129 / 244

「啓介が居ない生活」

  「……んっ、ぁ……っ」  オレがイってから、啓介が中でイって。  やっと、終わった。 「……はあ――――…… もー……疲れた……」  服だけなんとか直して、ころん、とソファに俯せに転がった。    結局、無理無理、ゴム、つけさせられて。  でもって、啓介もつけて。  結局……全部フルコース。 「……ベッド行けば良かった」 「うん?」  うつ伏せのままブツブツ言ってるオレを、  ソファに背を寄りかからせてる啓介が、振り返った。 「……膝が痛い」  膝をついて、ソファに上半身倒れて。後ろから、入れられた。  もう絶対、繋がってるとこ、丸見えで。  すっげえ恥ずかしいし。  途中からは、ソファの上で組み敷かれて、いつも通りだったけど、やっぱり狭いし。 「……疲れちゃった……」  啓介がくる、とオレを振り返って。クスクス笑いながら、すごく優しい手つきで、頭を撫でてくれる。 「……ちょっとだけ、このまま、寝ていい?」 「ええよ」  めちゃくちゃ気持ちいいし……。  あっという間に眠気に襲われて、意識を手放した。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「雅己、起きれるか?」 「……ん……うん、起きる……」  頭を撫でられる感覚と、クスクス笑う啓介の声。  目を開けると、毛布がかかってることを知る。   「ン……ありがと……これ」 「ん。布団で寝ようや。歯、磨いて来たら?」 「……うん」  ぼーっとした頭で立ち上がって、ぼーっと歯を磨く。  ひょこ、とのぞき込まれて、くす、と笑われる。 「けーすけは磨いたの?」 「ん。さっき磨いた」  ん、と頷いて、しゃこしゃこ磨いてると、後ろからウエストに回ってきた手に抱き寄せられる。 「――――……」  首の後ろに、ちゅ、としながら、何かくっついてる。  ……まあ。いいか。  なすが儘にさせたまま、歯を磨いて。  うがい迄終えてからタオルで口を拭きながら、啓介を振り返る。 「啓介、寝る?」 「ん、寝よ」  手を繋がれて、寝室に移動。  電気は付けず、ベッドに連れていかれた。  あれよあれよと布団に引き込まれながら、すっぽり抱き締められる。  もうこのまま眠ってしまいそうな感覚なんだけど、ふと思いついて、声を出した。 「――――……今日さ……?」 「ん」 「すごい勉強、したね」 「……せやな」  クスクス笑う啓介。 「……図書館、久しぶりに行ったし」 「せやな」 「……楽しかった」 「ん」  よしよしと撫でられて、ふ、と笑ってしまう。 「ずっとこんな感じで、一緒に居れるのかなあ……」 「……居ようと思うてれば、居れるやろ」 「――――……」 「……オレら、友達としてはずっと好きやったから、多分人としてはもうお互い、好きやろ?」 「……うん」 「――――……あとは、男同士で、こういう関係で居られるか、やろ」 「うん」 「居ようと思うてれば、大丈夫。ちゅーかオレ、お前と絶対離れたくないし」  啓介が、そんな風に言って、クスクス笑って、オレを撫でてくる。 「――――……」  オレはそれには答えなかったけど。  すり、と、啓介にくっついた。  ……オレも離れたく、ないな。  啓介が居ない生活とか。  よく考えたら、高校で会ってから、ほとんど無いじゃん。    

ともだちにシェアしよう!