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寮①

「あーっ、起きたぁ?ユーキ君。」 このウザいくらい高くて、語尾がのびぃーた感じは、早乙女凛太郎…。 悪魔三人衆最後の1人。 「げっ…。」 「げってなにぃ…。げってぇ。」 お前はギャルか! ゆる〜い喋り方しやがって。 ってか、なんだそのふりふりの服は! 「お前、なんでそんな格好してんだよ…。」 「え〜、可愛いでしょぉ?」 いや、まぁ、確かに可愛いけどさ。俺と同じくらいの身長だけど、女顔の早乙女は女装が似合う。 ふりっふりのスカートを履いてもなんら違和感がないのが怖い。 でも、昨日のこいつのちんこ、有り得ないくらいデカかったような…。 「あー、今エッチなこと考えたでしょぉ。なぁに?期待してるの?いいよ、こっそりヤっちゃう?」 「いやいやいや、何をだよ。寝言は寝て言え!」 「チェ〜。まぁ、今日はユーキ君にはゆっくりさせてってお達しだから我慢するねぇ。それにぃ、僕のここ、大きいからはじめに挿れたら切れちゃうかもしれないし。」 自然と目線が下に下がる。 昨日の、あれ。服着てても分かる大きさ…。って俺は何を考えてっ。 「クスクス。じゃあ、行こっか。」 「行くってどこに?」 「んー、ここの施設の案内だよ。」 「そう言えばここって…。」 「ここの部屋はユーキ君の部屋だよ。好きに使って大丈夫。」 好きに使ってって、この部屋にはベッドが一つ。 家具とか買わないといけないのか。 「あー、なんか勘違いしてるぅ?」 「勘違い?」 「こっちこっち。」 手招きされ、ドアの外へ。すると、開放感溢れるリビングがそこにはあった。なんとなく、なんとなく、非常に恐ろしいことが思い浮かんだ。 「なぁ、これって…。」 「あの部屋だけじゃなくてぇ、この階全部がユーキ君の部屋だよぉ〜。」 階…。 階っ!? 「はぁ?広すぎだろう!どう考えてもっ!」 「そおかなぁ?普通じゃない?」 これだから金持ちは!俺の家の2倍、3倍、下手したら5倍…いやもっとか…。 1人でこの部屋とかもうなんて言えばいいんだよ。浴室はもちろん、キッチン、収納室、寝室も謎に2個。あとバルコニーもあった。それと家具共に生活必需品も揃っていた。もう俺は突っ込まない。 「基本的にはぁ、シンプルな感じでまとめたんだけどぉ、感じ変えたいときはいつでも言ってぇ。買ってくるからぁ。」 ふと、思い出した。この早乙女という男は、インテリア業界のトップを行く会社の跡取り。 もしかしてこれらのインテリアや家具らは全て…。 いかん、考えるのはやめよう。 かの有名な【サオトメ】は一般ピーポーには絶対に手の届かない代物。考えたらもう俺は生活すら出来なくなる。 「取り敢えず、部屋の案内はしたから他の施設に案内するねぇ。」 「施設?」 「そっ。ここは20階建でぇ、地下は2階まであるんだぁ。取り敢えず、移動しながら説明するねぇ。」 俺がいた部屋は14階。 15階が早乙女。 16階が曽根。 17階が財前。 18階が副会長。 19階が会長の部屋らしい。 まぁ、そこら辺は納得だ。 「因みにぃ、昨日ユーキ君を犯した部屋はぁ、20階ねぇ。あそこは普段はパーティールームとかで使うところなんだけどぉ、昨日は特別ねぇ。」 嫌なこと聞いた。 ってか、聞きたくなかったことを聞いてしまった。 「はい。って事でまずはいっかーい。」

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