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「片付け終了」
昼食の後も、2人でせっせと荷を解いて、片付けを続けた。
「これで終わりか?」
「んー…… うん、終わり! ありがと!」
何だかんだ、全部の段ボールが片付いたのは、夕方だった。
「そんな多くないって言うても、やっぱり時間はかかるもんやなー」
「そうだね」
最後の段ボールをガムテープでまとめて、完了。
「夕飯、買い出しいこか?」
啓介に言われて、大きく頷く。
「すっごいお腹すいた!」
「ん、行こ」
ふ、と笑った啓介に、ちゅ、とキスされて。
あまりの自然な感じに、まじまじ啓介を見つめる。
「……聞きたくないけどさあ」
「ん?」
「……啓介って、女の子達にもこーいう事してた?」
「こういう事って?」
「…… 今みたいなの」
変に見つめあったまま、聞くと。
啓介はクスクス笑った。
「雅己にしかしてへんよ」
「……嘘だな」
「はー?」
言いながらクスクス笑う啓介。
だってあまりに自然にキスしすぎ。
今までもそーいう事してたに違いない。
このタラシ男……。
「やきもち?」
くす、と笑って。
ちゅ、とキスしてくる。
「……やきもちじゃねえし」
とか言いつつも、 ムスッとしてると、またキスされて、よしよしと撫でられる。
「可愛ぇなぁ、雅己」
「……っだからオレ、やきもちじゃないって言ってんのに」
「オレ、もう雅己にしかしないから、大丈夫やで?」
だから。「大丈夫」って。
……オレ、やきもちも、別に心配もしてないっつーのに。
もうこれ以上言い返しても無駄そうなので、黙ると。
ふ、と微笑んだ啓介に、まっすぐ見つめられる。
「めっちゃ好き、雅己」
愛おしくてたまんない、みたいな顔されると。
……ドキ。としてしまう。
「――――……っ……早く買い物いこう」
くる、と背を向けると。
啓介が後ろでクスクス笑うのが分かる。
もう何も言わない事にして、玄関に急いで、靴を履いた。
マンションの外に出て、隣の啓介を見上げる。
「店まで競争しねえ?」
「は? ちょ――――……」
言うと同時に走り出す。
後ろからすぐ啓介の足音がするので、追いつかれないように、猛ダッシュ。
10分の道のり、あっという間にたどり着いた。
ほぼ同時。
足を止めて、ははっ、と笑う。啓介も、面白そうに笑ってる。
「すっげえ、速くなかった?」
「速すぎ…… なんでそんな、走ったん?」
「なんか今日ずっと片付けばっか、だったじゃん?」
はあ、と息を整えて啓介を見上げる。
「全力疾走、楽しい。あー。またバスケしたいなー」
「皆に声かけよか」
「うん、かけよう。来週でもいいなあ」
答えながらスーパーに入って、カゴを持つ。すると、何だかものすごく自然な動作で、カゴを取られて、啓介が持ってしまった。
「……オレ、女じゃないけど」
「ん?」
「持てるよ、これくらい」
「んー……」
ふ、と啓介が笑う。
「ほな、持って」
「ん」
啓介からカゴを受け取って、笑顔で買い物開始。
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