「おいっ、それより新歓で何するか考えとけよ。」 「何するって、立食パーティーじゃないのか？」 「去年と同じことするのはねぇ？」 「立食パーティーしないのか…。」 美味しいもの食えなくなるな。去年は初めて大トロとローストビーフ食べたんだよな。 「去年はぁ、ユーキ君最後にパックに詰めて帰っていいですかって聞いてたよねぇ？あれほんとに面白かったなぁ。」 「あれはっ、だって母さんにも食べさせたかったし…。残ってたからちょっとくらいいいかなって…。」 「でも、今はいつでも食べられるでしょ？ほらっ、レストランでウェイターに言えばちゃんと作ってくれるよ？」 「俺だけ旨いもん食っても悪いだろ…。」 「ならぁ、今度は手土産持ってってあげればぁ？ユーキ君のお母さんはぁ、甘いものすきぃ？」 好きか嫌いでかいえば好きだろう。 自分ではあまり買わないけど、俺が母さんの誕生日に小さいケーキ買って帰った時、凄く嬉しそうに食べてたし。 「それならぁ、僕が有名なケーキ屋さん紹介してあげるぅ。また、デートしよーね？」 気持ちはすげぇ嬉しいし、母さん喜ぶならいいかと思うけど、デジャヴ感溢れるのは何故だ。 カフェ、デート、そして早乙女。 うん、飲み物には気をつけよう。 「まっ、取り敢えず放課後にね。」 嵐が去り、俺は思考を巡らす。 新歓。 新歓かぁ。 やっと使い慣れてきたスマホで調べる。うーん、山手線ゲーム？ジャンケン列車？ビンゴ。レクリエーションで調べたものの微妙。 ってか何というか、このお坊ちゃん学校でやることじゃないのか…。 いろいろと調べたものの、成果はなし。何故か調べすぎて鬼ごっこっていう検索まで出てきた始末。 鬼ごっこってなんだよ。 全校生徒でできるかよ。 ってか、やっぱり鬼ごっこってなんだ。 想像がつかないまま放課後になった。