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「啓介が居ない生活」
「……んっ、ぁ……っ」
オレがイってから、啓介が中でイって。
やっと、終わった。
「……はあ――――…… もー……疲れた……」
服だけなんとか直して、ころん、とソファに俯せに転がった。
結局、無理無理、ゴム、つけさせられて。
でもって、啓介もつけて。
結局……全部フルコース。
「……ベッド行けば良かった」
「うん?」
うつ伏せのままブツブツ言ってるオレを、
ソファに背を寄りかからせてる啓介が、振り返った。
「……膝が痛い」
膝をついて、ソファに上半身倒れて。後ろから、入れられた。
もう絶対、繋がってるとこ、丸見えで。
すっげえ恥ずかしいし。
途中からは、ソファの上で組み敷かれて、いつも通りだったけど、やっぱり狭いし。
「……疲れちゃった……」
啓介がくる、とオレを振り返って。クスクス笑いながら、すごく優しい手つきで、頭を撫でてくれる。
「……ちょっとだけ、このまま、寝ていい?」
「ええよ」
めちゃくちゃ気持ちいいし……。
あっという間に眠気に襲われて、意識を手放した。
◇ ◇ ◇ ◇
「雅己、起きれるか?」
「……ん……うん、起きる……」
頭を撫でられる感覚と、クスクス笑う啓介の声。
目を開けると、毛布がかかってることを知る。
「ン……ありがと……これ」
「ん。布団で寝ようや。歯、磨いて来たら?」
「……うん」
ぼーっとした頭で立ち上がって、ぼーっと歯を磨く。
ひょこ、とのぞき込まれて、くす、と笑われる。
「けーすけは磨いたの?」
「ん。さっき磨いた」
ん、と頷いて、しゃこしゃこ磨いてると、後ろからウエストに回ってきた手に抱き寄せられる。
「――――……」
首の後ろに、ちゅ、としながら、何かくっついてる。
……まあ。いいか。
なすが儘にさせたまま、歯を磨いて。
うがい迄終えてからタオルで口を拭きながら、啓介を振り返る。
「啓介、寝る?」
「ん、寝よ」
手を繋がれて、寝室に移動。
電気は付けず、ベッドに連れていかれた。
あれよあれよと布団に引き込まれながら、すっぽり抱き締められる。
もうこのまま眠ってしまいそうな感覚なんだけど、ふと思いついて、声を出した。
「――――……今日さ……?」
「ん」
「すごい勉強、したね」
「……せやな」
クスクス笑う啓介。
「……図書館、久しぶりに行ったし」
「せやな」
「……楽しかった」
「ん」
よしよしと撫でられて、ふ、と笑ってしまう。
「ずっとこんな感じで、一緒に居れるのかなあ……」
「……居ようと思うてれば、居れるやろ」
「――――……」
「……オレら、友達としてはずっと好きやったから、多分人としてはもうお互い、好きやろ?」
「……うん」
「――――……あとは、男同士で、こういう関係で居られるか、やろ」
「うん」
「居ようと思うてれば、大丈夫。ちゅーかオレ、お前と絶対離れたくないし」
啓介が、そんな風に言って、クスクス笑って、オレを撫でてくる。
「――――……」
オレはそれには答えなかったけど。
すり、と、啓介にくっついた。
……オレも離れたく、ないな。
啓介が居ない生活とか。
よく考えたら、高校で会ってから、ほとんど無いじゃん。
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