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第25話 我慢してたんだ

 家に帰ると、物置の扉が開いている。  ダイヤル錠の本体がなくなっていて、無理にこじ開けられたようではなかった。  貴樹は、物置の脇に放り出されていた父親のゴルフクラブを握り、扉の陰に身を潜めて薄く開いた隙間から中を覗いた。  紙焼きにした後、ロープに留めていた数十枚の写真の奥で大きな影が動く。ゴルフクラブを握る手に力が入った。踏み込もうと覚悟を決めた時、写真でできた万国旗を潜るようにして影が姿を現した。  「俊介ッ!」  ライトグリーンのジャージ姿の俊介が、ロープにはためく自身の白黒写真の前に立っている。写真から抜け出した実物が鮮やかな色を纏ったかのようで、一瞬、現実と妄想の区別がつかなくなり、貴樹は目眩を起こしそうになった。  「タカちゃん。……ええーっと、この写真、全部、俺なんだけど……」  戸惑っている様子の俊介に、貴樹は困惑した。言葉を誤れば、幼馴染の関係でさえここで終わりかねない。  「そ、それはさあ、露光の時間を変えて現像のテストをしてただけで……。白黒のバランスを見たかったっていうか……。ほら、俺、写真、独学だから、いろいろ難しくてさ。もう、トライ&エラーっていうの? とにかく数やらないと、コツが掴めなくてさ。だから、別に、その、写真自体に意味は全然なくて……。だから、俊介がどうとかってことじゃないから……」  言い淀む貴樹を怪訝そうに見ていた俊介が、突然、「そうか」と納得する。  「テストでも何でも良いよ。その間、タカちゃんは俺を見ててくれたってことだもんな」  うまく誤魔化せたのかどうか自信はなかったが、俊介が笑顔を取り戻してくれたことに貴樹はひと安心した。  「それより、お前、何でここにいるの?」  「何でって……タカちゃんが、呼んだんだろ? 旭が、タカちゃんに伝言頼まれたって、鍵の番号、教えてくれたんだよ。俺の誕生日だったから、それも驚いたんだけどさ」  旭の奴、いつの間に番号までッ!  「そ、それは、セキュリティーのためだからな。身内の誕生日とかだと万一ってこともあるから俊介の誕生日にしただけで、特別な理由なんて、ホントーッに何もないから」  苦しい言い訳だった。  「お前、旭にかつがれたんだよ。俺、そんな伝言、頼んでないから。ッつーか、旭の奴、何でそんなこと言ったんだろ。今日くらい、ゆっくり休みたいだろ。なのに、おかしなイタズラして、しょうがないよな。どうせまた、ずっとお前にくっついて回ってたんだろ。お前も、迷惑ならそう言えよ。あいつだって、もう高校生なんだからさ。俊介、いつまでも甘やかしすぎなんだよ」  窮地に追い込まれて、妙に饒舌になる。  「ああ、それは多分、旭なりの謝罪かな」  「謝罪? どういうこと?」  「うーん。……皆、大人になったってことかな」  俊介が返事をはぐらかそうとしているのが、貴樹にも解った。  予選会の後、暫くして応援席の裕子たちと合流した俊介は、「今日は思いっきり食べようよ」と元気付ける彼女たちを先に返し、「話がある」と旭を引き止めた。  「例の、返事のことなんだけど……」  俊介が言いづらそうに切り出す。  「もう、シュンちゃん、遅いよぉ」  旭はわざとらしく媚びてみせた。  「俺の部活を応援するために来てくれたって言ってたからさ。そういう話は、引退が決まってからしたほうが良いと思ったんだよ」  「ええーッ。そんなこと考えなくても良かったのにィ。もう待ちくたびれたよぉ」  旭は俊介の両手を取って、左右に振り回す。嬉しそうな仕草に、俊介は焦った。  