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「遠慮させて」※

※ 「――――……雅己……?」  ベッドの上。  啓介に呼ばれて、何とか、瞳を開ける。 「――――……平気?」  ……優しく囁かれるけど。  正直、あんまり平気ではない。結構、きつい。  シャワーを浴びながら、中、慣らされて。  バスタオルでざっと拭いて、今日はそのままベッドに来た。  ドライヤーしてる余裕とか、全然なくて。  早くつながりたい、なんて囁かれて頷いたら、すぐ中に入ってきて。  繋がるまでの時間、最短かも……。  変なことを思ったのも、束の間。  ギリギリまで抜かれて、ぞわっとして息をひそめたところを、深く突きあげられた。たっぷりついてると思う、ローションのおかげで、何の抵抗も、ない。 「……ん、ぁ……ッ!……」  ――――……始めたばっかりなのに、気持ちよくて。  真っ白になった。  なんかもうオレは……啓介のすること、全部気持ちいいんだろうなと思う。  しょっぱなから激しくて、でもそれを普通に受け止めて。  何度かわからない位、達して、もう、息ができない、と思った時に。   「――――……平気?」  と聞かれた。 「――――……ちょ、と……タンマ……」  そう答えると、啓介は、ふ、と笑って頷くと。  動くのを止めて、オレをぎゅ、と抱き締めた。 「――――……キツイ……」  背に腕を回して、は、と息をつきながら言うと、啓介は苦笑い。 「堪忍……」 「――――……ン……」  まだ中に居るから、嫌でもゾクゾクしてしまって、正直、動かれないのはそれはそれで、結構、つらい。  触れてる啓介の背中が熱い。汗ばんでて――――……なんか、手のひらが、はりつくみたい。 「……け、すけ……」 「……ん?」 「――――……一回、これで……終わらせて」 「……了解」  クスッと笑って、啓介がオレの頬に口づける。  ギシ、とベッドが軋んで、啓介の手がオレの腰を押さえた。 「……ッ……あっ……」  すぐに激しくなって――――……目の前が真っ白になって。  少し収まった息も、すぐ荒くなる。 「――――……っ!……ふ、ぁ……っ」  奥を突きながら、啓介が体を上げてきて、オレの顎をとらえて、口づけてくる。普段より、激しいキス。 「ん、ぅ……ッ…………んン……」  あーなんか……。  ……きもちい……。 「……けい、すけ……」 「……ん?」 「……きもちイイ……」  思わず言った瞬間、啓介がぴた、と、固まったような。  ん? と確かめようとした次の瞬間、更に激しくなった気がして。 「……っん、ぁ……!」  びく、と仰け反った唇をまた塞がれる。  色んなところ、触れられて、キスされて、深いところ、突き上げられて。  もう、無理、ついていけない、と思ってるうちに。  気づいたら。落ちてた。   ◇ ◇ ◇ ◇  ふいに目が覚めて。  分かっていたけど、啓介の腕の中。 「目、さめた?」 「……うん」  頷くと、啓介がオレを抱き上げて、よいしょ、と自分の上に乗せた。 「きつかった?」 「……うん」 「……けど気持ちよかった?」  クスクス笑いながらオレの頬に触れて、まっすぐ見つめてくる。 「……うん」  もうなんか違うという気力もなく、まっすぐ頷くと、啓介は苦笑い。 「……途中で気持ちいいとか言うから……」 「うん……」 「オレがヤバいわ」 「――――……そうなの?」 「……落ちなかったら、ずーっとしてたかも」 「うわ、やば……」  良かった、気ぃ遠くなって。 「――――……啓介ってさー……どんだけしてられるの??」  前も聞いたっけ……?? 「さあ……今度試してええ?」 「……いや、遠慮する……」  結構、オレ、一回目で、満足だけど。  ていうか……どこまでが一回、になるんだろう。  オレがイっちゃうのが一回なら、結構早めだな……って、どうなんだそれ。  啓介が一回ってなると……なんか、ずいぶん後なような……。  大体啓介がそーなる時って、オレも一緒にってことが多いから、もうぐったりしてて、なんかその間に、ゴム変えて、引き続きみたいな感じだから、正直、なんか……?? あんまりちゃんと何回かも良く分からない。 「遠慮しなくてええのに」 「マジで、遠慮させて……」  そんなやり取りをしながら、二人でクスクス笑いあう。

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