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「ちゃんと」※

  「いや、だ、もう ……しつこい……」 「んー……?」  くす、と笑う、啓介。 「……何してほしいか、言えばええのに」 「……」  言わないオレに、啓介は苦笑いを浮かべる。  両方の胸をしつこく嬲られて、最後に噛まれた瞬間。 「……あっ…… !……」  触れられてもないのに、軽く達してしまった。  服、着たままなのに。  つか、マジで最悪……っ。   「……は…… っふ……っ」  荒い息を抑えてるのに気付いた啓介が、くす、と笑って。  ズボンの上から、触れてくる。 「……ぬるぬるしとる……――――……気持ち悪い?」 「……っ……っ……」  マジで、だれかこいつ、ぶん殴って……っ 「きも、ち悪……から 触んな……」 「――――早よしてほしい事いわんと…… オレのしたい事、勝手に全部するで」 「……っ……」  それでも、言わないでいると、くるん、と向きを変えられて、俯せにされた。中心には触れられたまま。なので、腰を少し上げさせられたまま。  Tシャツをめくられて、背中をむき出しにされる。 「……っな、に……?」 「――――……オレ、いっつも思うんやけど……雅己の背中、好き」 「……っ何、言って……」 「ほんま、キレイ……」  指で背筋をなぞられる。くすぐったくて、震えてると。  舌が、背骨を舐めあげた。 「ひゃっ……! ……っ…… あっ……や、め……」 「――――……」  少しずつなめて。   ところどころ、吸い付かれて。少し痛いけど、なんか――――……。 「……んっ…… っ…… やっ……」 「――――……気持ちええ?」 「……っこんなの……、気持ちく、ないし……っ」 「――――……あ、そ……」  ふー、とため息をつく、啓介。  ぐい、と脚を持たれて、ひっくり返される。  仰向けにされて。 「――――……もう、ほんま強情すぎ……」 「――――……っ」 「可愛ぇけど、今日はなー…… 先寝られたしなー……」 「……っ」  もう。ほんと。 やだ。  こいつ、嫌い。 「……どっちがええかだけ、答えろや。 このまま、焦らされていじめられたい? それか、めいっぱいちゃんと抱かれたい?」 「――――……っっっ」 「答えへんなら、今日は、とことん焦らす」 「…………っ」 「あと、3秒な。 3、2、1、――――……」 「……っ」  オレは、最高にムカつく男の首に手をかけて、ぐい、と引いた。 「決まった?」 「……っ……ちゃんと……して」  焦らされるのとか、無理。  ただでさえ、感覚、やばくなってんのに、これ以上、そんな事されたら。  頭も体も、おかしくなるに決まってる。 「……ええよ。めっちゃ、ちゃんと、したるわ」  そんな、啓介の言葉に、  もう、気が遠くなる。  目の前で、啓介が服を脱いで、ベッドの下に、落とした。  ほんと ――――…… 良い体。  筋肉、綺麗についてて。  ムカつく、位。    これからどうされるんだろうと、強張ってると。  ふ、と見下ろした啓介が、苦笑した。 「――――……なあ」 「……っ……」  呼びかけられるだけでもビクビクして、退いてしまうと。  啓介は、ため息をついて。  上に押し乗ってきたと思ったら、ぎゅ、と抱き締めてきた。 「……ビクビクしすぎ。いじめとる訳やないやろが」  よしよし、と、頭を撫でられる。  ぎゅー、と抱き締められたまま、結構な時間が経って。  少し落ち着いた頃に、啓介が、少し離れて、オレをまっすぐ見つめてきた。 「――――……オレとするん、嫌なん?」 「……」 「――――……逃げたんやろ、さっき」 「……」  答えないけど、違うと言わない時点で、バレてるのも、分かってる。 「……そうかと思たら、やらしい顔しとるし。ようわからんな」  ……まあ。  ……啓介から見たらそうなんだろうけど。  ――――……てか、オレ、やらしい顔なんてしてないはず……。 「――――……気持ちよくなるんが、嫌?」  ずばり聞かれて、ぐ、と詰まると。 「……そこ何で? ……ええやん。気持ちよくなるん、悪い事ちゃうし」 「――――……」 「……オレは、気持ちようさせたいから――――……するけどええ?」 「――――……オレ……」 「ん?」 「……オレばっかり、おかしくなんの…… 嫌だし……」 「――――…………」  しばらく黙って。啓介が、はあ、と息をついた。 「……雅己な……」 「……?」 「……そんだけおかしくなってるて…… オレに伝えてるて事やで?」 「――――……っ」 「……気づかず言うてるんやったら…… 余計タチが悪いわ……」  啓介はそう言うと、急にオレの手を掴んで、下に引いた。 「え」  啓介のに、ズボンの上からだけど触らされて。  その硬さに驚く。 「――――……そんな言葉だけでな、簡単にこんなんなるんやけど」 「……っ」 「……おかしいのは、オレの方やと思うけど……。お前は、いつも可愛えだけやで」 「だっていつも、やらしいとか、なんか、言うだろ」 「……んー? それが嫌なん? ……全部可愛ぇと思って言うてるけど……」  ちゅ、と。頬にキスされる。  唇にもキスされて、それからまた頬にキスされて、くすぐったくて顔を振る。

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