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男の娘の魅力②

俺と早乙女以外の靴音にびくびく怯えながら、早乙女の部屋へと向かった。曽根やら財前やら見られたら絶対笑われる。それだけは阻止したかった。 無事早乙女の部屋に着いた時の安堵感は半端なかった。そして、俺が怯えながら歩いていることを横でにやにや笑っていた早乙女はいつかやり返してやる。 さて、早乙女の部屋はファンシーな物でいっぱいだったわけだが、寝室に案内させられることもなく、その場で気絶させられることもなく、リビングのソファに腰掛けるよう言われた。 机に紅茶を置き、大型テレビの電源をつける。 「何見たい〜?」 「は?」 「お部屋デートといえば映画鑑賞でしょお?何もしないから安心して?」 紅茶も何も入ってないから。恐る恐る飲む。確かに眠気も体調の変化もなかった。 「ね〜?」 本当に何もしないのか。いや、もしかしたらAVでも見せられるかも…。なんて考えていたが、予想を反してただのラブストーリーだった。 欧米の女の人と男の人。 2人の人生を描いた物語。 映画なんて殆ど見たことないから物珍しく、ストーリーにのめり込んでしまった。 ラスト30分くらいだろうか。紆余曲折ありながら何とか結ばれた2人のラブシーンに突入。結構生々しい。豊満な胸が揺れ、それを見た主人公の男が挿れる仕草を見せた。 「うわっ…。」 もちろん、きちんとした映画。 AVでもないのだから、乳首もちんこも姿を表すことはない。でも…。ごくりと喉を鳴らす。 「ユーキ君、どうしたの〜?ただのラブシーンだよ。妄想しちゃったぁ?」 「ちがっ。」 「仕方ないよぉ。だってぇ、男の子だもんね。勃っちゃっても仕方ない。」 ズボンを見ると確かにふっくらと勃ちあがっていた。 「どうしたのぉ?僕、なぁにもしてないよぉ?」 分かってる。 今回は本当にこいつは何もしていない。 俺のが勃ったのも自己責任だ。 でも、だって、仕方ない。 あんな生々しいシーン見たことないんだ。

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