149 / 244

「啓介のバカ」※

「――――……」  目を覚ましたら、抱き締められていて。  でもって、全部思い出したらめちゃくちゃ恥ずかしい。  お風呂でしてから、出てきて、ベットでまたすぐ、続き、で。  声、出して良いって、啓介しつこくて。  だから、家だから我慢してる訳じゃなくて、恥ずかしいからだって思うんだけど、言えないし。  噛みしめると、すぐにキスされたり、指、入れられて、解かれて。  だんだん、自分の声にも、煽られて、我慢、できなくなっていって。  …………なんかオレ。めちゃくちゃ、乱れた気がする。  けほ。  小さく、喉の調子を確かめるみたいな咳をしたら。 「起きたん? ほれ、雅己」  と、啓介が起き上がって、水を渡してくれた。  とりあえず体を起こして、無言で受け取って、水を乾いた喉に流し込む。 「……けーすけ」 「ん?」 「…………オレ」 「ん」 「……オレ、声――――……」 「うん」 「……恥ずかしいから、我慢してんの、オレ」 「……ん?」 「声がどこかに漏れるとか、そういうんじゃないの」 「……ああ。そうなん?」 「さっき、めちゃくちや恥ずかしかったんだけど」  むむむ、と睨むと。  啓介は、すぐに、クスクス可笑しそうに笑って。 「めちゃくちゃ可愛かったけどな」  手が伸びてきて、オレの頭を撫でてくる。  そのまま引き寄せられて、キスされる。 「…………ん……?」  啓介がキスしながら、クスクス笑うので、見上げると。 「――――……声。ほんま可愛かった」 「……お前、おかしい」  恥ずかしすぎて、む、と口を閉じたのに、またキスされて、唇舐められると、自然と開いてしまう。  柔らかいキスが続いて。そっと離される。 「これ以上してると、またしたくなるから。もうやめる。帰らんといけないし」  頬を撫でられて、そんな風に言われて。  ん、と頷いた。 「オレ結構寝てた? あとどれくらいで出る?」 「ん。あと30分位やな」 「そっか……あのさ、啓介」 「ん?」  キスは離れたけど、軽く啓介の腕の中に抱き締められたまま。  ちょっと見上げる。 「……なんかさ」 「うん」 「……オレ……」 「何や?」  うう。ちょっと恥ずかしい。けど。  一応、言っとかないと。 「――――……オレ、大丈夫」 「ん? 何が?」 「……あの……啓介としてるの……気持ちいから」 「――――……」 「……だから、さっきのもう言わないし、こだわんないから、大丈夫」  じっと、啓介を見上げながら言ったら。啓介は、またマジマジとオレを見下ろす。  ため息、つかれる。 「――――……??」  何でそんなおっきいため息つくんだろう。 「啓介?」 「何でお前は、いっつも、ほんま――――……」 「……え」  とさ、と、ベッドに沈められて、押し倒される。 「え?」 「30分……いや。も、25分か……」 「……???」 「なるべく早めに終わらすから」 「……え」  さっき転がしてたままの、ローション、手に取って。 「え、何――――……っひゃ……っ」  中、指が入ってきて。 「……っん、あ……っ」  あっという間に快感、襲ってきて。  ていうか、さっきの余韻がまだ……っ……!! 「……すぐ平気そう」  もうすっかり、熱っぽい声の啓介に、耳元で囁かれて。  ぞく、と指、締め付けてしまう。  すぐ指抜かれて、あてがわれて。 「……っあ、……っん、ぁ……」  もう、すぐに、中まで貫かれて。  ぎゅ、と背中に抱き付く。 「……ばか、も……けいす、けの、ばか……っ……」 「――――……堪忍」  くす、と笑って。なだめるように、頬を撫でられる。 「んー……オレ、誰かに聞きたいんやけど」 「……っなにを?」 「……オレが悪いんか? これ……」 「――――……っあたりまえ……!」  啓介を睨むけど。  啓介は、すぐ、笑う。 「こんな場所で、んな事言われたら……するやろ?」 「っっだって! さっき、した、ばっかり……っ」 「――――……めちゃくちゃ気持ちよく、したる」 「……っっっいら、な……っ……」  唇塞がれて。  いきなり激しくされて。  ずるずると。  気持ち良いのに、取り込まれて、しがみつく。  ――――……もう。  啓介の馬鹿。      

ともだちにシェアしよう!