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「ピンクの空」2

「離れる心の準備が出来てへんのやけど」  ……オレが今思ってた事を、啓介、はっきりと言葉にしてくるし。  クスクス笑ってしまう。  「……心の準備が、いるのか?」 「当たり前やんか…」  当たり前なのか……。  なんか啓介がめいっぱい嫌がってくれてるので、なんかオレ自身はそんなに寂しくはないような気がする。 「帰ってくるの待ってるからさ」 「――――……」  スリスリしてた啓介が、ぱ、と顔をオレから離して、じー、と見つめてくる。 「浮気、禁止やで?」 「――――……はー。誰とすんだよ?」 「雅己の事好きな奴」 「誰?」 「――――……いっぱい居るやん」 「いっぱい居るのか? つか、しないってば」  オレと離れるのがそんなに嫌なのか。  ――――……なんかいつもと違う、少し甘えんぼみたいな啓介。  呆れながらも、ちょっと可愛い気がしてしまう。  ……いや、可愛いってタイプじゃないんだけど、啓介。 「歯磨きしてくる。ベッドで待ってて」  頬にキスされて、そう言われる。  ベッドで待ってて。  ……ていうのは。  ……………絶対そういうことだよなあ。  明日明後日できないから、とか。  絶対言いそう……。  ベッドで座ってると。  部屋に入ってきた啓介が、ライトを暗めに落として。  すぐにベッドに乗ってきて、オレを抱き寄せて、押し倒した 「……すんの? 明日、早いんじゃないの?」 「――――……二日も触れへんし、無理」  ……やっぱり言った。  思わず、くす、と笑ってしまう。 「何で笑ろてんの?」 「そのセリフ、言いそうだな―と思ってたから」 「……当たり前やんか」  苦笑いの啓介に、ちゅ、と唇を塞がれた。  ――――……熱い舌が、絡んできて。  ぞく、とした感覚に、いつも通り囚われて。  手を啓介の首に回して、性急なキスに、応えた。    ◇ ◇ ◇ ◇   「……っん、あっ」  中の弱いところ、散々擦られて、声が上がりっぱなし。  啓介の肩にのせられた脚が、がくがく震える。 「……あ……っ……ん、ん…」  激しく突かれて、もう限界なのに、  啓介の手が、イかないように、締め付けてて。  涙が滲む。 「……放し、て……啓介」 「先、後ろでイって」 「……っ……ぃや……ってば、そ、れ……あっ」  啓介の思う様に責められて。  息できなくなって。 「……あっ……っあ……!」  びくん!と体が震えて。  ――――……出せないままに、中、最大限に気持ち良くなって。   「――――……あ……っ……ん、っふ……」  ばか、啓介――――……。  目の前が真っ白になった快楽が消えないまま。  啓介のをこれ以上ない位に締め付けてるそこを無理やり広げて、突き入れられる。 「……やぁっ……あ、んっ……」 「――――……気持ちいい? 雅己」 「んんっ……」  耳、舌、いれんなっ……。  ゾクゾクが、これ以上ない位で。  締め付けてた指がほどかれた瞬間、突き上げられて達した。  そこをまた激しく揺すられて。  啓介がイくのを感じた瞬間。 「……は……っ……あ……」  全身、快感に支配されてるみたいな中。  深くキスされて。舌を奪われる。 「…ん……っ」 「雅己……」  唇の間で、呼ばれる。 「……っけ、すけ ――――……んん」  もう。ほんと。  気持ち良すぎて――――…… どうにかなりそ。  長いキスが離れて。  少し息がおさまった時。  啓介が、オレを抱き締めたまま、呟いた。 「――――……明日、六時位に出る。一回実家行ってそこから電車乗って新幹線乗ってやから。……早いけど、起こしてええ?」 「……ん……? ……何、言ってんの……絶対起こして」  啓介はふ、と笑って、頷く。 「見送ってくれる?」 「当たり前……」  答えると、ちゅ、とキスされる。  そのまま、ぎゅ、と抱き締められて――――……頭、撫でられてる間に、ゆっくり、眠りに落ちた。  

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