「ごめん、旭。違うんだ。俺……」  「解ってるよ。どう断ろうか、考えてたんでしょ」  手は握ったままだったが、旭の口調は冷めていた。  「そんなこと、初めから解ってた。シュンちゃん、僕が隣にいるのに、全然見てくれないんだもん」  「そんなこと……」  俊介は、否定できなかった。  「シュンちゃんが返事を引き伸ばすから、ずーっと好きなフリしてなきゃいけなかったんだよ」  「ごめん」  わざと頬を膨らます旭に、俊介は謝るしかない。  「ウソウソ。本当はさ、子供の頃みたいに、ずっと一緒に連んでいられたらいいなあって思っただけ。でも、一緒にいるうちに、僕とタカちゃんを見る目が全然違うことに気づいて、急に寂しくなってさ。最初は、離れてた時間が長かったからなんだと思った。だから、とにかくシュンちゃんの傍にいようとしたんだ。だけど、違ったんだよね」  旭の口から貴樹の名前が出たことに、俊介は困惑した。断るからには明確な理由を話さなければならないと覚悟はしていたが、その人の名前まで明かすつもりはなかった。  「シュンちゃん、覚えてるかな。最初にお弁当を作って行った時、玉子焼きを食べて、『これ、タカちゃん家の味だな』って言ったでしょ」  「言った、かな……」  「僕が作った弁当だって言ったのに、シュンちゃん、断言したの、嬉しそうに笑いながら。まともに会ってもいないみたいなのに、いつもタカちゃんのこと意識しててさ。卵焼き一つでタカちゃんのこと思い出すなんて。そういうの、すっごく傷つくんだよ。僕、メチャクチャ悔しくて、僕の方を振り向かせたくて、それで皆の前でコクったんだ。後でタカちゃんに叱られた。シュンちゃんに迷惑かけるなって。だから、シュンちゃんのことは好きだけど、ほとんど勢いっていうか、タカちゃんへの嫌がらせっていうか……ごめんなさい」  「そう、か……」  「ああッ!」  しおらしくなったと思った旭が、急に声を上げる。  「何ッ?」  「今、タカちゃんのこと、考えたでしょッ! タカちゃんは、どうして怒ったんだろうって」  旭の感の鋭さに、俊介の表情は固まった。  「シュンちゃんの場合はさ、僕のとは違うんでしょ。タカちゃんを意識してるのは、幼馴染だからっていうだけじゃないよね、多分」  『好き』という感情を正確に分類することは難しい。  幼馴染としての情愛か、別の関係性を望む恋慕か、共に成長してきた同性に対する肉体的好奇心か。それとも、もっと適した言葉があるのか、俊介には答えられない。  ただ、中学で道が分かれ始めてから、貴樹がそのまま離れて行ってしまうことが不安だった。何としても繋ぎ止めたいと思っていた。  素直じゃなくて、大人びた振る舞いで素顔を隠そうとする。その本心が時に見えなくなっても、自分だけは想い続けていようと思った。『好き』という気持ちの正体が今はまだ判らなくても、離れずにいれば自ずと答えは出る気がしていた。  「ああー、もう良いよ。質問した僕がバカでした。タカちゃんのこと考えるなら、僕がいない時にして。じゃあね」  一向に答えが出てこない俊介に業を煮やし、旭が背を向ける。そして、何かを思い出したとでもいうように振り向いた。  「……そういえば、タカちゃんに伝言頼まれてたんだ」  旭は、ダイヤル錠の番号を教え、物置で貴樹が待っていると言った。  「本当は、返事なんて、ずーっと聞きたくなかったよ。シュンちゃんが返事しなければ、もっともっとこのままの関係でいられるんじゃないかって思ってさ。……ちょっとだけ、タカちゃんの気持ちが理解できちゃった」  「えっ、どういうこと?」  