83 / 136
媚薬の酒⑥
目が覚めたら知らない天井。
酷く頭痛がして気怠い。
そして、尻と腰が異様に痛い。
俺はこの感覚を知っている。
そう、知っている。
つまり、そう言うこと。
「うがぁぁぁ。」
昨日の記憶は会長と財前と飲んでいる途中まで。俺は昨日どちらかにお持ち帰りされてしまったのだろう。いや、もしかしたら2人と同時にやった可能性も…。
「何唸ってんだ。」
現れたのは財前の方。
「会長は…?」
「あ?お前とヤるだけヤッて帰ったよ。」
その言い方は2人と…。
いや、あえて聞くまい。
「ほらっ、これ飲んどけ。」
「味噌汁。財前が作ったのか?」
「んな訳あるか。」
その割に耳が赤いけど、まぁ気にしないでおこう。温かいその味噌汁は、どこか懐かしくて温かい素朴な味だった。
「最近、お前優しいよな。」
悪魔三人衆と呼んでいたが、その1人だとは思えないくらい最近優しい気がする。
「ふっ、そう思うか?」
「えっ、ああ。」
ふらっとこちらに寄ってきて、空になったお椀を取り上げる。そのまま吸い付くように俺の唇に触れた。呆然としている俺に今度は耳元でふっと息を吐いた。
「昨日は自分から誘ってきたくせにそんくらいで感じんな、淫乱。」
「なっ!」
「おらっ、部屋戻れ。」
蹴り飛ばされる形で部屋から追い出された。痛む腰を撫でて、立ち上がる。
そう言えば、ここ最近で他の生徒会メンバーの印象も劇的に変わった。なんだかんだ言って優しかったり、何気に励ましてくれたり。
…あれ?絆されてる?いかんいかん。
気をしっかり持て。
明日から学校。
気を引き締めていこう!
ーーー
ここまでお読み頂きありがとうございます。
察している方もいるかと思いますが、ストックが切れてしまい、以前のようなペースでアップするのが難しくなりました。
構想は出来ていますので、完全にストップするわけではないのですが、不定期更新にはなるかと思います。
大変申し訳ありません。
今後ともお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
ともだちにシェアしよう!