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「啓介のバカ」※

「――――……」  目を覚ましたら、抱き締められていて。  でもって、全部思い出したらめちゃくちゃ恥ずかしい。  お風呂でしてから、出てきて、ベットでまたすぐ、続き、で。  声、出して良いって、啓介しつこくて。  だから、家だから我慢してる訳じゃなくて、恥ずかしいからだって思うんだけど、言えないし。  噛みしめると、すぐにキスされたり、指、入れられて、解かれて。  だんだん、自分の声にも、煽られて、我慢、できなくなっていって。  …………なんかオレ。めちゃくちゃ、乱れた気がする。  けほ。  小さく、喉の調子を確かめるみたいな咳をしたら。 「起きたん? ほれ、雅己」  と、啓介が起き上がって、水を渡してくれた。  とりあえず体を起こして、無言で受け取って、水を乾いた喉に流し込む。 「……けーすけ」 「ん?」 「…………オレ」 「ん」 「……オレ、声――――……」 「うん」 「……恥ずかしいから、我慢してんの、オレ」 「……ん?」 「声がどこかに漏れるとか、そういうんじゃないの」 「……ああ。そうなん?」 「さっき、めちゃくちや恥ずかしかったんだけど」  むむむ、と睨むと。  啓介は、すぐに、クスクス可笑しそうに笑って。 「めちゃくちゃ可愛かったけどな」  手が伸びてきて、オレの頭を撫でてくる。  そのまま引き寄せられて、キスされる。 「…………ん……?」  啓介がキスしながら、クスクス笑うので、見上げると。 「――――……声。ほんま可愛かった」 「……お前、おかしい」  恥ずかしすぎて、む、と口を閉じたのに、またキスされて、唇舐められると、自然と開いてしまう。  柔らかいキスが続いて。そっと離される。 「これ以上してると、またしたくなるから。もうやめる。帰らんといけないし」  頬を撫でられて、そんな風に言われて。  ん、と頷いた。 「オレ結構寝てた? あとどれくらいで出る?」 「ん。あと30分位やな」 「そっか……あのさ、啓介」 「ん?」  キスは離れたけど、軽く啓介の腕の中に抱き締められたまま。  ちょっと見上げる。 「……なんかさ」 「うん」 「……オレ……」 「何や?」  うう。ちょっと恥ずかしい。けど。  一応、言っとかないと。 「――――……オレ、大丈夫」 「ん? 何が?」 「……あの……啓介としてるの……気持ちいから」 「――――……」 「……だから、さっきのもう言わないし、こだわんないから、大丈夫」  じっと、啓介を見上げながら言ったら。啓介は、またマジマジとオレを見下ろす。  ため息、つかれる。 「――――……??」  何でそんなおっきいため息つくんだろう。 「啓介?」 「何でお前は、いっつも、ほんま――――……」 「……え」  とさ、と、ベッドに沈められて、押し倒される。 「え?」 「30分……いや。も、25分か……」 「……???」 「なるべく早めに終わらすから」 「……え」  さっき転がしてたままの、ローション、手に取って。 「え、何――――……っひゃ……っ」  中、指が入ってきて。 「……っん、あ……っ」  あっという間に快感、襲ってきて。  ていうか、さっきの余韻がまだ……っ……!! 「……すぐ平気そう」  もうすっかり、熱っぽい声の啓介に、耳元で囁かれて。  ぞく、と指、締め付けてしまう。  すぐ指抜かれて、あてがわれて。 「……っあ、……っん、ぁ……」  もう、すぐに、中まで貫かれて。  ぎゅ、と背中に抱き付く。 「……ばか、も……けいす、けの、ばか……っ……」 「――――……堪忍」  くす、と笑って。なだめるように、頬を撫でられる。 「んー……オレ、誰かに聞きたいんやけど」 「……っなにを?」 「……オレが悪いんか? これ……」 「――――……っあたりまえ……!」  啓介を睨むけど。  啓介は、すぐ、笑う。 「こんな場所で、んな事言われたら……するやろ?」 「っっだって! さっき、した、ばっかり……っ」 「――――……めちゃくちゃ気持ちよく、したる」 「……っっっいら、な……っ……」  唇塞がれて。  いきなり激しくされて。  ずるずると。  気持ち良いのに、取り込まれて、しがみつく。  ――――……もう。  啓介の馬鹿。      

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