113 / 136
ホラー映画鑑賞会②
以下、映画の内容である。
『アンは家族と一緒に別荘へ来ていた。
管理人の子供のシーナと仲良くなったアンは2人で楽しく遊んだ。そこで不思議な絵日記を見つけた。女の子2人が遊んでいる日記だ。アンはまるで私たちだと笑った。
その夜、変な夢を見た。
絵日記に描かれていた女の子が絵日記を指差している夢だ。
不安になったアンはシーナに相談した。すると、シーナはもしかしたら呪いの日記だったのかもしれないと告げた。曰く、この別荘にはごく稀に日記を見つける人がいるらしい。その人は必ずどこかへ消えてしまうらしい。
シーナは泣きながら告げた。
アンも怖くなり、家族に訴えた。
しかし、子供の戯言だと信じてくれない。
アンはその場で立ち尽くす。するとシーナがどうにかなるかもしれないと顔面蒼白のまま言った。どうやら、絵日記に続きを描けばいいらしい。そして、絵日記の通りに過ごす。それだけらしい。
アンはその夜に絵日記を描いた。簡単に外で遊んだとだけ。
しかし、翌日は生憎の雨だった。雨が激しく降り、絶望するアン。そこにシーナが来て、手を引っ張った。
一緒に助かろうと言うシーナ。
アンは大きく頷いた。
大雨の中、アンは外で遊ぶ。そして、雨が上がった。別荘に戻ったアンは両親にこっぴどく怒られた。しかし、アンの表情はどこか晴れやかだった。
そして、アンの夏は終わった。帰る寸前、管理人が見送りに来てくれた。シーナの姿はない。不思議に思い、管理人に尋ねた。管理人は言った。私に娘はいないと。アンはその場で固まった。
じゃあ、シーナは?
シーナはどこへ行った?
別荘に走る。
机の上にあの絵日記が置かれていた。それを見つめる。恐る恐るそれに手をかける。ページを捲る。心臓の音がやけに大きく聞こえる。音が激しく高鳴る。絵日記の最後のページ。
シーナがいた。
血だらけのシーナが。
ヒヤリとした風が通り過ぎた。
アンは恐る恐る後ろを振り返った。』
「ぎゃーーー!」
エンディング。
しっかりと俺の目には血だらけのシーナが映った。目に涙が溜まる。
「まぁ、想像通りだったな。」
「確かに。分かりやすいエンディングだったね。でも、これが公開されたのだいぶ昔だったみたいだから、先生が言っていた通りの評価はあってもいいのかも。ユーキ君はどう思…。」
にたぁと笑う顔。
ピリピリと背中に電流が走ったように感じた。
「涙目だよ、結城君。」
「う、煩せぇ。」
「お前、怖いのか?」
「こ、怖くない。」
2人が顔を見合わせる。
にたぁ…。
ある意味血だらけの少女より怖い顔。
ガクブル震える俺。
「結城君。」
「なんだよ。」
「安心してよ、今日は何もしない約束だったから。結城君がお願いしない限り何もしない。」
「あた、当たり前だろ!」
「さっ、一本見終わったところだし、部屋戻ろうか。」
「もう、帰るのか?」
しまった…。慌てて口を塞ぐ。
「なんだ、結城こえ〜のか?」
皐が笑う。
ついでに柾斗も笑ってる。
俺は1人カタカタと震えていた。
「別に怖くない!」
「なら、いいだろ。戻るぞ。」
ともだちにシェアしよう!