105 / 136

準備とコスプレ③

くそぅ…。泣きながら俺は服に着替える。下はスースーするし、なんか丈短すぎないか?鏡がないから姿を確認できないけど、絶対似合ってない自信がある。 いつの間にか置かれていたカツラをかぶり、ドアを開ける。もうここは堂々と行ったれ。そうだよ、堂々とした方が恥ずかしくない! 「どうだ!このやろう!」 バンッ 思いっきりドアを開けて、胸を張って飛び出した。呆気にとられる早乙女。してやったり。 「えー、何その面白みのない登場の仕方ぁ…。そして相変わらずあんまり似合わないねぇ〜。」 「うっせ。お前に何かを言われる筋合いはねぇ!」 「菊ちゃんはどう思う〜?…うわぁ。」 早乙女の反応。引き気味の顔。いや、分かるわ。そんな顔になるの。 イケメンな副会長の鼻から赤い血がつまり鼻血が垂れていたらそりゃあそんな反応になるわ。 「副会長…、鼻…。」 「っ、すまない。」 「菊ちゃん相変わらず、むっつりだなぁ。」 ティッシュを差し出し、鼻を拭くように伝える。まさかこの俺を見て鼻血を垂らすとは思わなかった。 「ユーキ君、ここはサービスしてあげた方がいいんじゃな〜い?」 「サービスって?」 こしょこしょと耳打ちされる。なるほど。 「ってそんなこと言えるか!」 「えー、じゃあ。んー、言ったら脱いでいいよ。」 「本当か?」 「うんうん。早く言った方がいいよぉ。柾君とか夕方には帰ってくるみたいだし。その姿のままだと、恥ずかしい事たくさんされて、その上でもっと恥ずかしい言葉言わされるよ〜。」 む…確かに。 曽根はだめだ。 それに早くこの服も脱ぎたいし…。 副会長に近寄り、目を合わせる。少し上目遣いになりながら、俺は先程早乙女に指示された言葉を言い放った。 「ご、ご主人様。ゆうきになんなりとお申し付け下さい。ご主人様の為なら、何でもします…。」 うわぁぁぁ…恥ずい恥ずい恥ずい。副会長ひいてるだろ、これ…。 「ってうわぁぁぁ!副会長っ!お、おろして。」 副会長が無言で俺を担ぎ上げる。 まさかこのパターンは…。 いやいや、そんなことはないよな? 「おいっ、早乙女!助けてくれ。」 「さっさっ、えっちしよーねぇ。」 えっちしよーねじゃなぁぁぁい!

ともだちにシェアしよう!