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「うーん?」

   あれから、キス、やっと離してもらえて。  オレがぐったり疲れてたから、休んでる間に啓介が先にシャワーを浴びて、啓介がご飯を準備してくれる間にオレがシャワー、という事に決まった。  別々に浴びるのは、オレが譲らなかったから。  シャワーを浴び終えた啓介が、呼びに来てくれたので、めちゃくちゃだるかったけど、バスルームにやってきた。  熱いシャワーを浴びて、ふと、気づくと。 「……っ……」  いつのまについたか分からない場所にまで、キスマークがついてて、見ると恥ずかしすぎるので、もう、見ない事にして、手早く体を洗う。  もーーーー……啓介って……。  ……ほんとに、やらしい事すんの、好きだよな……。  触り始める時の、あの楽しそうな顔、もう絶対拒否っても無駄なんだろうなと、段々諦めが入ってきてしまった。  ……でもいつか、こんなには、しなくなるのかなあ。  ていうか、こんなに毎日してたら、飽きないのかな??  だって、いつも同じ反応の、いつも同じ顔と体のオレとだし?  しかもオレ男だしなー。  いつか女の子としたくなっても、オレ、文句言わないかも。  しょうがないなって思っちゃいそうだよなー……。  ――――……んー。でも。  ……啓介が、オレを抱くみたいに、楽しそうに、誰かを抱くんだって思ったら……。  ……あれ。なんか、すげえ、嫌かも。  あれ、前は、本気で、女の子んとこに行けばいいのにって、思ってたような。あれあれ? 何、オレ。  ………啓介が他の奴抱くの、嫌になってんの?  前まであんなに、色んな子と付き合ってたんだし、これから何人増えたって、変わらないかも、とか、思いもするんだけど……。  あれ? なんか。  ――――……抱いてるとこ想像してしまったら、すげえ嫌かもしれない。  んー……でもなー。  ――――……つなぎとめるのって、難しいよなー。  ……まだまだ人生長いし。  うーん……。 「雅己ー? 大丈夫か?」 「えっ? ……なにが?」  外から急に掛かった声にビックリして、返事をしたら。啓介が笑いながら言った。 「めっちゃ長いから。 倒れてへんよな?」 「あ、うん。今出る」 「ん、おいで」  ……おいで?  きゅ、とシャワーを止めて、バスルームのドアを開けると。  啓介がバスタオルを持って、立ってて。  何を言うより早く、ふわ、と包まれて、優しく拭かれる。  髪の毛をざっと拭いて、そのまま体に降りてく。 「自分でやるから」  バスタオルをもらおうとするけど、「ええからええから」と、拒否られる。  結局全部拭かれてしまって。  うーん、恥ずかしいんだけど……と、眉を寄せてると。 「キスマーク、ほんまめっちゃ残るなあ……」  クスクス笑われて、誰のせいだよと文句を言おうとした瞬間。  つつ、と、キスマークの後を辿って、指先で線を引かれた。 「ひゃ……っ!」  自分でもびっくりするような声が上がって、体が震えて。  そしたら、啓介まで、びっくりしたような顔をして。 「……何や、今の声。可愛ぇなーほんま」  ちゅーちゅー頬にキスされるのを、押しのける。 「つか、くすぐったいからだっつーの!! いきなり触んなよっ」  もう、ほんと、やだ、啓介。バカ。変態。

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