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財前皐③
あれ?
今日俺、まともに扱われてなくね?
車に放り投げられて、ふと思った。
「おい、もう少し丁寧に…、えっ…。」
所謂リムジンという乗り物。
縦長に伸びたソファ。
そこに俺は押し倒された。
果たしてこれはどのような状況なのか。
俺は理解できない。
ふと思い出す光景。
それは一昨日の行為。
あの時とは違う。
けど…。
さっきのあいつらの最後に言った言葉。つまりは、こういう事。
「やだ、いやだ…。」
ふるふると頭を振る。
「やだじゃねぇよ。何年、何年待ったと思っていやがる。」
「は…?」
ガチャガチャとベルトを外され、ズボンを無理やり脱がされる。抵抗してもなんら状況は変わらない。
やがて、下着も脱がされ、財前の指が俺の尻穴に入っていった。この前と同じ違和感。
「ひゃっ…。」
冷たい液体が触れた。とろりとしたそれはローションだと思う。それによって出入りが容易になった俺の中をぐちょぐちょと音を立てて擦る。
「やだ、やだ。うむぅん…。」
俺の言葉を押し返すように財前は噛み付くようにキスをしてきた。舌が入ってくるのを必死で拒んでも、たまにやってくる快楽に負け、口を開いてしまった。
舌で口内を荒らされる。
唾液が混ざり合い、僅かな快楽が積み重なって俺のちんこはだんだんと膨らんで行った。
「一度逝くか?」
「へ?」
ぬっぽりと俺の尻穴から抜いた手で、俺のちんこを擦る。人から身勝手に与えられる快楽に耐えきれず、すぐに射精してしまった。
恥ずかしくて、情けなくて、顔を腕で覆う。
しかし、俺の恥を知らぬのか、また俺の尻穴に指を突っ込んだ。二本三本と、徐々に本数は増え、中で暴れ回る。
そしてついには、財前は己のズボンのチャックを外した。
そこから覗かれる太くて大きな逸物。一昨日の情事では見るのを躊躇ったが、今日は直にそれを見てしまった。
あれが入る。
そんなの、壊れるに決まっている。
「やだ、やだやだ、そんなの入らないっ。壊れる…。」
「この前会長の入っただろ。そうデカさはかわらねぇよ。」
違う。
そういうことではない。
見てしまった故にもう、それは、恐れしかないのだ。
ぶんぶんと頭を振る俺の頭を掴み、また唇を押しつけられた。でも、今度は噛み付くようなキスではない。暖かくて酷く優しいキスだ。
「大丈夫だ。」
なんでそんな優しい声を出すんだ。脚を開かれ、その間に割り込んだ財前はそのままもう一度ローションを垂らし、自分のモノを俺の中に挿入した。
ズップリと挿れたそれは無理に押し付けられることはない。優しく丁寧に、それでも奥へ奥へと。
「おら、全部入ったぞ。」
違和感が拭えないそこには確かに挿入されている。ただ、無理に出し入れはされない。慣れるまでじっくりとそこにいた。だんだんと落ち着いてきたその時、じゅぷりと抜かれた。
「うえっ?」
「動くぞ。」
いきなりだった。
その後は出し入れの往復。
未だに尻では快楽を拾えない俺を見兼ねたのか、ちんこを一緒に擦ってくれた。
だんだんと気持ち良くなってきた俺はその後、簡単に果てた。
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