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夏合宿⑭

「ひゃっ!ちょっ、楓さん…?」 「甘いね。」 そりゃアイスですから。なんてツッコミはもちろん言葉には出さなかった。というより、楓さんが何をしているのか瞬時に理解が出来ず、ただ口が空いた。 「楓さん!汚いですよ!」 「ふふ、でも舐めないと溢れてしまうよ?」 俺の腹から零れ落ちそうなアイスを舌で掬って舐める。舌先が肌に触れ、普段は感じない腹も敏感に反応する。びくりと身体が跳ねた。 「結城はお腹も性感帯なのかな。」 「なっ!んなわけ」 「でも少し反応してる。」 先程まで甘い空気なんてなかったのに、腹を舐める楓さんを見て、じくりと下半身が熱くなった。 「結城はこの合宿で僕以外の人間に身体を預けただろう?それなのに、僕とはしてくれないのかい?」 「ちがっ!」 「なら、いいだろう?」 楓さんは俺の指を舐め、海パンの隙間から指を入れた。指を舐められるなんて早々ない。だからか酷くモワモワと身体の奥が発熱した。 楓さんが俺のちんこを握り優しく形をなぞる。すぐに先走りが出たのがわかる。なぜだろうか、何度と外でしてきたのに、今まで以上の背徳感を感じる。 「楓さん…、もう舐めないで。」 「擽ったい?」 「なんか、変な感じ。だから、やめて。」 ザーッと海の音が鳴る。にこりと笑った楓さんに俺は頬を染めた。 「結城、抱いてもいいかな?」 「楓さんっ…。待って…。」 「待ってってことは、時間が経てばいいんだね。」 あっ…と思った瞬間楓さんは指を舐めるのをやめた。そして、海パンの中を撫でる手も同時に止まった。 「楓さん…。」 「いいよって言うまで待ってるね。」 ジッと見つめて微笑んでいる。ごくりと唾を飲み、楓さんを見つめた。熱が籠る。外には決して放出されそうにない。涙目で楓さんを見つめるが知らんぷりをして海を見ている。俺は楓さんが着る上着を掴み、顔を埋めた。 「結城君?どうしたの?」 「お願い、して下さい。」 「何を?どうするんだい?」 「俺の中に楓さんのお…ちんちんを挿れて掻き回して下さい。」 「ふふっ、僕はそこまで破廉恥な言葉を望んではいなかったけど、柾斗の教育のせいだね。仕方がない。」 楓さんは微笑みを浮かべたまま俺を膝の上に乗せた。 目と目が合わさる。 その瞳に映る自分は酷く情けない顔をしていた。 まるで早く欲しいというように。 とろんと惚けていた。 そんな自分を見たくなくて、楓さんの胸に顔を埋める。硬い胸元だ。 「結城、君の可愛い顔を隠さないで。」 「見たくない。」 「僕の顔を?」 「自分の顔!」 「瞳に映る自分に羞恥を感じるとは…。君は本当にかわいいね。いいよ、隠してあげよう。僕の瞳に君が映らないように。ほら、こうして。」 顎を持ち上げられ、キスをする。同時に挿入ってくる楓さんのモノ。声にならない声が響く。 「ひゃあ…。」 「結城、口を離さないで。ほら、また瞳の中の君が見えてしまうよ。」 ふと映る自身の姿、目を瞑り楓さんに口付けする。今度は深いキス。舌が絡まり唾液が口から溢れる。自然と楓さんの肩を掴んでいた指に力が入る。 「結城、首に手を回して。」 言われた通りに、首に手を回した。肌と肌がさらに合わさる。 「んっ…、結城締めると出てしまうよ。」 「だって、なんか、恥ずかしいし。」 「ふふ、海でこんなことをしてしまうのは背徳感があるね。でも、そろそろ結城も我慢できないだろう?ほら、自分で動いて。」 「なっ…、そんなこと…。」 「自分で挿れてほしいと強請ったのだろ。腰を浮かして。ゆっくりでいい。腰を動かすんだ。」 ふぅと息を吐いて、腰を動かす。だけど、普通の騎乗位とは違って腰を振りにくい。早く気持ち良くなりたい。それだけが頭をいっぱいにさせた。 「あんっ…あっ、あっうっ…あんっ!んん!かえで…さん、もぅ…。イきたい!イきたい!」 「はぁ…、僕もそろそろ限界かな。結城は対面座位でもイけるなんて本当に淫乱だね。」 「たいめ…?」 「ふふっ…、ほら、結城力を抜いて。腰はそのままで。僕も君のここを気持ち良くさせよう。」 楓さんが俺のちんこに触れる。その瞬間稲妻が走るように刺激が走った。 「か…えでさん、むり、もう、イく!」 「んっ…、結城締め付けないで…。僕ももう…。」 楓さんの手はそのまま、俺は楓さんに足を絡め勢いよくイッた。白濁の液が飛び散る。楓さんの腹にもべったりとついてる。顔が真っ青になる。 「す、すみません。」 楓さんは自分の腹を見たかと思うと指で精液を掬った。キョトンとした顔。珍しく呆けた顔をしたかと思えば、ドロリとついた精液を口に含んだ。真っ青だったはずの自分の顔がさらに青褪めるのを感じた。 「か、か、か、かえで…さ…ん……。ペッて、ペッてしないと!」 「あまり美味しくないね。」 「当たり前でしょ!お腹壊したらどうするんですか!」 「そのときは結城が僕の看病をしてね。」 あまりに穏やかに笑うものだから、俺は見惚れて、そしてもう何も言えなかった。 俺は忘れていた。 この関係があと半年しかないことを。 いや、俺はさっき話した一つ一つの言葉を忘れようとしたんだ。まだ、もう少し、もう少しだけこのままでもいいかもしれないと思ってしまったから。

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