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寮③

「それで?他の階には何があるんだ。」 「ええっとねぇ、4階にジムがあってぇ、5階と6階に娯楽室。」 「ジムに娯楽室…。」 「僕はあんまりジムとか行かないけどぉ、よく財君とか菊ちゃんとか使ってるかなぁ。」 財前と副会長…。 確かにぽいな。 2人とも体鍛え上げてるし。 そもそも副会長は武道の達人って聞いたことある。だから俺は副会長だけはまともな人だと思ってたんだ…。 なのに昨日は…。 「それで〜、娯楽室にはぁ、最新のゲームからボードゲームまで幅広くあるよぉ。まぁ、ユーキ君は殆どやったことないでしょ?今度沢山遊ぼうねぇ。」 「そう言えば、なんで娯楽室は2個あるんだ?1つでよくね?」 「あー、それはぁ、前会長の趣味?みたいなものだよぉ。前会長は相当のゲーマー?っていうより賭け事が好きだったんだよねぇ。」 「へー、そうなんだ。」 やっぱり今までの生徒会の人達の痕跡も残ってんのか…。そう思うと、なんか面白いかも。 「それでぇ、7階が茶道室ね。」 「さどーしつ?ああ、茶道室か。えっ、なんで?」 「これも前の生徒会の人の影響かなぁ。確か茶道の家元で、毎日の日課でお茶を作るからって。まぁ、和室ってことで残してるんだよねぇ。」 「ふーん。」 和室かぁ。 結構すごいんだろうなぁ。俺の家も畳だったから和室だと落ち着くかも。まぁ、畳だからってあれを和室と言うにはあんまりかもしれないけどさ。 「ふふふ。8階は図書室で9階はシアタールームねぇ。」 「それはいいな。図書室は有難い。」 「本の数は流石に学校には劣るけどまぁまぁ揃ってるよぉ。もしも無ければ発注してもいいしぃ。シアタールームはそこにいるスタッフに頼めば見たい映画とかテレビ番組とかいつでも見れるから。」 「へー、なら気軽に映画気分に浸れるんだな。」 「そーそー。大きい映像で見ると圧巻だよぉ〜。」 確かに、周りに人がいなければ爆笑しても怒られないし、泣いてても恥ずかしくないな。結構いいかも…。 「10階はBARね。」 「BAR?おいおい未成年だぞ。」 「まぁ、BARって言ってもちょっとした飲み物を飲めるところだって思えばいいよ〜。それにこっちよりスイーツを食べるならそこのがいいかなぁ。」 つまり、主食はこっち。 あとのデザートやらジュースやらはBARの方にってわけか。 臨機応変に使い分けろってとこかな。 まぁ、俺が使いこなせるかは置いといて。 「それで11階から13階は空室ねぇ。」 「空室?なんで?」 「えっとねぇ、来期から入ってくる一年生用にと、留学生が来た時用かなぁ。後は、もしものことがあったように部屋があるんだ。」 そりゃそうか。 今2年と3年しか生徒会にはいないもんな。1年生は後期かららしいし。 ん?そういえば…。 「地下もあるんだよな?なんの部屋なんだ?」 「プールがあるよ。室内プールだから年中入れるんだぁ。」 プール!何それ、めっちゃいいじゃん。プールなんて体育の授業以来入ってないし。 「お掃除してないときはいつでも入って大丈夫だからぁ。あっ、ご飯来たねぇ。」 最後の地下2階のことを聞く前に、ウェイターが朝食を運んできた。

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