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曽根柾斗③

外の明るい光が室内に入ってくる。 ドアの前には人影が。 「そ、ね…?」 強張っていた顔が緩む。 助かった。 そう確信した。 のに…。 「結城君、大丈夫?」 「助け…。」 「うん、助けてあげるのはいいけど、俺に何してくれる?」 「は?」 「人に何かを求めるのに対価なしは非常識だよ。」 対価って…。 俺は曽根に与えられるようなもの持ち合わせていない。 一気に絶望する。どうする、どうすればこの最悪な状況から抜け出せる? 「簡単だよ。身体を開け渡せば良い。俺はみんなと違って合意なしで無理やりは嫌いなんだよね。」 そんなの同じじゃないか。 無理やりされるのと、脅されて合意するの。 「3人に無理やりヤられるのと、俺に優しくされるの、どっちがいい?きっと、あいつらが結城君に手を出したら、血だらけになるだろうね。それに、見境もない。わかるよね?どっちの方が選択肢としていいのかくらい。」 「…けて。」 「ん?」 「助けて、ください…。なんでもするから、助けて…。」 「うん、いいよ。ってことで、どうなるか分かってるよね?」 男どもが震え上がる。 その後はあっという間だった。 男たちは簡単に倒れ、地面に這いつくばる。だいぶ殴られていたが、意識は失っていないようだ。意識を失っていた方が楽であろうに。 「さて、結城君、やろうか。」 「は?何を…。」 「何をって決まってるでしょ?結城君、媚薬飲まされてキツいし、早いとこここで一回やっちゃおう。」 「ここでって、そんなの…。それに、あいつらだって見てる。」 「見せつけるんだよ。見られながら喘ぐ結城君を俺は見たい。それに約束したでしょ?助ける代わりになんでもするって。嘘ついたの?」 「だって、そんなのって…。」 「ふーん、なら、やめる?でも、それじゃつまんないか。そうだ、全校集会の時にみんなの前でやってみる?」 「そんなのもっと嫌に決まってんだろ!」 「それじゃあ、分かるよね?」 …っ。 なんだよ、曽根が1番マシ? 誰だよそんなこと言ったの。 こいつが1番やばい奴じゃないか。 涙が止まらない。 恐怖と快楽が鬩ぎ合う。 ここから逃げ出せる手立てはない。 「ほら、脚を開いて。大丈夫。気持ち良くしてあげる。」 ごくりと唾を飲み込んだ。

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