「シュンちゃんてば、タカちゃんの名前に反応しすぎッ! もう、二人で勝手にしてよッ」  足早に立ち去る旭の後ろ姿を見送って、俊介は、その足で貴樹の家の物置に直行したのだった。  「なあ、タカちゃんって、今、どんな子と付き合ってるの?」  旭のことを話していたはずが、俊介は突然、貴樹へと話題をふってきた。しかも、彼女がいる前提の質問になっている。  「付き合ってないよ。って言うか、付き合ったことないよ、誰とも。お前みたいにモテないんだよ。言わせるな」  「隠すことないだろ。このあいだ惣菜持って行った時、玄関に置いてあった靴、あれ、おばさんのじゃないだろ。デザインが若かったし、ちょっとデカかった。それに、台所の方から若い女の子の歌声が聞こえてきてた。孝介も、タカちゃん家に女の子が来てるって言ってたし……。もしかして、俺には紹介したくないとか?」  俊介の誤解の原因が自分にあることに、貴樹は唖然とする。  「ああ、いや、それは、ええーっと……」  「ごめん、いいんだ。無理に言わせたいわけじゃないから。ただ……」  ダメだ。ここはきちんと説明しないと、本当に引き返せなくなる。  貴樹は、慎重に言葉を選んだ。  「悪い。俺、俊介に嘘ついてたことがあるんだ。あの女物の靴、母さんのじゃなくて、旭のなんだよ。あいつ、転校してきた日から、ずっとウチから学校に通ってたんだ」  「えッ? だって、俺、旭を駅まで送って……」  「俺が、同居してるの内緒にしとけって言ったから、あいつ律儀に約束守ってたみたいなんだよね。ほんと、悪い」  「学校で俺が旭のこと紹介したら、タカちゃん、驚いてたよね」  「だから、ゴメンって」  「何で? 俺にまで内緒にすることないだろ」  「いや、だって、最初は晶だと思ってたからさ。あっ、妹の方ね。女の子と住んでるなんて知れたら近所の噂になるだろうし、絶対誤解されるだろ。それに、後で旭だって判ったけど、ウチに住んでること、俊介に教えてもいいって言えば、あいつ、お前に一日中くっついて回ると思ったからさ。デートしようとか、一緒にメシ食おうとか、今だに甘えたい放題だもんな。学校から帰ってきてからも待ち構えられてたら気が休まらないだろ、もう子供じゃないんだからさ」  「タカちゃん……」  俊介が、何かを確かめるように、貴樹の顔を真っ直ぐに見つめる。  「もしかして、旭が俺と一緒に居るの、気に食わなかった?」  「そ、そんな訳ないだろ」  「子供の頃もさ、俺が、旭と晶の面倒を見てると、よく一人でどこかに行っちゃったよね」  「別に、お前があいつらをかまってたからじゃないよ。俺は、別の遊びがしたくて……」  「ウソ。あいつらが引っ越して来て直ぐの頃にさ、一緒にゲームするの嫌だって言って、公園に逃げたことがあっただろ」  「だから、逃げたわけじゃ……」  「俺、あいつらを直ぐに家に帰して、タカちゃんのことあっちこっち探し回ったんだよ。そしたら、タカちゃん、滑り台のところで泣いててさ……」  貴樹の胸の鼓動が早くなる。俊介が核心に触れてくれるのを密かに願った。  「『シュンちゃんは、ボクとアサヒたちとどっちがだいじ?』って、聞いたよね」  「そんなこと、俺、言ってない、だろ……」  それは記憶から完全に欠如していた。だが、その後のことだって、あやふやなのだ。どこまでが事実で、どこからが妄想なのか……。  「言ったよ。それで、俺が、『タカちゃんに決まってるだろ』って言ったら、『ショウコは?』って……。覚えてない?」  「お、ぼえてない……」  「俺が、ショウコを見せたことも?」  「お、ぼえて……」  その証拠というのが、キスなのだろうか。ということは、実際に俊介とキスしたということだろうか。