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「熱」※

 一緒に歩いて帰ってくる間に。  ……なんだかすごく――――……ドキドキ、してくる。  しばらく前まで。  啓介は友達で。ドキドキなんて無くて。  ……好きって言われるようになって、意味分かんなくて。  ……たくさん考えて、納得して、付き合った。  好きだと思って、付き合えば付き合うほど。  啓介のことが、好きになる気がする。 「雅己?」 「……ん?」 「……帰ったら――――……触ってええ?」  そんな風に聞くものだから、余計にドキドキして。  もうそのドキドキが、家に近付くにつれ、どんどん、大きくなる。  マンションについて、部屋の鍵を開ける。 「啓介、先にシャワー浴びる?」  靴を脱いで玄関に上がり、啓介を振り返ると。 「あとで」 「え」  肩にかけていた鞄を取られて、それが下に降ろされる。  壁に背を押し付けられて、顎をすくわれて、唇が重なる。 「……ん、ぅ……」  後頭部押さえられて。  本気のキス。  ちょっと軽くする、キスとかじゃなくて。 「……ふ、っは――――……」 「――――……雅己……」  啓介の手が、Tシャツの裾から、中に滑り入ってくる。 「ンっ……」  肌を撫でられただけで、びくん、と体が震える。 「雅己、体、あっつ……」  そんな風に言う啓介の息も、耳元で、熱い。 「……ひ、ゃ……」  耳に舌を這わされて、びく、と体が震える。  啓介の指はわき腹をなぞって、胸に触れた。先端をなぞられて、あ、と声が漏れるけど、またすぐ口を塞がれる。 「……ん、んっ――――……ふ、……」  なんか……。  いろんなとこ、一気に触れられて。  強制的に、あっという間に、体が――――……啓介のに、なってくみたいで。 「……ん、んん……け、すけ……待っ……」  玄関で、どこまで、すんの……。  少し唇を離して見上げると、啓介と視線が絡んで。 「……待てない」  言われて、またキスされて。  ここで離されても困るけど、と思うくらいに熱があがって。 「――――……っバス、ルーム、いこ……?」  ここよりはマシな気がして、一生懸命、そう言うと。  向かい合わせでひょい、と抱き上げられてびっくり。うわ、と思って、ぎゅう、と啓介の首に抱きつく。  すぐに、バスルームの脱衣所でおろされて。抱き寄せられてしまう。 「……っ……」  首筋に、キスされて、手の平で、胸をなぞられて。  ぞわりとした感覚に震えていると、啓介の空いた片手が、ベルトを外す。  なんかもう、ものすごいその気の啓介に。  嫌とかじゃないんだけど、ものすごく焦って、ドキドキしすぎて。  ……心臓が、痛い。 「……ん、ぅ……」  めちゃくちゃキス、されて。  息もまともにできないくらい、激しくて。 「……っふ、 は……ぁ、……」 「雅己……」  気付いたら、どんどん、服、はだけてるし。 「……ん、ん、ぅ……っあっ…」    手、だけで。イっちゃって。  ――――……体、熱い。目の前が、なんか白い……。 「……雅己、めっちゃ可愛ぇ……」  笑いを含む声が聞こえて。  啓介の舌が首筋に這うと、びくん!と体が大きく震えた。 「……待っ、て……も、ちょっと、ゆっくり……」  なんかもう、オレだけ、めちゃめちゃ服脱がされてて、恥ずかしいし。  気持ち良すぎて、怖いとか。  どうしたらいのいかよく分からない。

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