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8・年の瀬-3

 ――その日はそれから三回した。 「あ、ぁん! ぐれ、ぐれんっ」 「……はぁ、くぅっ、冬弥……っ!」  三回した日の次の日だから、多分、大晦日……だと思う。抱きしめたまま腰を振る紅蓮に思うがままゆっさゆっさ揺さぶられながら、気持ちよさを逃がそうと振った首がふと床の上へ向いて止まった。コンドームの空袋と、白濁液が括られているたぷっとした使用済みコンドーム。六つもあった。また昼間からしてる。まだ昼間なのに、こんなに。とはいえ四つは僕のぶんだ。僕の出した精液があんまり僕らの体やベッドを汚すものだから、今日は僕のモノにもコンドームが被せられている。紅蓮と僕の体の間で擦れている僕のモノは、使いもしないしもう四回もイってるのに痛いほど勃起してぷるぷる揺れて二人の体に擦れて当たって、わざわざ触らなくたってたくさん気持ちいい。 「なぁに見てるんだ、余裕だな?」  床の方へ視線を向けてた僕の顎を持って、自分の方へ向かせる。汗をかいた紅蓮の顔が間近にあって牙を剥くように笑って、その顔を見るだけで、 「んんっ、……ぁ、」  お腹の奥がきゅんきゅんして、僕のナカは勝手にうごめいて、くっきり分かる紅蓮の熱くて大きいのをときゅうきゅうと搾り取ろうとする。 「くぅっ……このっ」  紅蓮は顔をゆがめて快感をこらえるようにして、まるでおしおきのような勢いで、また激しく腰を打ちつけはじめる。 「――ふあっ! ……ぁ、あッ! んぁっ」  太くて固いカリが前立腺をごりっと押し上げて内壁をわりひろげ奥の奥をずんと突く。と勝手に喉から声が漏れてずんずんずんと絶え間なく突かれ気持ちよさが体中にじんじん響いて頭がぐるぐるしていっぱいになって、 「ぐれ、んまって、はげしっいぃっ」 「冬弥、すげぇかわいい、好きだ、好きだ……っ」  僕の制止など聞こえちゃいない紅蓮は僕を抱きしめるようにして動物がするみたいに無我夢中で腰を振り続けて、 「だめっもう、もうや、やだっ、いっ、イッ」  ――目の前がチカチカして、内ももがガクガクして、頭真っ白になって。びりびりしびれるような快感が駆け巡って今日も紅蓮の腰に巻き付けてる脚をぎゅうっとしてしがみついて、 「――い、いっいってる、から、ぁっあっ、……~ッ!」  しがみついた腰がばんばん突き続けて止まらなくて、へんだ、寄せたら返っていくはずの絶頂の波が止まらない。  四回目まで勢いよく、威勢良く精液を吐き出して終わっていた僕のちんこが、紅蓮に突かれるのと同じリズムで、とろ、とろっ、と白い粘液を垂れ流している。出終わらない。絶頂の快感が終わらない。 「ひ……、きもちいっの、とまらな、ぐれ、ひっう、おかし、あ、ぁ」 「悪い、もうちょっと……!」  がつがつと突き続ける紅蓮の動きがいっそう速くなってくる。恥ずかしい水音がぬぽぬぽぐちゅぐちゅと響きつづけ僕はもう、どんなはしたない声で泣きわめいていたかも分からない。イキつづけている僕のちんこがどんなにかわいそうに精液を吐き出しているかこいつ知らないだろう、だってゴムの中だから。あとで文句を言わないと、と思いつつ、きもちいい、以外のことが、何も分からなくなって。 「……く、ぅ……ッ!」  ――どく、どくっ、とたくさん精を吐き出しているのが、ゴム越しでも分かる。毎日何回もヤッてるのに減らないし薄まらないのが不思議だ。  セックスが一段落すると、動けない僕の体をきれいに拭いて、それから決まって抱きしめる。抱きしめて横になって、愛おしげな顔をして、よしよしと頭を撫でてくれる。僕は紅蓮の胸に顔を埋めて、目をつぶって、紅蓮の温度や匂いや手の感触に心を澄ませる。そうしている間にうとうと眠りに落ちていくのが、いっとう幸せ。

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