いや、それもまた早合点かもしれない。  頭の中で過去の記憶と妄想がグルグルと回って、軽くパニックを起こしそうになる。  万国旗のような写真の前にいた俊介が、一歩、また一歩と貴樹に近づいてきた。  「タカちゃん、もしかして、今も旭にヤキモチ妬いてる?」  そう言いながら、七十センチの距離をすんなりと超えて貴樹の両肩に手を置いた。その手が熱く、両肩から全身に見えない炎が駆け巡る。  「忘れないでよ、あの時のこと。俺が見せたショウコ。あの時は、タカちゃん、あれで涙が止まったんだよ。俺にとってはタカちゃんが一番だってショウコだよ」  『あれ』というのは、やっぱり……。  焦点が合わないほど俊介の顔が近づいてくる。  「俺は、実在しないタカちゃんの彼女のこと想像して辛かった。タカちゃんが誰かに取られたみたいで、急に寂しくなった。タカちゃんが鷺ヶ原を受験するって勝手に決めた時と同じくらい、頭が真っ白になった。なあ、タカちゃんは、寂しくなったりしなかった? 俺が旭と一緒にいて嫉妬とかしなかった?」  俊介の瞳が、真実を見極めようと貴樹の左右の目を行き来する。  「タカちゃん、キスして良い?」  「えっ?」  貴樹の答えを待たずに、俊介は唇を寄せてきた。友情と愛情の境界だとか、男同士だとか、貴樹が悩み続けてきたことを一気に超えて。  訳が判らず体を硬直させたままの貴樹の唇に触れ、拒まないと判ると、俊介は、上唇と下唇で貴樹の薄い唇をおいしそうに喰んだ。  貴樹は初めての経験に、目を閉じることも忘れていた。  「俊、介……」  唇を塞がれたまま、愛しい人の名を呼ぶ。  自分が何をされているのか、頭に靄がかかっていて、触れられている感覚も確かではない。  これも妄想なんだろうか。それとも、やけにリアルな白昼夢。  気がついたら俊介の姿がなくて、股間だけが濡れているなんて、そんな空しい想いはもうしたくない。  貴樹は、俊介の背中に腕をまわした。唇の感覚はないが、両腕は肉体の逞しさを捉えていて、力を込めて引き寄せると、体の中心で互いに硬くなったものが擦れ合った。  「あっ……ゴメン……」  貴樹は両腕を緩めるが、その分、俊介が体を押し付けてくる。綿パンのファスナーが一気に突き上げられ、さらに刺激を受けて膨張していく。  「俊、介、ってば……」  そっと唇を離すと、俊介は、貴樹の皮膚の温もりを名残惜しむように耳から首筋へとキスを降り注いだ。  「なあ、トイレ、行こうよ。お前だって、もうパンパンだろ」  「タカちゃん、二人一緒に入るつもり?」  耳元に、熱を帯びた声が響く。俊介の言葉を想像して、貴樹の股間はますます膨らんだ。  「なら、お前はトイレで、俺は風呂場」  別のことを考えて頭を冷やそうとするが、俊介の執拗なキスが、そうさせてくれない。  「俊介。俺、もうヤバイ……」  切羽詰まった貴樹の声に、俊介は作業台の上のティッシュボックスを掴んだ。  「タカちゃん、ここでしようよ」  「はあ?」  「子どもの頃、オシッコの飛ばしっこしただろ」  「してないよ。俺が草むらにしてたら、お前が横に並んで勝手に始めたんだろ。それに、あんなもんを物置の中に飛ばすなよ」  「飛ばさないよ。どっちが早く出すか競争するだけ」  「並んでなんか、できるかよ」  「それなら背中合わせでお互い見なきゃいいだろ。俺、もうダメ。動けない。さあ、いくよ」  俊介が、貴樹の手を取って座らせる。貴樹も、もうギリギリだった。これ以上は、ファスナーが引っかかって、綿パンから出せそうにない。  「俺、声出ちゃうかも」  「タカちゃんの声聞いたら、俺、一瞬でスパークするな」  「バカだろ」  「バカだね。