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寮⑤

一通り見て回った後、俺は自室に篭った。 本当はやらないといけないことが沢山ある。でも、俺のやる気は今や底辺だ。 掃除、荷解きのカケラもない。ただ、もうこのままでも生きていける気がする。 今まで着ていた制服は新しいものが収納室に掛けてあったからいらない。なんなら、最近流行りの服だって置いてあったし。 私服まで新調させられた俺は持ってきた衣服をしまうと言う作業をしなくても生きれる。 それに加え、教科書や参考書のような学業に必要なものから、スマホやゲーム機などの機械類まで。 俺が持ってきたのは使い古された教科書と参考書、衣服、タオルや下着類。後はお気に入りの本数冊だ。その本も何故か棚に置いてあったし。あと、俺が気になってた本も。 ここまで来ると恐怖を通り越して、関心する。どこでそんな情報得てきたのか。 暇か。 暇なのか。 今の時間は3時ちょっと過ぎたところ。 6時までだいぶある。 そこら辺においてある機械類を触ってみるか。いや、俺は機械類に滅法弱い。 否、正確にいえば使ったことが無いだけだけど。 「うーん…。バイトしなくなると一気にやる事なくなるな。」 平日、休日どちらもバイト、バイト、バイトの毎日。たまに休みの日は勉強か読書をしていた。勿論今も勉強したって別にいい。でも、気分が乗らない。 「あっ、そうだ。風呂…入りに行こう。」 思い立ったら即行動。 確か3階だった筈。 面倒臭いので収納室にあった服を拝借して、エレベーターに乗り込む。 そして、更衣室で素っ裸になってから大浴場に一歩踏み出した。

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