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愛の証明③
告白された。
いや、告白は別に初めてじゃないんだけど。
あんな真面目に言われたの初めてで、なんかよく分からない感情がぐるぐると腹の中で疼いている。
「っていうか、優勝って、副会長なら余裕なんじゃないのか…。」
「そうでもないよぉ〜?」
「でたっ、早乙女。」
「出たってなにぃ。もぅ。優勝って来週ある柔道大会でしょ?菊ちゃん万年2位だったんだよねぇ。」
「万年2位?」
初めて聞いた…。
武道の中でも柔道が1番得意だって聞いてたから勝手に大会でばんばん優秀してるもんかと…。いや、そもそも準優勝でも凄いんだろうけど。
「昨日は柔道部の部長あった?」
「まぁ…。」
「それそれ。あの巨体が実は優勝してるんだよぉ。菊ちゃんより強いってもう化け物だよねぇ。」
早乙女はけらけら笑う。あの部長がまさかそんな強いだなんて。確かに強そうだったけど。
じゃあ、負ける可能性も充分あるってこと。
…なんで俺、こんな残念がってんだよ。
「菊ちゃんに賭けでも出された?勝てたら何かしてって?」
「別に…。ただ、信じてくれってさ。」
「ふーん。さすが菊ちゃん。男前〜。僕たちと考え方が違うなぁ。でもぉ、ユーキ君。
…僕らも本気だってこと忘れちゃダメだよ?
さっ、お風呂お風呂〜。」
ぞくりと身体が震えた。
本気か…。
副会長がもし、優勝したら、信じられるのかな。
そんな単純なわけないだろ…。
掌を見つめる。
好きだ、愛してる。
そんな言葉はいつか流れていく。
父さんだって同じだった…。
その言葉を簡単に信じられるほど、単純じゃないし、子供でもない。
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