいられない。  だって、地べたで伸びているこのクマさんたちがしたようなことを、ボクも赤ずきんくんにしたいって、そう思っているんだから……。  ボクは赤ずきんくんと一緒にいるべきじゃない。

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