……マジでもう無理。いくよ。ヨーイ、ドン」  駆けっこでもするように、俊介は楽しそうに声を掛けた。  背中合わせに座って、屹立したものをシゴく。リズミカルな手の動きに合わせて皮がずれる音と、二人の吐息が重なる。  背中から、俊介の利き手の激しい動きと急上昇する体温が伝わってきた。妄想ではなく、リアルな俊介が背後でシゴいているのだと思うだけで、貴樹の股間は心臓よりも激しく脈打つ。  持続し続ける快感に、思わず「俊介ッ」と叫んだ。  「タカ、ちゃん、……イッた?……」  「ま、まだ……」  「俺、も……興奮が、止まんない……」  「俊、介ッ……」  空いている方の手で、俊介の手を探す。  俊介は、その手に指を絡ませたかと思うと、そのまま、貴樹の股間へと手を伸ばしてきた。  「バッ、バカ……。競争じゃ、なかった、のかよ……」  「競争、だよ。……俺、タカちゃん、に、触ったら、きっと、すぐ、イッちゃう、から……」  俊介は、貴樹に半身に向き合って、硬く天に突き立った彼のものを片手で握り、もう片方の手で自分のものを擦った。  握られているだけで動きの止まった手が焦れったい。貴樹は、その大きな手の上から自分の手を重ねて上下に動かしてみるが、俊介は自分のものを握っている手を動かすのに夢中で、貴樹のものは撫で回しているだけで満足している。  絶頂に達しきれないもどかしさを感じながらも、貴樹の体は欲情で溢れていく。それは、一人の時に感じる疼きとは全くの別物だった。妄想の中でしか触れ合えない俊介が、自分の最も敏感なところを握って、今まさに発射しようとしているのだから、比べものになるはずもなかった。  貴樹の耳元を震わせる喘ぎ声が、不意に熱くて強い息に変わったと思うと、宣言通り、俊介は短い呻き声を上げて果てた。  「タカちゃんの、どんどん大きくなってる」  自分の体液を手のひらで受けた俊介は、漸く、もう片方の手に意識を向けた。  貴樹の体を背後から包み込むようにして、自分の両方の手で彼のものを弄ぶ。  俊介が発射したぬるりとした温かい液体を介して、大事な物でも触るような優しい撫で方が更に絶頂への波を遠ざけ、ゾワゾワとした快感だけを連れてくる。  貴樹は、空いてしまった両手で、縋るように背後にいる俊介の体を掴んだ。  「お、お前が、俺のを弄り、ながら……エッチな声、出すから、だろ……」  「仕方ないだろ。タカちゃんに触っちゃいけないって、ずっと我慢してたんだから」  「我慢、って、何、だよ……」  これ以上ないというくらい興奮しているのに、貴樹の体液はなかなか発射しない。下腹部の奥が果てしなく膿んでいき、その感覚を味わう余裕もないほど苦しくなる。  「もうヤダ……、イキたい……」  「いいよ。イかせてあげる」  俊介の手のひらが、貴樹のものを包み込んで、激しく上下する。貴樹の小さな出口から溢れた透明な液体が、俊介のものと混ざってクチュクチュと音を立てるが、貴樹の欲望を解放するには至らない。  「俊、介ッ……、先っちょ、擦って……」  貴樹が甘い声でねだると、俊介の股間が再び息を吹き返した。背中に硬く押し付けられたものに、一層欲情が高まる。  「バ、バカッ、お前、また……」  悩ましい声で、貴樹は抗議した。  「タカちゃんが、可愛いこと言うからだろ。やっと触れられたんだ。反応するくらい、許してよ」  俊介は、貴樹の望み通り、先端を指先で擦った。艶っぽい吐息が徐々に大きくなり、「ンンンッ」と力んだ直後、俊介の手の中に、貴樹の乳白色の体液が溢れでた。

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