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第3話
抵抗をするけれど、狐くんの方が軟弱な僕よりもずっと力が強い。
押し退けることができないんだ。
「いつも見てたんだよ、お前、女の子みたいに可愛い顔してるなって……。本当は女の子なんじゃねぇの?」
狐くんは耳元でそう言うと、ズボンの上から僕の中心を触った。
「あっ!!」
「残念、やっぱ男かよ。でも、いけるかも」
なんで、こんなことするの?
どうして、そんな言い方をするの?
そんなに僕のこと、イヤなの?
「やっ、やだよっ、狐くんっ!!」
「そのわりには、俺に触られて勃ち上がってきてるじゃん? 気持ちが良いんだろ?」
イヤイヤと首を振って抵抗する僕に、狐くんは囁(ささや)きかけてくる。
骨張った大きな手で僕自身を包み込み、揉みはじめる。
「っあっ、やめてっ!」
狐くんの手の動きに合わせて、僕自身から水音が放たれる。
僕、感じてるんだ。
でも、こんなのおかしい。
間違ってるよっ!
「狐くんっ、いやっ、やだよっ」
「そう言いながら、大きくなってきてるぜ? 生地も濡れてきたし?」
ケタケタと顔を歪めて笑うのは、本当に僕が好きな狐くんだろうか。
「あっ、っひ、いやああっ!!」
こんなこと、望んでないのに!!
イきたくないよっ!!
目から溢れる涙は、快楽なのか、それとも狐くんに弄ばれているからなのか、もうよくわからない。
「っひ、っふぇ……」
嗚咽も一緒に飛び出しはじめる。
もうイってしまう。
そう思った時だった。
「やめろよっ! いやがってるだろっ?」
頭上から、狼くんの声がした。
同時に、僕の上に被さっていた狐くんの身体が離れる。
「……っつ!!」
狐くんは唇を噛みしめ、僕に目もくれないで走り去っていった。
ああ、どうしてこうなってしまったんだろう。
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